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9月24日(日)
早朝4時に圏央道に入り、鶴ヶ島JCTから関越道を経由して、藤岡JCTより上信越道を走る。その後、更埴JCT、上越JCTから北陸道へと進路をとる。金沢西ICを降りて国道157号から県道33号で白山温泉に予定通り15時到着する。宿泊は白山登山口に一番近い永井旅館を予約している。そして、いつもの秘湯を守る会の会員宿でもある。 |
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到着したら早速、天然温泉に浸かってロングドライブの疲れをとり、夕食を待つが、ちょっと時間があるので途中の有磯海SAで購入したホタルイカの素干しをつまみに、缶ビールで乾いたのどを潤す。夕食はイワナと山菜を中心とした山里料理、イワナの塩焼きにニジマスの小魚マリネが二匹付く。スタミナを回復したら明日に備えて早めに床に就く。 |
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9月25日(月)
記録的な夏の猛暑も、季節の移り変わりが感じられる朝を迎える。土日祝日はマイカー規制で登山口まではシャトルバス利用となるが、平日は規制解除で別当出合の駐車場まで入山可能になっている。朝食を済ませて、15分ほど山道を登り、駐車場(200台)に着いたら登山支度を整え出発する。しばらく階段を登ると別当出合登山口に出る。一般車はここまで侵入できず、シャトルバス乗場のロータリーになっている。休憩所では、トイレ利用と給水ができる。 |
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8:10
別当出合登山口は標高1260m、ここが登山の開始ポイントになる。 |
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鳥居で安全祈願してから歩き出すと、すぐに砂防新道と観光新道の分岐点となる。登りは砂防新道を選択する。観光新道は尾根道で展望が良く、下山に利用するのが一般的ルートになっている。 |
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8:15
分岐点を過ぎてすぐに別当谷に架かる吊橋を渡る。谷底を見ると、かなりの高度感があり、早く渡りきりたい気持ちが先に立つ。 |
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吊橋を渡ると別当谷に沿って、登り専用の急な石段が続く。 |
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9:00
中飯場の休憩所で小休憩し、給水をとる。コースは白山信仰の登拝路としてよく整備されている。 |
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9:50
別当覗を通過する。立入禁止で峡谷の谷底を見ることはできないが、対面側の尾根筋が復路の下山道となる観光新道になる。 |
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夏のなごりにナデシコが咲き残っている。
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少しづつ勾配がきつくなる登山道。古より(開山は717年)信仰の山として、数知れぬ登拝者が歩いた道だ。 |
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ゴゼンタチバナはすでに赤い実をつけている。
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10:15
砂防工事が進む甚之助谷の上部が見えてくる。平地に木道が付けられているは、豪雪地帯の雪解けで、ぬかるみを避けるためのものだろう。 |
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10:55
甚之助避難小屋に到着する。ここでもトイレ利用と給水ができる。このコースは水場が多いので、荷物の重量負担を軽減できるのがいい。この先に急登が控えているので、十分な休息とエネルギー補給をすることにする。 |
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観光新道側の尾根 |

別山2399m |
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11:10
甚之助避難小屋を出発する。 |
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秋の訪れ、ミヤマアキノキリンソウが咲く。
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11:30
南竜道分岐に出る。眼下に甚之助避難小屋を望む。右手の南竜道を40m進んだところに、大正時代に造られた谷止工の跡が残り、登録有形文化財になっているが、進路は左手方向の黒ボコ岩を目指す。 |
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11:40
山道が岩尾根を左にトラバースしながら延びているのがわかる。落石注意区間もあって慎重に進む。 |
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山道の側面から雪解け水が流れ落ちる。 |
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12:05
十二曲がりと呼ばれている、ジグザグの急登が続く。胸突き八丁にある延命水を通過すれば、尾根道が近い。 |
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天上に黒ボコ岩が見えてきた。最後の踏ん張りどころだ。 |
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12:30
十二曲がりの急登が終わり、黒ボコ岩まで登りきる。しばし岩陰で休憩する。体温低下の防止にウインドブレーカーを羽織る。ここは観光新道との合流点なり、目指す白山室堂までは一本道となる。 |
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12:40
黒ボコ岩を出発してまもなく、木道が続く弥陀ヶ原に出る。ガスが出てきて前方視界が遮られる。 |
