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甲武信岳 2475m
6月10日梅雨の晴れ間を縫って、山小屋泊り1泊2日の甲武信岳登山に出かける。
早朝3時前に自宅を出発し、常磐道から首都高速中環を経由し、中央道を走る。長坂ICを降りて、国道141号で清里から奥秩父方面の川上村まで分け入る。梓山からは林道を走り、毛木平の駐車場に7:40到着する。走行5時間に及ぶロングドライブになった。

《コースデータ》
歩行距離 24.5km
累積標高差 1615m
7:50毛木平を出発し、千曲川源流歩道に入る。甲武信岳への入山ルートとしては、最短路になっている。しかも、比較的緩やかな林道が続くので足元にもやさしい。
7:55登山口から5分で甲武信岳と十文字峠の分岐点に出る。右の甲武信岳方面に進路をとる。左は下山で戻る周回ルートになる。
千曲川源流まで4kmの標識。千曲川に沿って並行しながらルートが伸び、概して傾斜が一定で登りやすい。
慰霊碑を過ぎたあたりから、カラマツ林の林道が終わり登山道に変わる。
8:25千曲川の川幅がだんだん狭まり、穏やかな流れに変わってきた。
8:53登山道の勾配が少しづつ増してくる。
9:20千曲川の流れに勢いが出てきた。川辺に降りて小休憩をとる。
9:34ナメ滝に到着。ここから甲武信岳まで、あと2時間の標識になっている。
ナメ滝で、千曲川源流までほぼ半分の行程になる。

10:08千曲川を渡り、対岸を行く。

残り、1kmを切った。
左岸、右岸と苔むした川床を渡りながら、徐々に源流水源に近づく。ここまで来ると、日本一の大河もせせらぎに過ぎない。
10:46千曲川 信濃川水源地標に到着。ここが、日本最長の大河の起点になっている。 水源は水源地標を少し下ったダケカンバの根元から湧き出ていた。備え付けのコップでゴクリ、豪快に大河の一飲みだ。
11:27水源から急登することほぼ30分で甲武信岳に続く稜線に出る。左:甲武信岳、右:国師ヶ岳の標識。
左に折れ、更に急斜面を登り、最後の岩場を登り切ると頂上が待っている。
11:55ついに甲武信岳山頂2475mに立つ。歩き出しから、ほぼ4時間で到達した。眺望は西から南側が開け、国師ヶ岳や金峰山が視界に飛び込む。甲武信岳は山梨(甲州)、埼玉(武州)、長野(信州)の国境にある名峰で、その頭文字を取って名付けられた。この山を起点とする千曲川(信濃川)、荒川、笛吹川(富士川)の源流があり、水源の山として知られている。

千曲川源流ルートの谷筋

   金峰山方面の奥秩父の山々

甲武信岳山頂の道標

     ヒメイワカガミ
山頂から甲武信小屋への下り。背後は木賊山(とくさやま)2469mで甲武信小屋は甲武信岳と木賊山の鞍部に建つ。岩場の急斜面を過ぎ、シャクナゲの群生地(開花終了)を抜けると、甲武信小屋に到着する。山頂からは約10分の道程だ。


12:30宿泊する甲武信小屋に到着する。昼食をとりながら、14:00の受付時間を待つことにする。
4:50翌朝、小屋の朝食を待つひととき、カエルの形をしたユニークなストーブを撮る。5:00から朝食をとって、今日の縦走に備える。
5:40朝霧の甲武信小屋を出発する。ご来光を見ることができなかったが、天気の大きな崩れはなさそうだ。
甲武信小屋から山頂の巻き道を抜け、十文字峠を目指す。山道の一部に残雪があったが、難なく通過する。
歩き出し10分ほどで、三宝山への登山ルートに出る。三宝山までは比較的緩やかな山道が続く。
シャクナゲの群生地(今年は平年より10日ほど開花が早く、すでに散り終えている)の中に分け入った。三宝山の山頂が近い。
6:30三宝山2483mの頂上に到着。標高は甲武信岳よりわずかに高く、山頂は庭園のような広がりがある。四方をハクサンシャクナゲや針葉樹に囲まれ、静寂な空間を感じる。
三宝山からは、森閑たる針葉樹林の長い急な下りが続く。水源の山と呼ばれるこの辺りは、シラビソなどの倒木に多彩な苔が密生している。
7:15長い下りが終わり、樹林の中の鞍部に到着。ナイスネーミングの尻岩だ、巨岩がまさにそのものである。
尻岩からは登り返しの急登に変わる。
7:54武信白岩山の山頂が見えてきた。ここからハシゴとクサリ場を通り、山頂(登山禁止)をトラバースする。
武信白岩山を抜けると、大山に向かって下りながら、アップダウンを繰り返す。

途中見つけたシャクナゲの群生。ルート上、唯一ここだけ諦めていたシャクナゲが咲き残っていた。思わず感動のシャッターを切る。
雲が湧き立つ大山の東側斜面。
8:20大山の山頂を目指して、急斜面のアップダウンが始まる。
8:30開けた樹林の合間から山頂が見えてくるが、簡単にはたどり着かない。
8:43最後の西側岩稜を巻いて大山2220mの山頂に立つ。展望のよい大山からは、縦走してきた山々が見渡せるが、巨体の三宝山に隠れて、甲武信岳は見えない。
   一つピーク奥に武信白岩山     武信白岩山の奥に三宝山
9:25大山を下って十文字峠に到着。アズマシャクナゲに包まれた十文字小屋のベンチでコーヒーブレークする。既に花期は終わっているので、乙女に森にあるシャクナゲ群生地に行くのは取り止め、毛千平に向かって下山準備に入る。
10:00十文字小屋を出発し、八丁坂ルートから下山を開始する。

10:45八丁坂の急斜面を下り終えると、緩やかな山道に変わる。野鳥のさえずりを聞きながら快調に進む。
11:20千曲川に架かる橋を渡り、毛木平の駐車場に戻る。駐車場の山斜面はレンゲつつじが満開になっていた。周囲のダケカンバの林の中では、甲武信岳を代表する草花「ベニバナイチヤクソウ」の群生を見ることができた。

      レンゲつつじ

   ベニバナイチヤクソウ

復路は野辺山のレタス畑の道路端にある信州蕎麦屋で遅い昼食をとり、往路の高速道を使って無事帰宅する。この時期の登山としては、申し分のない山行を楽しむことができた。つかの間の好天に感謝、感謝。
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