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8月5日(月)
鳥海ブルーラインの大平山荘に前泊し、早朝の鉾立山荘駐車場にマイカーを停める。
5:00 好天に恵まれた象潟(きさかた)口1160mから鳥海山登山を開始する。 |
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深い渓谷の奥に、朝日を受けた鳥海山のシルエットが映える。日本海側から見る鳥海山は、太陽が稜線より高く上がらないと日の出とならない。 |
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歩き出してしばらく整備された登山道が続く。眼下の鉾立山荘は朝の静寂な時間に包まれたままだ。 |
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5:15 展望が開けた尾根道に出る。山体が大きな鳥海山は裾野が長く、歩きやすいがなかなか高度を上げることができない。 |
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登山開始から1時間が過ぎ、ニッコウキスゲやチングルマ、イワイチョウなどの高山植物が見られる。 |
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6:20 賽ノ河原に出た。岩がゴロゴロした台地で最初の休憩をとる。山肌から張り出した雪渓が見える。
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賽ノ河原から御浜小屋まで長い直線的なトラバースが続く。 |
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↑ ハハコグサ |
↑ ミヤマアキノキリンソウ |
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7:15 御浜小屋1700mに着く。吹浦口と長坂道からくる登山道がここで交わる。ここで十分な休憩をとって、本格的な鳥海山登山に備える。 |
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↑ ハクサンフウロ |
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御浜小屋から雪解け水をたたえる鳥海湖を眼下に望むことできる。 |
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鳥海山の外輪山が切り立ち、新山を見ることはできない。庄内平野から吹き上がる気流が雲となるが、今日の視界は良好だ。 |
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↑ ハクサンシャジン |
↑ トウゲブキ |
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7:35 御浜小屋を出発する。鳥海山の長いアプローチが終わり、ここから山頂登山を目指す。 |
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↑ クルマユリ |
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7:50 山頂まで3.6kmの御田ヶ原を過ぎる。広い尾根道の草原地帯を登山路が延びる。
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↑ ミヤマリンドウ |
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↑ ニッコウキスゲ |
↑ ハクサンイチゲ |
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↑ アカモノ |
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8:10 八丁坂。ここからが登り勾配が増してくるが、登山路はよく整備され歩きやすい。 |
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←沢地に見つけたヒナザクラ。コース上ではここでしか見ることができなかった。 |
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8:25 七五三掛(しめかけ)に着く。少しガスが出てきたが天気の崩れはなさそうだ。ここではチングルマの開花はすでに終わっている。 |
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千蛇谷(せんじゃだに)分岐はさらに外輪山を200mほど登ったところに変わった。外輪山内壁を下る登山路は崩壊が進んでいる。 |
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8:30 外輪山内壁の奥に、鳥海山の山頂となる新山2236mを望む。 |
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8:55 千蛇谷分岐を外輪山コースに進路をとる。眼下に雪渓が残る千蛇谷を見渡すことができるようになる。千蛇谷コースを行く登山者の列もわずかに確認ができる。 |
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外輪山コースは展望が開け、庄内平野から吹き上がる風が心地よい。 |
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↑ イワブクロ |

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↑ チョウカイフスマ |
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9:20 ハイマツ地帯を抜けると、標識が倒れたままの文殊岳2005mに着く。 |
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9:55 伏拝岳(ふしおがみだけ)を過ぎる。湯ノ台口(ゆうのたいぐち)コースからの合流点になっている。噴火でできた新山の中腹に山頂小屋の赤い屋根が見えてくる。 |
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10:20 行者岳2159m。岩峰にかかる鉄梯子を下ったところにある。 |
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10:30 高度が上がり眼下に山頂小屋の全貌が見える。 |
