秋 奥日光を行く -Part2-
10月15日
今年の秋は長雨が続き、登山計画が立たないまま紅葉が始まった。久しぶりの晴れ間に、手軽るハイキングを楽しむことにした。当初、足尾の袈裟丸山に行く予定であったが、山道が土砂崩れで通行止めのため、急きょ予定を変更し、奥日光の光徳牧場に向かう。

8:30
装備を整えて、20数年前の記憶を頼りに、子連れで歩いた切込湖、刈込湖を目指して出発する。
光徳牧場の駐車場(無料)から、山王峠を経由し、切込湖、刈込湖の紅葉を楽しみながら、湯元温泉まで7.6kmを歩く。
山王峠までは、白樺やブナの林の中を緩やかな登りが続く。突然現れたコマドリが、おもしろいように行く手を先導してくれる。
白樺の黄葉は早く、だいぶ葉を落としているが、開いた空間に青空を望む。
9:30
上り道が終わり、クマザサが一面に茂る山王峠に出た。光徳牧場から2.1kmを歩いたが、ここからはしばらく平坦な山道を進む。
カラマツが色づきだし、秋色が深まる。
300mほど歩いたところから、山道を分岐して下り道に入る。このルートは光徳牧場と湯元を結ぶ周回コースになっている。
急斜面の下り道を20分ほど歩いて涸沼に着く。山間部は夜の冷え込みで立派な霜柱が立つ。
9:55
四方を山に囲まれた涸沼。湿原のような台地に水源がなく、涸れているところから付けられた地名のようだ。
涸沼を過ぎると、アップダウンのある原生林の中を行く。この辺りは針葉樹が多く広葉樹が少ない。
10:20
原生林にひっそりと囲まれ、澄んだ水をたたえる切込湖に着く。
周囲を山に囲まれた湖は風の影響が少ないのか、湖面は鏡のように風景を映し出す。
10:40
切込湖と水路でつながった刈込湖に着く。双子のような湖だが、刈込湖の方が大きな湖になっている。
湖畔に降りて、早めの昼食をとる。冷気が溜まって気温が下がり、上着を一枚追加して寒さをしのぐ。持参したホットコーヒーで体を温める。
真中の狭まったところで、切込湖とつながっている。湖に映った上下対称的な光景が美しい。
11:15
刈込湖を出発すると、すぐに登り道となる。湯元温泉からハイカーもやって来るので、コースはよく整備されている。
11:30
小峠を越えると、湯元まで下り道が続く。落ち葉で足を滑らせないように、慎重な足取りで進む。
前方の木立の中に湯ノ湖が見えてくる。黄葉して落ちたカツラの葉っぱを踏みしめながら、木漏れ日の中を歩く。
12:00
金精道路を横切り、湯元温泉の源泉がある湯畑に出る。硫黄のにおいが鼻を突き、長居は無用だ。

湯元温泉から路線バスで光徳牧場まで移動するつもりでいたが、湯ノ湖の湖畔を回り、湯滝まで足を延ばすことにした。

湯ノ湖の紅葉は、これからが見ごろをむかえる。
湯ノ湖を半周したあたりで、金精峠の鞍部を望む。日光白根山は前白根山に隠れ、ここからは見ることができない。もう時期、冬の渡り鳥が飛来する季節となる。
12:30
湯ノ湖から流れ落ちる湯滝の上部に着く。本格的な紅葉は、これから始まる。滝に沿って遊歩道を下り滝見台まで歩き、路線バスに乗り光徳温泉で下車する。光徳温泉から牧場までは歩いて数分の距離だ。総歩行距離は約10kmとなった。
13:25
光徳牧場に戻る。お湯を沸かし、熱々のカップヌードルをつくる。デザートに牧場名物のソフトクリームを食べ、紅葉トレッキングを締めくくる。
日光の実家に立ち寄り、一泊して帰宅する予定で来たが、なんと明日、屋台まつりが開催されることを知る。各町内会の屋台出しが始まり、準備に忙しい。故郷を離れて幾年月、一時人出不足で中断していたが、最近復活したようだ。江戸時代から続く由緒ある屋台を何十年かぶりに見ることができた。
日光東照宮を完成した宮大工が、国元に帰る途中の街道宿場町で造った。現存する屋台は日光市今市、鹿沼市、栃木市の栃木県内3市にある。秋まつりとして、これからも永く開催されることを願う。

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