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6月2日、梅雨入り前に鳳凰三山を登山する。今年は夏日が例年より多く、天気の安定したこの時期を狙って計画を練った。
1日目は中央道韮崎ICから山道を1時間ほど走り、青木鉱泉の登山口から、ドンドコ沢ルートを登る。鳳凰小屋で荷を預け、地蔵岳をピストンして鳳凰小屋に1泊する。
2日目は鳳凰小屋から近道を登り、観音岳と薬師岳を縦走して、中道ルートから青木鉱泉に戻り周回する。
《コースデータ》
1日目 8時間10分
2日目 7時間30分
標高差 約1700m |
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▼1日目▼
早朝3:00前に自宅を出発し、6:40青木鉱泉の有料駐車場に到着する。小武川に沿って走る林道は悪路で道幅が狭く、落石が多い危険な路線であったが、なんとか無事に走り切った。(二度とこのルートは通らない)
7:00 登山支度を整え出発する。行きがけに駐車料金を払いに、受付に立ち寄るが管理人が不在のため、2日分の料金をメモと一緒に置いておく。 |
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7:20 登山届を提出し、ドンドコ沢登山道に入る。 |
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7:35 ドンドコ沢は鳳凰三山から流れ落ちる沢水が集まって流れる谷筋のルートになっている。正面に主峰の観音岳の山腹が見える。ここから見上げる鳳凰はかなり急峻で高度感がある。 |
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8:06 しばらく沢沿いのゆるい登りが続くが、砂防堰堤を過ぎたあたりから、山腹にとりつき斜度がきつくなる。 |
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8:46 ドンドコ沢に流れ落ちる沢水を、何度となく渡りながら登山道を進む。
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9:07 登山道は南精進ノ滝の展望台と分岐するが、進路を地蔵岳方向にとる。 |
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9:29 登山道の岩場から山腹の切り立った岩峰が見える。 |
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9:40 険しい登山道に少しの空地を見つけ、休憩とエネルギーを補給する。 |
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10:25 登山道から離れた鳳凰ノ滝を見送り、先の白糸滝を目指す。
登山道で見つけたクロユリの花 |
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白い花をつけたツバメオモト |
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11:02 白糸滝に到着する。切り立った山腹の岸壁から流れ落ちる一筋の滝に、急登の疲れが癒される。
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11:42 さらに急斜面の登山道をジグザグに登りつめ、五色滝に着いた。ここで十分な休憩をとり、次の難所に備えることにする。 |
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登山道から沢に下ったところから五色滝を写す。ドンドコ沢で一番高度感がある見事な滝だ。 |
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12:12 五色滝から先の登山道は沢を離れ樹林帯へ入る。花崗岩の白ザレた斜面は滑りやすく、崩落してう回路ができている箇所もある。気を抜けない急登が続く。 |
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12:30 ようやく急登が終わり、ドンドコ沢源流の河原に出た。展望が開け、初めて地蔵岳が姿を現す。

キバナノコマノツメ |
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12:46 一息入れて源流の河原を上流方向に進む。鳳凰小屋までは、もうひと踏ん張りどこだ。 |
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13:00 御座石鉱泉からの登山道と合流して、鳳凰小屋に到着する。
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だいぶ体力を消耗した。鳳凰小屋のベンチを借りて、用意してきた昼食をとる。一休みした後、宿泊の受付を済ませから、地蔵岳までピストンして、明日の工程を短縮する。 |
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14:00 鳳凰小屋に荷を預け、アタックザックで地蔵岳を目指し出発する。前方左手に観音岳の山腹が見えてくる。 |
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14:38 樹林帯を抜け、ザレ場を急登する。足元をとられて、なかなか思うように登れない。
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遥か眼下の裾野に甲府盆地が広がる。 |
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14:50 見上げると地蔵岳のオベリスクが、目前に迫ってくる。 |
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14:58 行く手左方に観音岳山頂が見えてくる。 |
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15:05 地蔵岳登山ルートの終点に到着する。山頂のオベリスクには登山路がなく、実質この地点が山頂となる。

踏み跡をたどり、オベリスクの途中まで登ってみると、岩陰に鳳凰山大神の社を見つけた。足元にオコジョが現れたが、カメラに映ったのは逃げ去る姿のシッポだけ。 |
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中央道の双葉SAから見えていた地蔵岳のオベリスクを背後に。 |
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地蔵岳から続く早川尾根の先には、右に甲斐駒ケ岳、左に仙丈ヶ岳を望むことができる。二座とも日本百名山だ。 |
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存在感がある甲斐駒ケ岳の山容を写す。 |
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15:35 賽の河原と呼ばれるザレ場の鞍部まで足を延ばす。無数の子授け地蔵が安置されている。 |
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15:40 最後に地蔵岳をもう一度カメラに収め、登ってきたルートを下山する。 |
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16:30 鳳凰小屋に戻る。
17:30 夕食は定番カレーライス。 |

