4:54 雲海を見下ろす石北峠の夜明け
【第3日目】
9月20日(月)午前4時起床 気温12℃
標高670mある層雲峡の早朝は覚悟していたほど寒くない。満天の星空の中を4時30分出発。野宿のいいところは、素早い行動がとれることだ。石北峠(1050m)で夜明けの静寂したセレモニーが始まった。

5:22 石北峠を下って朝日が昇る北見市郊外
峠越えが終わり、北見市の道の駅「おんねゆ温泉」に立寄る。開店を待たずに洗面だけを済ませ、近くのコンビニでサンドイッチとホットコーヒーだけの朝食をとる。今日は知床観光船を予約しているので、ここで時間を費やす余裕はない。

6:19 朝日に金色に輝く遅咲きのひまわり畑

6:20 収穫を終えたジャガイモ畑の光景

7:33 国道39をバイパスし道道104に入る

道道104は網走湖の西岸から能取湖に抜ける近道で、この一帯は「波打つ丘」と呼ばれている。

7:40 波打つ丘の由縁に戸惑いながら走行

周囲の小高い山並みと農作地が延々と続く北海道の典型的な風景だ。無意識に見ていただけでは先ず気づかない。写真を撮って、よくよく眺めると農作地が幾重にも重なり合い、大地のうねりが波のように見える。



7:47 国道238に出る、左折し紋別方面へ

7:53 能取湖の全景が車窓に開ける

8:17 能取湖のサンゴ草群生地

海水湖に群生するサンゴ草の別名はアッケシソウ。数少ない群生地の中で日本最大規模になっている。

例年だと深紅のカーペットを敷き詰めたように色づくはずなのに、今年は猛暑の影響で遅れている。能取湖の秋の風物詩は始まったばかりだ。

8:48 流氷街道網走の道の駅に到着

道の駅のすぐ裏はオホーツク海だ。ここの港から流氷観光砕氷船「おーろら」が出る。

9:20 釧網本線藻琴駅に立寄る

オホーツク海の沿岸にある藻琴駅は、大正時代に建てられた駅舎が現在も使用されている。駅舎の中にノスタルジックな軽食&喫茶「トロッコ」があるがまだ開店前だ。

9:30 オホーツク海にいちばん近い北浜駅

オホーツク沿岸を走る釧網本線の北浜駅は波打ち際までわずか20mの無人駅。とにかく趣のある駅で、絶景を見ながら軽食を食べられる喫茶店「停車場」は旅情をそそられる。

釧網本線といっても単線、右はオホーツク海だ

駅舎に隣接した展望台から知床連山を見渡せる

9:44 小清水原生花園の案内板

   夏のなごりのを残して咲くハマナス


    ハマナスの果実がまっかに色づく

原生花園駅 記念写真に駅長帽子を無料貸出し

遠く網走から能取岬を望むオホーツクの砂浜

10:35 原生花園を後に国道224を斜里へ
北海道はどこまでも続く直線道路が多い。至る所に速度自動測定器が設置されているが、手前1km付近から警告表示板が出てくるので見逃さなければ大丈夫。交通量が少ないので気を緩めるとかなりの速度オーバーで捕まるので要注意だ。地元ナンバーの車の後について走ればまず安心。

10:40 左折し国道334に入ると知床

11:11 オシンコシンの滝は落石で立入り禁止

11:37 道の駅うとろ・シリエトクのおすすめ丼

予定していた知床観光船14:30をキャンセルし、12:30発に変更。昼食は道の駅で全7品2400円の地魚日替わり丼を注文。幸い時間が少し早かったので座席を取れたが、このあとすぐ満席になる。品書きの食材はムラサキウニ、活サメカレイ、活メヌキ、紅深海縞エビ、活ホタテ、時鮭、カニの外子となっている。どれもオホーツクで上がった新鮮な食材ばかりだ。北海の至極の味を贅沢に堪能する。

   知床産ぷりぷりのサメカレイ

   知床産あぶら身たっぷりのメヌキ
知床は2005年7月17日世界自然遺産に登録された。知床の自然は海岸絶壁によって人の上陸を拒み続けてきた。まさに北海道に残された最後の秘境である。


