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10月2日(日)
青森県の2座登頂を目指して朝6時過ぎに自宅を出発する。体調と天候を考慮して登山計画を練り直し、一日目に岩木山短縮コース、二日目に八甲田山周回コースを狙うことにする。
初日は高速道による移動日、常磐道を乗り継ぎ東北道碇ヶ関ICを降りて、道の駅「いかりがせき」で車中泊を予定する。 |
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途中、東北道前沢SAで昼食をとる。注文した前沢牛麻婆豆腐ラーメン(1200円)、以外にも絶妙な組み合わせが美味しい。
午後2時をまわって、国道7号沿いの道の駅に到着する。早速、隣接する関の庄温泉でドライブの疲れを癒すことにする。道の駅の弁当と地ビールを購入し、近くのローソンで翌日の朝食などを準備してから、夕食を早めに済ませ、久々の車中泊となる。新しくなった24H対応のトイレは清潔で安心して使用できるのがうれしい。 |
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10月3日(月)
天気は薄曇り。前日まで続いた夏日の晴天が終わり、やっと季節が変わる気配を感じる。
車中で朝食を簡単に済ませ、岩木山スカイライン(8時開門)を目指し出発する。弘前市内では朝の通勤渋滞と重なり、思わぬ時間ロスとなるが、9時前にスカイライン8合目(枯木平)に到着する。69のヘアピンカーブが連続するスカイラインは有料で往復料金1830円(モンベル会員は200円引き)を支払う。駐車場から紅葉が始まった岩木山の山頂が見える。 |
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9合目まで登山リフトがある。平日運休となっていたが紅葉シーズンは特別動かしているようだ。
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8合目の駐車場にあるレストハウス(無料トイレ有)からは白神山地や日本海が展望できる。
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9:20
リフト脇にある登山口より岩木山山頂を目指し出発する。 |
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10:05
9合目リフト分岐に出る。樹林帯を抜けると風が強くなりウインドブレーカを着る。右手方向5分でリフト乗場、コースは左手方向に進み岩峰をトラバースする。視界が開け眼下に日本海側の鯵ヶ沢周辺が見渡せる。 |
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岩峰をトラバースした先に鳳鳴ヒュッテが見えてくる。当初予定していた百沢コースからの合流点だが、百沢コースは体力がいる厳しい登山路になっている。 |
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鳳鳴ヒュッテから岩場の急斜面を直登する。御神(おみ)坂と呼ばれている修験の急勾配が迫る。 |
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一旦登り切った僅かな台地に溶岩が冷えて固まったような双子岩がある。ここから最後の御神坂を登り切ると山頂となる。 |
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10:45
岩木山山頂1625mに到着。岩木山神社奥宮がある山頂からは四方360度の大展望が広がる。晴れていれば遠く北海道まで見渡せそうだが、薄曇りでそこまでの視界はない。 |
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↑津軽平野(弘前市)と八甲田山 |
↑山頂小屋と日本海 |
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↑津軽平野(つがる市)と日本海 |
↑鯵ヶ沢 |
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↑白神山地と眼下に8合目駐車場 |
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11:15
下山開始、御神坂の真下に鳳鳴小屋と鳥ノ海噴火口を望む。その奥の外輪が鳥海山。
12:15
8合目駐車場に戻る。往復3時間弱の山行であるが、急勾配の岩場は落石に注意が必要だ。 |
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下山後、嶽温泉の山のホテル「マタギ亭」に立ち寄る。先代のマタギが考案したというマタギ飯(セットで舞茸土瓶蒸しが付く)とマタギそばを注文し昼食にする。いずれも1400円でボリュウム満点、マタギそばには特製のスペアリブが入り具沢山。 |
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ここまで来たら岩木山神社を素通りするわけにはいかない。立派な鳥居の参道の見上げた先に、奥宮がある岩木山山頂を拝謁する。これぞ山岳信仰の極みと言える構図に感服する。 |
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創建1200年の歴史があり社殿は重要文化財に指定されている。最初に構える楼門を通り抜けて拝殿に進む。

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拝殿の前にある中門。ここから左に折れると奥宮登拝道(百沢コースの登山口)となる。山頂まで約6km、4時間15分の案内標示がある。
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岩木山神社参拝を終え、八甲田山登山の起点になる酸ヶ湯温泉まで直行する。所要時間約1時間半で到着し、チェックイン後早速名湯に浸かる。夕食は昔ながらの部屋食で提供される。施設は増築され新しくなっているが、今でも湯治場の雰囲気が残る。 |
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10月4日(火)
僅かな期待もむなしく朝から風雨が強くなる。山行を諦め朝食をとっている時、いきなりあちこち携帯が鳴り出す。北朝鮮が発射した弾道ミサイルが頭上を通過したJアラートの警報だった。
登山中止の場合に考えていた、津軽みちのく巡りに出発する。最初の訪問は青森市内の棟方志功記念館にした。 |
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「板画の道」を極めた棟方志功の言葉
身体ごと板画(版画とは違う)にならなければ、ほんとうの板画が生まれて来ない。
板の声を聞くというのが、板という字をつかうことにした理由らしい。凡人にはなかなか奥深い・・・
1970年文化勲章受章 |
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八甲田山霊神景 |