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12:55
別ルートのエコーラインからの合流点を直進する。ここから五葉坂と呼ばれている最後の登りに取り付く。 |
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石段の隙間にシラタマノキを見つけた。 |
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弥陀ヶ原を振り返ると、天上の台地が広がり、二筋の木道が五葉坂に向かって延びている。左側がエコーラインの木道で、右側が歩いてきた木道だ。 |
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視界が開けて、白山室堂の山小屋が見えてくる。山頂の御前峰が初めて白い山容を現す。 |
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13:25
宿泊予約した白山室堂に到着し、ビジターセンターでチェックイン(13時からOK)する。部屋は相部屋だが宿泊者に余裕があるのか、1区画(2人で使用)を1人で使用できるようになった。まるで個室のように快適な居心地だ。荷ほどきしてからビジターセンターのテラスで遅い軽めの昼食(ビールにソーセージ)をとる。山小屋の夕食は16時と早い。 |
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ビジターセンターを通り抜けた先にある白山比め神社祈祷殿。 |
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ビジターセンターのテラスからの眺めが素晴らしい。次第に天気が回復してきて青空も見えてくる。 |
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山頂部の航空写真。山頂まではビジターセンターから40分の登りで行ける。さらに山頂からは翠ヶ池などの池巡りコースをたどると、ビジターセンターまで周回できる。 |
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夏の猛暑の影響で遅れている紅葉だが、ナナカマドの実は真っ赤に色づいている。 |
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白山は、奥宮がある御前峰2702m、大汝峰2684m、剣ヶ峰2677mの主峰三峰を中心にした山体をなす。また、日本三大霊山(富士山、立山、白山)の一つに数えられている。 |
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16:40
夕食後、晴れ間が広がり、絶好の景観を楽しみに、近くの展望台まで出てみる。 |
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石川県と福井県の県境方向。別山の左奥部に荒島岳1534mが僅かに見えている。 |
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岐阜県側の雲海に浮かぶ山塊は乗鞍岳3025m。今回の山旅の最後に登山を予定している。 |
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白山の山頂、御前峰2702mが完全に山体を現わした。奥宮もはっきり確認できる。 |
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直線距離にして100km以上あると思われる、乗鞍岳山塊を望遠してみる。 |
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夕暮れの別山の裾野に雲海が漂い出す。 |
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南にある熱帯低気圧と、北の秋雨前線の影響か、雲海の厚みが増しきて幻想的な光景となる。いよいよ落陽の始まりだ。 |
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落陽に魅せられた後、次第に気温が下がり出した展望台を後にして、山小屋に戻り就寝の準備に入る。消灯は20時、山小屋の夜は早い。 |
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9月26日(火)
山頂まで登らなくても展望台から御来光が見えることを確認して、朝5時に起床する。不安が的中して、濃霧に包まれ視界不良となる。次第に雨が強まり御来光どころではない。6時30分に朝食をとるが、天候の回復は見込めない状況となる。山頂登山を諦めて下山準備に入る。
8:30
雨具を着て下山を開始する。 |
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8:50
弥陀ヶ原で雨は小康状態となり、雨具を外し軽装にする。 |
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9:10
黒ボコ岩の分岐点に着く。天候不良のため、観光新道コースを諦め、往路の砂防新道を下ることにした。 |
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十二曲がりは急勾配で、雨に濡れた石段は滑りやすい。慎重にステップを踏みながら下山する。 |
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雨に濡れた石段にカタツムがはいでる。最近、見かけなくなったカタツムリだが、山岳地帯では元気に生息しているようだ。 |
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10:10
難所が終わり、甚之助避難小屋に着く。休憩所に入りエネルギー補給して、体調を整える。小屋の周囲の草花には秋の訪れが感じられる。 |
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12:55
別当出合登山口に無事下山する。休憩所で湯を沸かし昼食をとる。雨の石段下りは、体力のダメージが大きく、大きくタイムロスしてしまった。 |
