Tour du Mont Blanc 5日目
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7月23日(土) 8:00
今日の出発予定は14:30、それまでは自由行動。いつもより遅めの朝食をホテルでとる。ビュッフェスタイルだが新鮮で豊富な食材を使った食事を楽しむ。かなり欲張って食べ過ぎたが、十分なエネルギー補給ができた。


宿泊は、HOTEL PAVILLON(★★★★)。山岳リゾートホテルのテラスから、雲間にモンブラン山群を望む。クールマイヨールはイタリア側のモンブラン登山基地であり、Tour du Mont Blancの中核都市でもある。


メゾン・ヴィレ小屋のあるシェクルイ峠を眺める。
11:00
トレッキング後半に向けた装備を整えてから、街歩きを楽しむ。朝方の小雨も上がり、ショッピング街の濡れた歩道に薄日が当たる。多くの有名ブランド店ではサマーセールが始まり、これを楽しみにやってくる観光客も多そうだ。
ウインドウショッピングも楽しそう。ヨーロッパでは飼い主と犬が躾の教育と訓練を受けているので、街中や公共施設、交通機関でも一緒に行動している。日本のようにペット扱いでは、公共の場に連れだせない。
11:40
ぶらぶらしながら、教会のある広場までやって来た。半日しかない中日の休息を有効に使い、街歩きを楽しむ。

昼食はピザとパイをテイクアウトして、街のベンチで食べる。好きなサイズに切り売りしてくれるのがうれしい。
13:30
晴れ間が広がる。モンブラン山群が見え出し、天気が急速に回復してくる。ホテルに戻り買い物品をスーツケースにしまい、前半宿泊したシャモニーのホテルに回送を委託する。
14:00
ホテル前のバス停から、Arp Nouva(アルヌーバ)1789m行の路線バスに乗る。
14:30
バスの車窓からグランド・ジョラスの南壁(シャモニーから見た裏側)が見える。この辺りで、Tour du Mont Blancを半周したことになる。
14:50
終点のアルヌーバに到着する。クールマイヨールから続く谷間は、Vallon Ferret(フェレ谷)と呼ばれ、Grand Col Ferret(フェレ峠)を越えて、スイスまで伸びている。
15:00
アルプの緩い登り坂にかかる。牧牛が登山路を塞いでいるが、ここは牛たちに優先権がある。大自然の中で、のびのびと育って警戒心はまったくない。
牛たちはアルプスの風景には欠かせない存在感がある。平和な世界を邪魔しないように、避けながら通り抜ける。
15:30
谷底から次第に高度を上げると、モンブラン山群の全貌が見えて来る。
15:40
奥深いフェレ谷を進むと正面に、Mont Dolent(モンドラン)3823mの頂が見える。

谷川の橋を渡り、勾配が増したアルプは高山植物の宝庫になっている。


←ニグラ・バニララン

 一見するとワレモコウのようだが、鼻を近づけるとバニラのような甘い香りがする。

↑ラエティクム・エゾスズシロの群生

↑フレイスケリ・ヤナギラン(茎が地を這う)

↑アルペストレ・ハンニチバナ(半日で枯れる)

↑マルタゴン・ユリ(個体数が少ない)
15:50
モンドランが行く手に迫る。急登が緩み今日の宿泊地にかなり近づいた。

16:00
フェレ谷最奥の谷間にある、Rif.Elena(エレナ小屋)2062mに到着する。小屋は、Tour du Mont Blanc最大級の大きさを誇る。
18:40
夕食前に小屋の広いテラスに出てみる。空様相が一変し、モンブラン山群は次第に雲に覆われる。
19:00
レストランがある2Fで夕食が始まる。さっそく山岳ガイドがワインをチョイスしてくれた。イタリアのワインは低価格でもこんなに美味しいとは知らなかった。今までイタリアワインはあまり口にしてこなかったが認識を改めねばならない。
料理はフルコースで出される。スパゲティの後にポークステーキと野菜煮込み、どれも本格的な料理で山小屋とは思えない。食後にはデザートも出てくる。


↑小屋の玄関口にある受付と大きなバーカウンタ。
夕食後、レストランの隣にある別テーブルのバーにメンバーが自然と集まった。なんとも奇妙な容器に入ったアルコールが出てきた。飲み口が5か所あり、中にはリキュールとコーヒー、レモンなどが入り、火をつけてアルコールを飛ばしながら、蓋をする。小皿には角砂糖をブランデーに浸したようなものが出され、最初にスプーンで口に含んでから、アルコールの容器を全員で回し飲みする。空になるまで続くが、飲み口に一番近い吸い口2か所を指で押さえて飲むのが流儀。アルコールの横漏れ防止のためだ。ともかく盛り上がって面白い。世の中には変わったお酒の楽しみ方があるものだ。
21:30
酔い覚ましに小屋のテラスに出てみた。夕暮れのフェレ谷はまだ明るさが残っている。小屋はシャワーがあり、水洗式トイレになっている。大きなドミトリー部屋には2段ベットが並ぶ。どれをとっても清潔な新しい設備で広々としている。気を付けることは、小屋入口のドアが自動ロックされること、夜中に抜け出すと入れなくなる。



今夜は快適な山小屋で熟睡できる。明日に備えて床につく。

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