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↑ イワギキョウ |
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湯ノ台口コース上にある大雪渓が見えてくる。上昇気流に乗った赤とんぼの集団が外輪山稜を飛び交う。 |
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10:40 山頂小屋への降下口に出る。ここからさらに外輪山の先端方向に進む。 |
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10:45 外輪山の最高地点となる七高山(しちこうさん)2229mに達する。ここで折り返し山頂小屋への降下口に戻る。 |
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新山(鳥海山頂)2236m↑ |
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11:05 山頂小屋(御室小屋)到着。小屋の奥手に鳥海山大物忌(おものいみ)神社を祀る。休憩と早めの昼食をとる。宿泊の受付は13時からになっている。その間に新山登頂を済ませておくことにする。 |
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↑ 山頂小屋の前庭から越えてきた外輪山の稜線と千蛇谷からの登山路を望む。
← 新山コースの案内板。溶岩が噴出した岩峰を時計回りで登ることにする。登り30分、下り20分となっている。 |
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ゴロゴロした岩塊の急斜面を、コース指示の矢印に従って一つ一つ丁寧に登る。岩壁を登りきると巨大岩の切り通しを抜けて、最後の岩塊を越え山頂に立つ。
12:30 新山2236m登頂。 |
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下りは右回りで岩塊を降り、巨大岩石の割れ目がある胎内くぐりをして雪渓に降りる。 |
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13時前に山頂小屋に戻り、宿泊の受付時間を待つ。早い時間の受付で、プラス1000円の個室が取れた。この日は100名の団体予約が入っているそうで、寝場所の大混雑から解放された。夕食は3回の入れ替え制になったが最初のグループで食べることになった。夕食までの時間は’覇者の一杯’の看板に誘われて山頂生ビールをおおいに楽しむ。 |
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↑ 山頂小屋前のチョウカイフスマ |
↑ ミヤマキンバイ |
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18:00 夕食後、日没を見に小屋を出てみると、日本海に夕日が沈む落陽が観察できた。 |
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8月6日(火) 4:50
小屋の管理人から教えてもらった時刻に、影鳥海を見に外に出る。背後から登る朝日が、鳥海山の影をつくり、日本海上の雲海に映し出す。思ってもみなかった光景にただただ感激する。
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5:30 山小屋の朝食。ゆで卵も付いてちょっと贅沢な気分。たっぷりのワカメの味噌汁がうれしい。発泡スチロールの容器はすべて回収されリサイクルしている。湧水がない鳥海山ならでの工夫だ。 |
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6:10 山小屋を後に千蛇谷の下山を開始する。今日も猛暑になりそうなので、できるだけ早い時間に下山を終えたい。
← チョウカイアザミ |
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6:50 鳥海山頂から朝日が昇る。下山を追いかけるように、刻一刻と千蛇谷に朝の光が射してくる。 |
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7:05 千蛇谷の雪渓を渡る。渡り切ったところから外輪山内壁の急勾配をジグザグに登り返す。
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外輪山の中腹を右に大きく回り込むと、鳥海山の噴火で流れ出た溶岩や土石流の跡が残る斜面が現れる。 |
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7:20 さらに山腹を巻きながら登り、外輪山と千蛇谷のコース分岐に出る。ここから稜線の登山路をたどれば、御浜小屋がある山稜を望む。 |
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8:00 七五三掛を下り、御田ヶ原を登り返す。 |
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8:40 鳥海湖が見える御浜小屋に着く。山頂小屋から2時間30分で一気に下ってきた。小屋前のベンチでトイレ休憩をとる。徐々に日が高くなり後方から直射日光を受けるようになり、下山を急ぐ。 |
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10:05 鉾立山荘がある象潟口まで下山。標高1100mを越えているのに真夏の蒸し暑さにはまいった。山荘のレストランでアイスコーヒーを飲み、さらにかき氷を食べてクールダウン完了。 |
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次の予定は明日、月山に登山を計画している。庄内平野を縦断して移動を開始する。 |
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14:30 月山志津温泉に到着する。宿泊する「まいづるや」は日本秘湯を守る会会員宿になっている。チェックイン後、早速温泉で汗を流し疲れを癒す。
夕食は地元産の食材にこだわる料理が並ぶ。山形牛の焼肉と子持ちアユの塩焼きは絶品である。
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宿は寒冷地のためロビー以外に冷房がなく、扇風機をフル稼働して暑さをしのぐ。明日も晴天が続き、熱中症の危険があるため月山登山中止を決めた。
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