会津駒ケ岳 2133m
back
10月4日(木)
今年の関東梅雨明けは6月29日、例年になく早い。7月には西日本豪雨、逆走台風の上陸など異例づくめ。また連続猛暑日を記録し、東日本観測史上最も暑い夏となる。9月になると台風上陸で関空が浸水、北電のブラックアウトなど想定しない災害も続出した。異常気象や自然災害で山行計画の立て直しができないまま、10月になってようやく天候の回復の兆しがみられる。
会津駒ケ岳の登山口となる桧枝岐までは自宅から片道約270km。日本秘湯を守る会の「かぎや旅館」に前泊する。昭和30年代に建てられた木造2階建。今の建築基準でないレトロな造りで、ピカピカの廊下を歩くと鴬張りのような心地よい音がするのがいい。なんといっても古代檜づくり風呂と柔らかいアルカリ性の泉質がたまらなく素晴らしい。質素な宿だがご主人が山からとって来た天然キノコづくしの山人(やもーど)料理に感服する。期間限定のシシダケきのこご飯は絶品である。他に裁ち蕎麦をはじめとする郷土料理が食卓に並ぶ。
10月5日(金)
7:00 朝食を済ませ宿を出発する。
7:20 駒ヶ岳登山口から林道の狭い登りを走り、取付点の駐車場(側道駐車を含め30台ぐらいのスペース)に着く。シーズン中の休日は混雑し駐車できない場合があるらしいが、平日のためかまだ余裕がある。
7:30 駐車場から通行止めの林道を少し歩いたところに、滝沢登山口があり階段上りから登山を開始する。

《コースデータ》
コースタイム 7時間30分
コース距離  11.8km
累積標高差  1156m
南斜面の傾斜が強い山腹をジグザグに登る。この辺りですでに標高が1000mを越えているが紅葉はまだ早いようだ。
8:10 急登が続き標高が増すごとに次第にブナの黄葉やカエデの紅葉が始まる。
ミヤマアキノキリンソウ
8:30 ミネカエデやハウチワカエデ、オオカメノキなど色づきだした紅葉と、ブナの黄葉が秋のグラデーションに彩を添えている。
ハウチワカエデ オオカメノキ
8:55 ほぼコースタイムで水場入口に到着。広場には休憩ベンチもあり小休憩をとる。


水場まで往復8分ほどかかる小径がある。
9:10 ようやく視界が開ける。山腹の紅葉が広範囲に進んでいるが、秋の長雨の影響か色づきはいまいちのような気がする。
9:45 遠く会津地方の山並みが見えてくる。
10:00 ブナの茂る尾根道をさらに登ると、樹林が針葉樹のオオシラビソに変わり、山頂部から続く湿原の南端に登りつく。板敷の休憩スペースがあり、晴れていれば駒ヶ岳山頂をまじかに見ることができるが、ガスに遮られ残念ながら見ることができない。
高層湿原の山道は木道に変わり、随所に池塘が現れる。

紅葉したチングルマを見つける。
夏の高山植物に代わり、草紅葉一色の秋色に染まった傾斜湿原の木道を登る。
10:20 傾斜がさらに緩み平坦な湿原となり、駒大池に到着する。木道のそばにつくられたベンチで休憩をとる。ここまでの登りはコースタイム3時間を切った。
池の南西側には会津駒ノ小屋が建っている。素泊まりの宿泊だが紅葉シーズンまでは管理人が滞在しているようだ。小屋の裏にコース唯一の有料トイレがある。
10:35 駒ノ大池で休憩後、会津駒ヶ岳山頂を目指し出発する。山頂付近の一帯は高層湿原のあるゆったりとした地形になっている。
10分ほど歩くと山頂側道の分岐を右に折れ、山頂までひと登りする。
10:50 会津駒ケ岳山頂2133mに着く。残念ながら山頂はガスに覆われて展望がきかない。視界が良ければ日光連山から上越の山々までが見晴らせる。
天候の心配があるが会津駒ケ岳の山頂から北側の山道を下り、中門岳まで足を延ばすことにした。
11:00 頂上西側を巻く側道と合流し中門岳を目指す。平坦な高層湿原の稜線に木道が続く。
会津駒ケ岳の山頂を下った北側では視界を遮る雲が切れて展望が開ける。
南西方向に苗場山など上越の山々が見晴らせる。
大小の池塘が点在する高層湿原の木道を行く。前方には南会津の深い山並みが広がる。
11:30 やがて大きな池塘の中門池のほとりに出る。周辺は穏やかな湿原が広がる。はっきりとしたピークがないが、この一帯が中門岳になっている。
11:40 中門岳で休憩後、往路を引き返す。ガスが切れて会津駒ケ岳の山頂が見えてきた。
12:20 駒大池まで戻り、昼食をとる。

12:50 下山開始。
14:55 滝沢登山口に帰還する。コースタイムより15分早いハイペースの下山となった。

帰路は湯の花温泉の日本秘湯を守る会「旅館・末廣」で一泊し、翌日に自宅に戻る。南会津の秋は天候異変で期待した紅葉は見られなかったが、キノコづくしの料理と温泉に大満足する。帰り道の販売所で山取りの天然キノコ(旅館で初めて食べたシシダケなど)を購入し、秋の味覚を楽しんだ。

Topback