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別当出合の駐車場に戻り、18kmほど山道を下って白峰温泉に向かう。宿泊は永井旅館の別館、白山苑を予約している。定番のイワナの塩焼きを肴に、地酒の冷酒で乾杯。 |
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9月27日(水)
一夜明けて、小雨模様の天気。白山苑の前に重要伝統的建造物になっている、白峰温泉総湯がある。昨日は休館日で日帰り入浴は出来なかった。
7:45
ホワイトロード(宿泊者は通行料1,700円無料キャンペーン中)を経由し、乗鞍高原を目指して出発する。走行距離190kmほど、少し観光も楽しむため早めの行動となる。 |
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ホワイトロードは石川県から岐阜県の白川郷に抜ける山岳ロードで見どころが多い。国道157号瀬女から、国道360号に入り、中宮料金所を通過する。最初に、「しりたか滝」が現れるが駐車はできない。 |
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8:50
険しい山岳道路を走り、最大の滝「ふくべの滝」に到着する。駐車場があり壮大な滝を仰ぎ見る。まるで、ニュージーランドの氷河谷のような景観だ。
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ここから、ふくべの滝の上部まで曲がりくねった道路を登り、更に高度を上げて行く。紅葉には早かったが、通行車両が少なく山岳ドライブの醍醐味を独占した気分になる。 |
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9:15
栂の木展望台に駐車してみるが、案内板のような白山は雲に隠れて見ることができない。 |
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9:30
峠を過ぎて岐阜県に入る。天気は依然として回復せず、曇り空の視界は良くない。 |
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白川郷展望台の駐車場に入る。眼下に白川郷合掌造りの集落が眺めることができるとあるが、薄雲に僅かに確認できる程度だ。雲海を楽しむというわけでもなく残念である。 |
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10:15
白川郷のせせらぎ公園Pに到着する。世界遺産の白川郷には、「であい橋」を渡って集落に入る。懸念していた通り、国内外の観光客で混み合っている。 |
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集落を自由に散策する。集落内は全て私有地で勝手に立ち入ることはできない。 |
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重要文化財の明善寺、山門と本堂の屋根が茅葺になっている。他では見られない珍しい建造物だ。 |
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隣接する明善寺庫裡(くり)が有料で一般開放されている。茅葺は最近葺き替えられたようで新しい。「結」と呼ばれる、村民総出の作業で、伝統技術の伝承が行われている。 |
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急な狭い階段を上がった二階が見学コースになっている。昭和初期まで養蚕が屋根裏の大空間を利用して行われていたところ。今は昔の農機具類が展示されている。 |
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五階建ての合掌造りの二階から集落を眺める。明善寺庫裡は集落でも最大級の合掌造りになっている。 |
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一階に降り、生活の雰囲気が漂う廊下を通り本堂を覗いてみる。かなり豪華な装飾と造りになっている。 |
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最後に大広間の囲炉裏を見学する。火種を残すため一日中燃やされ、上の床は煙やススが屋根裏まで上がるようにスノコ状になっている。生活の毎日のいぶしによって住居の耐久性が高まっている。二百年以上前から使用されているとのこと。 |
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11:40
集落の主な見どころを散策した後、次の立寄り地である飛騨高山へ向かう。 |
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12:30
東海北陸道の白川郷ICに入り、飛騨清見ICから高山西ICを降りて、道の駅「ななもり清見」で昼食にする。注文したのは、ちょっと奮発して飛騨牛ラーメン1,500円。格別に美味いの一言である。 |
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13:30
高山市内に入り、市営の神明駐車場に車を停める。古い町並みを43年ぶりに散策するが、当時と変わったのは外国人観光客の多さだ。 |
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地酒と漆塗りのビアカップなどを購入したら、1時間で散策を終え、次の目的地に向け出発する。 |
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16:00
国道158号から安房峠のトンネルを抜け、県道84号で乗鞍高原温泉に到着する。宿泊は秘湯を守る会の「みたけ荘」、スキー場のゲレンデ前にある天然温泉宿。生ビルを飲み干し、大雪渓の生酒を追加オーダーする。明日、天気が回復したら乗鞍岳を登山する。

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9月28日(木)
予報では松本は晴れるとなっていたが、昨夜から雨降りが強まる。朝方には小康状態になるが、乗鞍岳は厚い雲に覆われて見えない。無理な登山は諦め、帰宅することに決めた。
15:30
帰路は松本ICから中央道を経由し、無事帰宅する。総走行距離1152km、4泊5日のの山旅が終わる。
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