鳳凰小屋のテラス |
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1泊夕食付で7000円。昔ながらの山小屋で電気がない。夜はランプのみ、談話室にコタツが一つあるだけで、暖房もない。日が暮れてると床に入り就寝するだけ。この素朴さが本来の山小屋だ。 |
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▼2日目▼
4:00 起床。
寒気が入り気温1℃まで冷え込む。寒い夜がやっと明けた。谷間に朝日が射し込み、今日も快晴の天気が続く。 |
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5:15 登山準備を終え、鳳凰小屋を出発する。小屋の前の沢を渡り、観音岳への近道を行くが、登山道の取り付きが崩落しているため、う回路のハシゴを登る。 |
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6:00 樹林帯を急登すると、観音岳の稜線が見えてくる。寒気が残る登山道には霜柱ができていたが、快調に高度を上げる。 |
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6:15 白ザレした稜線に出る。 |
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ついに北岳が姿を現す。しかし、まだ白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)の全貌は見えてこない。 |
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赤抜沢ノ頭の山稜後方に地蔵岳が顔を出す。地蔵岳を経由し、赤抜沢ノ頭を越えるより1時間の時間短縮ができた。とりあえず大展望が開けたところで、お湯を沸かしモーニング紅茶を煎れて朝食をとる。 |
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地蔵岳の背後に八ヶ岳を望む。 |
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左に八ヶ岳、右に奥秩父の山塊が展望できる、大パノラマが広がる。 |
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雲海の上に奥秩父の山稜が幾重にも重なる。 |
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更に後方、奥多摩の山稜まで見渡せる。 |
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7:03 朝食後、観音岳の稜線を伝って山頂を目指す。高度を上げるにつれて、白峰三山の全貌が鮮明に捉えられるようになる。 |
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後方を振り返ると、赤抜沢ノ頭と地蔵岳が、そしてさらに背後に甲斐駒ケ岳がそそり立っている。 |
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赤抜沢ノ頭と地蔵岳の鞍部の遠く彼方に北アルプスが連なる。 |
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更に左にカメラを振ると、乗鞍岳を望む。 |
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7:08 北岳、間ノ岳、農鳥岳に連なって塩見岳も顔を出す。 |
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北岳の背後に仙丈ヶ岳も連なる。 |
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7:17 白い花崗岩の登山道をたどりながら、観音岳の山頂まで一歩一歩高度を上げて行く。 |

白峰三山
農鳥岳3051m・間ノ岳3190m・北岳3193m |

北岳を背に一息入れる。 |

甲斐駒ケ岳2967m |

薬師岳2780mの背後に富士山。 |
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7:30 ついに鳳凰三山の主峰、観音岳2840mに立つ。 |
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地蔵岳から観音岳に続く縦走ルートを振り返る。 |
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観音岳山頂から韮崎市街と奥秩父の山稜が一望できる。視界最高!! |
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7:50 観音岳山頂から薬師岳山頂に向かう。天空のプロムナードが続く。 |
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観音岳山頂を少し下った配松の稜線に、キバナシャクナゲの群生あり。ちょうど見ごろになっている。 |
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8:00 薬師岳まで緩やかな下り勾配が続く。天空のプロムナードのハイライトは、なんといっても野呂川渓谷に沿ってそそり立つ白峰三山の荒々しく、雄大な眺めに尽きる。
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特に北岳のバットレスは印象的だ。 |
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塩見岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳と日本百名山が連なる南アルプスの大パノラマ。 |
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薬師岳に伸びる白砂の縦走路の先には、富士山が鎮座する。 |
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8:30 薬師岳山頂に到着。岩がゴツゴツした観音岳山頂に比べ薬師岳は白砂の台地が広がる。 |
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後方の稜線に観音岳と仙丈ヶ岳を望む。 |
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薬師岳の南側に岩峰がそびえる。鳳凰三山は不思議なことに、山頂標識地点には三角点がない。登頂不能なピークの存在が、その理由かもしれない。 |
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右に雪を抱く塩見岳と、左に雲が湧く悪沢岳と赤石岳が見えている。 |
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8:40 南アルプスの展望が見納めとなる。これから中道ルートをたどり、青木鉱泉までの長くて過酷な下山が始まる。 |
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中道ルートの入り口が岩にペイントされている。これから先は配松帯から樹林帯へと進み、展望が悪い尾根道となる。 |
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9:35 1時間ほど下って来た。樹林帯はシラビソなどのj針葉樹に変わり、御座石と呼ばれる大きな岩石が現れる。 |
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青木鉱泉まで2時間45分の標識。 |
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樹林帯がカラマツに変わり、クマザサの草原となって斜度が緩む。しかし、最後の林道に下る斜面は急勾配のつづら折りが延々と続き、体力も気力も奪われる。
12:00 中道登山道口に到着する。これから先は青木鉱泉まで林道をひたすら歩く。 |
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12:45 青木鉱泉の駐車場に戻り、周回登山が終わる。薬師岳からの下りは、ほぼ4時間で踏破した。帰り支度を整え、復路につくが往路の林道を避け、甘利山経由の林道ルートに変える。山深い林道だが、全線舗装されているので安全に走行できる。遅い昼食を中央道双葉SAでとり、都心を抜けて夕刻前に無事帰宅する。
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