立山の山水図 |
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棟方志功の作品は「柵」とよんでいる。作品の一つ一つに念願をかけ、生涯の道標として置いていくことを、柵を打つといっている。国内外で数々の作品を出展し、多くの大賞を受賞した日本を代表する柵家となった。 |
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次に東北道を弘前方面に南下し、浪岡ICから津軽道(無料区間)で五所川原に向かう。うっかり高速出口を間違い行き過ぎたついでに、気になっていたスポットまで足を延ばすことにする。
津軽鉄道の木造駅までやってきた。この駅は出土した有名な縄文土器をモチーフにした建築になっている。片足で立つ遮光器土偶を駅の出入口に構えた圧倒的な造りだ。駅のトイレも縄文時代の竪穴住居様式になっている徹底ぶりに驚く。本物は重要文化財に指定され、東京国立博物館に収蔵されている。 |
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次に来た道を戻り、五所川原金木町に行く。目的地は国指定重要文化財の太宰治記念館「斜陽館」だが、こんな時でないと訪れそうもない場所にある。ナビ頼りで広大な津軽平野を走行すると、大地主(作家太宰治の父)が建てた明治の豪邸が現れる。当初、金融業店舗を兼ねた住宅として竣工し、その後旅館として開業して、現在の記念館となる。 |
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見学を終え、津軽道から東北道黒石ICを経由して八甲田山中の秘湯「猿倉温泉」に向かい宿泊する。日本秘湯を守る会では青森にある唯一の宿だ。湯量が豊富な5つの源泉があり、そのうち3つは奥入瀬渓流温泉郷に湯送する元湯となっている。 |
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自家発電の一軒温泉宿は一部の携帯しかつながらない。地産地消の旬の食材を使った料理が提供され、どれも新鮮でおいしい。地ビールの奥入瀬ビールも湯上りに最高にうまい。 |
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10月5日(水)
今日の予定は、奥入瀬渓流を経由し、十和田、八戸から三陸道で大船渡まで走行する。
昨夜の雨が上がり、早めに宿を出発して奥入瀬渓流を散策することにした。狭い駐車スペースしかない石ヶ戸休憩所に運よく駐車できた。1時間以内で見どころだけをトレッキングする。 |
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紅葉にはまだ早いが、雨上がりで水量が増し渓流に勢いがある。タイムリミットとなり、阿修羅の流れ手前で折り返す。
ショートトレッキングを楽しんだ後、焼山まで引き返し、国道102号から十和田市内を抜け、国道45号に入って八戸市内を通過する。 |
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八戸市外より三陸道(全線開通し無料)に入る。対向車線でトンネルが多く、SAやPAもない。休憩は一般道に降り、道の駅を利用するしかない。
ともかく、奥入瀬から休憩なしで久慈ICまで走り、道の駅「くじ」に12時までに到着する。 |
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道の駅から歩いて約5分、三陸鉄道久慈駅の売店に行き予約しておいた「うに弁当」を受け取る。朝ドラで有名になった三陸の味は、おばちゃんの手作りで、売り切れ御免の超人気。この時期の販売価格は1670円になっていた。

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昼食後、欲張って久慈琥珀博物館まで足を延ばす。道の駅から約20分の山中にある博物館は琥珀の原石から加工品まで展示されている。忙しく見学した後、再び三陸道で大船渡ICを目指す。 |
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なんとかチェックイン時間に間に合って、大船渡碁石海岸にある宿泊旅館「海さんぽ」に到着した。夕食は三陸の海鮮会席料理が食膳に並び、新鮮さと品数の多さには度肝を抜かれる。手頃な宿泊料と盛り沢山の料理で、お客満足度最高評価を受けているのも納得がいく。さらに驚いたことに大船渡割り(独自キャンペーン)2人で8000円引きと、買物クーポン2000円が付く。


朝食はなんと、いくらの醤油漬けが食べ放題(写真なし)で一品追加される。気前の良い食事を完食するのは難しい。 |
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10月6日(木)
旅館をチェックアウト後、宿から5分ほどの「えびす浜」に駐車して半島を海さんぽ(散策)する。

えびす浜から碁石海岸の宿泊旅館が見える。

遊歩道脇に咲くハマギクを見つける。 |
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よく整備された遊歩道を歩き碁石岬に出ると、碁石崎灯台がある。展望台から岩磯のすばらしい景観を眺める。 |
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半島沿って屏風のように切り立つ千代島を見ながら遊歩道を行く。ウォーキングしている地元の人たちともよく行き交う。 |
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しばらくしてからゴロゴロ、ドォーンの雷鳴のような迫力のある音が聞こえてくる。岩壁の洞穴に打ち付けられる波が空気を圧縮して引き返す際に、雷に似た重低音が響くことから、雷岩と呼ばれているジオサイトに出る。

ここの峡谷のような地形で水道になったところを乱暴谷(らんぼうや)といい、もともとは繋がった陸地のもろいところが浸食されて谷になった。三陸の八戸から気仙沼にかけた、リアス式海岸の広大な地形と地質は2013年に日本ジオパークに認定された。
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散策の最後に、インフォメーションセンターに立ち寄り、別ルートでえびす浜に折り返す。
駐車場に戻った後、陸前高田の道の駅まで海岸沿をドライブして休憩をとる。その後、気仙沼で給油してから、三陸道に入り帰途に就く。
17時20分、無事帰宅。総走行距離1700kmの旅が終わる。 |
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