磐梯山・沼田街道
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10月7日(木) 1日目
9月末にようやくコロナの緊急事態宣言が全面解除となっても今年の夏は終わらない。連日の夏日にうんざりする中、磐梯山を登山する。
早朝4時前に常磐道を下り、磐越道の磐梯山SAで持参した朝食をとって、磐梯河東ICを降りる。ゴールドラインに入り、最高地点にある八方台無料駐車場に車を止める。道路を隔てた反対側にある八方台登山口から最短コースで磐梯山を往復する。
《コースデータ》
コースタイム 3時間55分
コース距離  7.1km
累積標高差  698m

8:50
八方台登山口を出発。しばらくはブナ林の緩やかな山道を行く。
9:20
視界が開け前方に磐梯山の山頂部を望むと、かつての秘湯「中ノ湯」に出る。一角に源泉が湧出する乳白色の池があり、硫黄臭が漂う。
9:40
中ノ湯から弘法清水方面に木道を進むと、本格的な登りとなる。
10:15
高度が徐々に上がり登山口の八方台が見渡せる。オオカメノキやミネカエデの色付きが鮮やかになり、季節の移り変わりが少しずつ感じられるようになる。
10:25
北側の火口の縁をなす尾根伝いを歩くと、お花畑コースとの分岐に出る。どちらを周ってもコースタイムに大差なく弘法清水に出るが、右周りの直登コースに進む。
ナナカマドはすでに紅葉を落とし、真っ赤な実だけを付けている。クマザサとのコントラストが美しく、青空に映える。
10:35
湧水が得られる弘法清水に到着する。弘法清水小屋は営業中で売店が利用できる。周囲は展望の良い休憩適地となっていて給水タイムをとる。
↑爆裂火口のすさまじい櫛ヶ峰 ↑吾妻連峰の山並み
↑檜原湖 ↑裏磐梯高原と湖沼群を一望
10:45
山頂を目指して急勾配の山道を登り始める。左側の北斜面は爆裂で激しく切れ落ちている。
高度を上げるにつれて周囲の展望が更に開け、表磐梯の会津若松方面も見渡せるようになる。
11:15
磐梯山山頂1819mに到着。石の祠がある小高い岩山に三角点があり、周囲360度の展望が開けるが、東側の猪苗代湖方面だけは雲に遮られてあまり視界が良くない。
↑アルツ磐梯と裏磐梯猫魔のスキー場を展望
12:05
山頂をピストンして再び弘法清水小屋まで戻り、昼食にする。夏の陽気が残る会津地方は快適な登山日和に恵まれた。

12:45
昼食をとり、たっぷり山の景観を楽しんだ後、登山口の八方台を目指し下山を開始する。
13:40
廃墟になっている中ノ湯まで下山する。



14:05
八方台まで戻り登山を終える。
宿泊は会津の山深い西山温泉滝の湯(秘湯の会)を予約してある。ゴールドラインを下り、会津河東ICから只見方面に磐越道を走り、会津坂下ICを降りて山間部に分け入って16時前に到着する。早速、山の出湯でひと汗を流し、休息をとる。夕食は地物の食材を使った質素な料理だが、豊かな山の幸を食するのも楽しみの一つである。
10月8日(金) 2日目
朝食後、桧枝岐まで約1時間半をかけてローカルな山道を走る。途中、国道(401号)なのに道幅が狭く、大型車通行止め区間(柳津町-昭和村)もある。対向車が無かったのが幸いであった。桧枝岐に到着後、山旅案内所に立ち寄り、連絡バスと登山コースの情報収集を行う。

11:00
七入駐車場(無料)で車を停める。かつて交易に使われた沼田街道を尾瀬の沼山峠まで歩いてみることにする。

《コースデータ》
コースタイム  3時間
コース距離   5.7km(推定)
累積標高差  650m(推定)
11:15
登山したくを整えた後、七入駐車場を出発し国道352号を渡ると、沼田街道入口の標識がある。

沼田街道の歴史は古く、400年前の真田信之の時代から交易のために沼田城と会津若松の区間の整備が始まっている。
標識に従い数分ほど歩くと御池古道との分岐に出て、進路を左にとり沼山峠を目指す。
11:25
硫黄沢に架かる最初の橋を渡り、緩やかな斜度が続く木立の道を行く。
11:45
赤法華沢橋を渡ると、比較的平坦な山道が徐々に斜度を増して行く。


しばらくして山道は道行沢(みちぎざわ)と出合い、いくつもの沢を越えて進む。
シロブナの木漏れ日に癒されながら、昔の旅人たちが歩いた道跡をたどり、山深く分け入って行く。
12:00
道行沢二番橋を渡る。


山道の随所に巨大ブナの立ち木が現れる。
12:15
道行沢三番橋を渡る。
12:25
道行沢に沿いながら更に上流に向かって進む。
12:35
道行沢五番橋を渡ると、傾斜が更に増してきて、つづら折りの山道に変わる。
12:55
抱返(だきかえり)の滝の標識がある。山道の脇道に入り5分ほどで、岩肌を細く平たく流れ落ちる滝が現れる。岩盤を抱き返っているように見えるところから名付けられたようだ。
滝見の後、元の山道に戻り沼山峠まで最後の急登を歩き切ると、次第に斜度が緩んでくる。
13:15
標高1500を越えたあたりから、樹林の切れ間に会津駒ケ岳2133mを望む。
13:45
沼山峠休憩所1680mに到着する。所要時間は2時間30分、途中休憩を入れずに登り切った。無人休憩所のデッキで湯を沸かし、カップラーメンの昼食をとる。バスターミナルになっている沼山峠からシャトルバスが御池まで運行されているが、御池駐車場が満車の時だけ七入まで延長運行される。今回は便数の少ない路線バスを利用することになる。事前に調べておいた発車時刻14:50までだいぶ余裕がある。
15:40
御池を経由し七入まで戻る。途中、モーカケノ滝付近の道路沿いにニホンカモシカの若い兄弟が突然現れる。これも尾瀬の自然が保護されている証であろう。

16:00
宿泊で何度か利用している秘湯の会「かぎや旅館」に到着する。楽しみにしていた古代檜風呂の温泉でひと汗を流し夕食を待つ。
山人(やもーど)料理秋祭りの献立は
ヤマウドなどの山菜の酢の物やサラダに自家栽培の野菜、ブナハリタケの煮物、イワナの刺身と塩焼き、つめっこ(蕎麦すいとん)、天然マイタケとマスタケの天ぷら、裁ちそば、はっとう(そば粉、米粉を練り茹でた郷土料理)などバラエティーに富んでいる。

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