12:11 知床観光船おーろら

ウトロ港乗船場は道の駅のすぐ近くにあるオロンコ岩のトンネルを抜けたところにある。硫黄山航路は所要時間90分でカムイワッカの滝までを往復する。

12:30 ウトロ港出航

12:37 知床半島の切り立った断崖が迫る

12:50 硫黄山1563m

12:52 知床最高峰 羅臼岳1661m

12:54 海路からの上陸を阻む秘境が続く

12:57 先端に知床岳1254mが見える

13:07 硫黄山の湯の滝「カムイワッカの滝」

カムイワッカとは、アイヌ語で「神の水」の意。人を寄せつけない原始境を船上ウォッチングする。

13:16 カムイワッカの滝に接近後折り返す

13:17 帰路、神秘のベールを脱いだ硫黄山

14:25 知床五湖につづく道

観光船の乗船時間を繰上げできたので、知床五湖を観光する時間が確保できた。マイカー規制がある道路もシーズンオフが近づきレストハウスがある駐車場まで乗り入れ可能になっていた。一般車の乗り入れはここが終点になる。沿道に突然、エゾシカが現れ悠然と草を食べている。この一帯は自然保護された動物たちが頻繁に道路に出てくるので注意して走行する。

14:44 マイカーの終点、知床五湖駐車場
知床五湖探勝道は一周20分、40分、90分の3コースが整備されている。ヒグマ出没注意の案内板を見て、比較的安全な一湖と二湖を巡る40分コースを歩くことにする。三湖から先は訪れる人が少なく、ヒグマに遭遇するリスクがありそうだ。

14:51 原生林を抜けると一湖に到着


突然、熊笹の中から出没したエゾシカにびっくり

15:03 さらに原生林を歩き二湖に辿り着く

15:20 新しく出来た高架式木道を行く

五湖探勝歩道を駐車場まで戻り、高架式木道を散策してみる。高台から一望できる知床連山や広大な原生林は素晴らしい眺めだが、人工的な建造物は自然の景観をだいなしにしている。ヒグマ対策だろうがここまですることはない。

眼下に一湖が見える

原生林の彼方に硫黄山を望む

15:42 戻り道で遭遇したキタキツネの若兄弟

知床五湖駐車場を折り返し、知床横断道に向かう途中にもヒグマ生息の看板があった。まさに世界自然遺産の真っただ中にいる。

16:00 知床峠は雲の中で視界がきかない

今回のドライブの折り返し点となる知床峠は最高のハイライトと思っていたが残念だ、秘境知床ではいつまでも安定した天気を望むのは難しい。
オジロワシが描かれた羅臼町の標識
知床半島のウトロと羅臼を直結する唯一の道が知床横断道。学生時代に旅した時には構想すらなかった山岳道路であるが、今では車で通り抜けできる知床半島の最高所となっている。天気が良ければ羅臼岳が目前に迫るはずなのに、この日はウトロの海上から湧き上がる雲の切れ間に見えただけだ。

16:30 羅臼の道の駅 知床・らうす

近海で獲れた羅臼産魚介類が販売されている。季節の秋サケや高級品ブドウエビなど豊かな海の幸を目で楽しんだ。
17:10 羅臼の宿「まるみ」に到着

世界自然遺産登録で観光基地化したウトロに比べ、羅臼は昔ながらの漁村といった雰囲気が好きだ。知床横断道が出来る前は歩いて峠越えするしかなく、両地を訪れるのは日程的に実現出来ず、未踏の羅臼に宿泊することは長年の夢であった。

チェックインしたら天然温泉の露天風呂で一汗流し、楽しみの北海の珍味に舌鼓を打つ。今日のメニューには浜ゆでの特大毛蟹とタラバガニが丸ごと付く。自分でさばきながらカニを食べるところがワイルドでいい。

今日の走行距離 《284km》

手作りにこだわった地物を豪快にバイキング

熱燗は2合土瓶がオーダーの単位