荒船山1423m・妙義山1104m
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11月9日(木)
晩秋の群馬をトレッキングする。下仁田の温泉宿一泊予定で、荒船山と妙義山の二座を狙い、朝6時前に圏央道を走る。鶴ヶ島JCTから関越道に入り、上里SAで朝食を済ませ、藤岡JCTで上信越道に入る。下仁田ICを降りて国道254号で内山峠を目指す。

8:40 内山峠入口から国道を右折し、かつて信州佐久と交易路として使われた姫街道を走って、内山峠に到着する。
9:00 装備を整え、荒船山の登山道に入る。気温は10℃を下回っている。
ルートは荒船山の北端から延びる尾根の南側山腹を巻きながら、ゆるやかに登って行く。
荒船山の北面に高低差200mの艫(とも)岩が垂直に切り立つ。
9:35 鋏(はさみ)岩修験道行場跡を通過する。



鋏岩を南から巻いて、起状の多い尾根道を行くと大岩壁が目前に迫る。
9:50 小さな沢に架けた橋を渡る。ここは一杯水と呼ばれ、山を訪れた修験者や登山者が一杯すくって口にしたらしい。
一杯水から先は次第に傾斜がきつくなり、露岩の目立つ斜面はハシゴやクサリ場が続き、ルート一番の難所となる。
10:00 傾斜がゆるむと、溶岩台地の北端に達し、おだやかな林の道を進む。前方の展望が開け、垂直に切れ落ちた絶壁の上に出る。

10:10 艫岩の避難小屋に到着する。コースタイムより、かなりハイピッチで登って来た。小屋は四阿造りで、WCは閉鎖中。小屋の建替え予算がないらしい。

小屋から左の脇道に入ると、北側の視界が開けた展望台に出る。寒気の張り出しで浅間山には冬雲がかかる。眼下は足元がすくむ絶壁である。
10:20 艫岩展望台で小休憩後、荒船山の山頂がある経塚山(きょうづかやま)まで、船に例えられる荒船山の甲板を歩く。
南北約2km、東西400mの広大な溶岩台地の上は快適なプロムナードになっている。天上の台地はミズナラが主体の林に山道が伸びる。
10:50 南側に向かって急登が始まる。山頂に向かって最後の登りに差し掛かった。
10:55 経塚山1423m、山頂に立つ。すでに落葉した樹間からは南側の視界が開けるが、霞む秩父の山々は確認が難しい。

経塚山を後に往路を引き返す。途中、避難小屋に再び立ち寄り、早い昼食をとる。下山路で荒船山を振り返ると、巨大な船のへさきのような絶壁が見える。
南端にある経塚山が空母艦の司令塔のように、そそり立って見える。


12:50 登山口の内山峠に無事戻る。ほぼ4時間のトレッキングが終わる。
下山後、荒船山の対岸方向にある、神津牧場に立ち寄ることにする。林道から望む荒船山は、周囲の山々を荒海に見立て、まさに大海に漕ぎだす戦艦のように見える。
宿泊は下仁田温泉「清流荘」。日本秘湯を守る会に加入する温泉宿で、日本には少ない炭酸水素塩泉は美肌効果抜群で、疲労回復にも最適だ。源泉の温度が低いため加温しているが、加水していない。内風呂は古代檜づくりで、露天風呂はぬるめ。
11月10日(金)
朝食を済ませ、国道254号から県道51号を経由して、妙義山山麓を行く。時間にして約30分で「道の駅みりょうぎ」の駐車場に到着する。ここを起点に、三山(白雲山、金洞山、金鶏山)の中腹(中間道)を周回するコースを歩く予定。

9:50 装備を整え、妙義神社の大鳥居をくぐり参道を行く。正面には白雲山1104mの険しい岩峰がそそり立つ。
総門をくぐって本殿まで急な石段を登る。
10:05 長い直登の石段を登り切ると、本殿に到着する。
本殿の左手に中間道入口がある。
中間道は筑波山にもある「関東ふれあいの道」になっている。妙義山登山の一般道だが、山頂を縦走する上級登山道は滑落事故多発の危険地帯が随所にある。
登山道は杉の木立の中を行く。第二見晴から先は、落石により登山道が崩落し、通行止めになっていたが、とりあえず第二見晴まで行くことにする。
10:25 第一見晴からの展望。大きく南側にせり出す金鶏山は現在登山禁止になっている。
白雲山の岩壁に沿うように山道を歩くが、落石に注意が必要だ。水量が少なくなった大黒の滝を通過する。
山腹のアップダウンを繰り返しながら進む。この辺りはブナの黄葉が美しく、青空に映えている。
第二見晴に向かって登りが続く。小さな鞍部から南側に張り出した急な岩峰を登ると、第二見晴の展望が開ける。

これより通行止め標識あり。

跡形もなく崩落した山道。
10:50 第二見晴からの眺望。
金鶏山856m 金洞山1094m
第二見晴から山道を引き返す途中で見つけた秋色の山腹。藤の幹が幾何学的に絡み合って、岩峰に伸びているのが印象的な光景。
11:40 道の駅みょうぎの駐車場に戻る。土産に下仁田ネギ(一袋5本200円)を二袋購入し、上信越道松井田妙義ICから往路をたどり帰途につく。妙義山では不完全燃焼に終わってしまったが、天気にも恵まれ、奇岩トレッキングを十分楽しむことができた。
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