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雲取山 2017m
5月12日早朝3:00前に自宅を出発し、常磐道から外環を抜け、関越道に入る。高坂SAで持参した朝食を済ませ、花園ICを出て国道140で秩父方面に向かう。秩父湖の二瀬ダムから道を折れ、三峰神社の駐車場に、6:40到着する。標高が1000mを越え、早朝の冷気が漂う。

雲取山は東京都の最高峰であり、唯一の2000m峰。日本百名山に選定されている。

《コースデータ》 注)三峰山頂駅を起点にした場合
1日目 6時間10分 雲取山頂、雲取山荘泊
2日目 4時間10分 三峰神社に下山
コース距離 21.3km
累積標高差 1941m
▼1日目▼

7:15 三峰ビジターセンター脇の三峰千年の森を抜け、登山を開始する。
7:22 一の鳥居で登山届を出そうとしたが、用紙がなく入山カウンターのみ押す。ここから登山道が始まる。
前日吹いた強風が静まり、木立に朝日が射し込む。コースは、よく手入れされた杉の木立の中を、ゆるやかに登って行く。
7:35 ほどなく三峰奥宮をまつる妙法ヶ岳への道を左に分ける。

辺りにブナ林が広がると、傾斜がややきつくなる。

8:15 炭焼平を通過する。

炭窯跡、昭和63年ごろまで使われていたらしい。

この辺りからスギ、ヒノキの植林からブナやカエデの仲間などの落葉広葉樹林に入って行く。
8:35 小さなアップダウンがある尾根道を登る。

8:50 地蔵峠に着いた。ここで小休憩をとる。

標高1500mまで登ってきた。
9:12 西側の視界が開ける。秩父宮様のレリーフが設けられた岩場を通過すると、霧藻ヶ峰にたどり着く。
右に両神山とその後ろわずかに見える浅間山、左に甲武信岳方面の山群が展望できる。
甲武信岳をはじめとする奥秩父の山々    山頂部が鋸の歯のように凸凹している両神山
9:17 霧藻ヶ峰1523m

コース中もっとも展望のいいところ、霧藻ヶ峰休憩所が建つ。WCあり。
9:20 霧藻ヶ峰を越すと前方に前白岩山が見えてくる。


  トウゴクミツバツツジ
いったん下り、鞍部に出たら傾斜のきつい登りが待っている。

9:30 お清平1450mに到着。ここからは白岩山まで、石灰石の露岩した急な山稜が続く。
9:54 クサリとハシゴ場を通過し、三峰から5kmのところまでまで来た。雲取山荘までの中間点を通過する。
急な斜面にニホンジカが顔を出す。こちらをあまり警戒していない様子。
10:17 前白岩の肩に着く。ここで小休憩をとる。
高度が上がり、木立の間から残雪が輝く八ヶ岳の一部が見えてきた。
10:47 前白岩山1776mのピークに出る。ここから鞍部までいったん下る。
行く手の木立のわずかな隙間から富士山が見えてくる。
11:07 白岩小屋に到着する。現在は無人小屋になっているが、ここで休憩をとり白岩山までの最後の急登に備える。

11:45 白岩山1921mの山頂に出る。

三等三角点

山頂の開けた空間にテーブルとイスが設置されていて、昼食をとるにはもってこいの場所がある。昼食の準備をしていると異様な事態が起きた。



突如現れたニホンジカがテーブルの周りをぐるぐる回りだし、餌のおねだりが始まった。誰かが餌を与えたため、期待して出没するようだ。自然界の動物には絶対に餌を与えてはいけないのが鉄則である。とうとう諦め、捨て鳴きして去っていった。ずうずうシカと命名。
12:43 昼食後、白岩山の下りに入る。芋ノ木ドッケと呼ばれる、変わった名の地点を通過する。芋ノ木はコシアブラの木のことで、ドッケとは突起がなまった言葉らしい。コシアブラの木が多い尖った峰がある地名のことだった。
13:09 コメツガやオオシラビソなどの針葉樹が美しい山腹を巻くと、初めて雲取山が見えてきた。
13:22 山と山の鞍部のたるみをダワというらしい。ここで登山道が二分する。左の女坂コースを選択するが、どちらを行ってもコースタイムに差はないようだ。

13:30 雲取山まで1.2kmの標識。
13:37 原生林の斜面を登って行くと、稜線に旧雲取ヒュッテが見て来る。
分岐した登山道の合流地点。ここからほどなくして雲取山荘が見えてくる。
13:46 雲取山荘に到着する。


雲取山頂まで、わずか700mの距離に迫る。
14:00から受付開始の山荘小屋のフロント。受付を済ませてから荷物を部屋に置き、雲取山頂までピストンすることにする。
14:30 空身になり山荘を出発する。登頂まで30分の工程だが、背中の重荷が軽くなり快調に登る。
針葉樹の原生林に包まれた山稜をやや急登して行くと、樹林を抜けて山頂に立つ。山頂は南北に細長い形をしている。

14:58 雲取山山頂、三峰から10.7kmの終点。


明治15年12月内政省が設置した原三角測点。東京都(奥多摩)と埼玉県(秩父)の境界に位置している。

山頂北端から見た西側の眺め。手前から大洞山(飛龍山)に続く山稜、その右手奥に国師ヶ岳、さらに最奥手に南アルプスの鳳凰三山、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳を薄っすらと望むことができる。

甲斐駒ケ岳を中心に画像アップする。左手に仙丈ヶ岳も映ってる。


大洞山の山頂稜線に鳳凰三山、その上に重なる白峰三山の北岳、間ノ岳がわずかに顔を出す。
山頂南端の避難小屋付近から富士山を展望する。右端に見える鞍部が大菩薩峠。
大洞山の左手稜線上に、南アルプスの悪沢岳、赤石岳、聖岳が連なる。(望遠で確認)
山頂北端から東側を見た奥多摩方向。中央部に大岳山らしき山稜が確認でき、その先は都心方向になる。
山頂南端から見た避難小屋。奥多摩方面からの登山ルートが伸びてくるところで、見晴らしがよい。
山頂の展望を楽しんだ後、雲取山荘に下山し1泊する。山荘は電気があり、ビールの自動販売機もある。シーズン前の平日とあって、個室を利用できた。部屋には豆炭炬燵があり寒さしらずの快適さだ。食事も普通の旅館と変わらない内容のメニューで振る舞われた。トイレは水洗で自然浄化の設備がある。とっても山小屋らしからぬ贅沢なひと時を過ごす。最近人気の秘密は、山奥でありながら普段の生活と不自由を感じさせないところにありそうだ。もっと自然の中では、ありのままでもいいのでは。
▼2日目▼

4:40 東の空にかかる雲がご来光を邪魔している。山荘は東南方向に向いて建っているので、2階の部屋からでも朝日を見ることができる。
4:50 雲の切れ目から爽やかな朝日が昇る。今日も一日晴天が期待できる。
6:00 朝食を済ませ、山荘前で出発準備が整う。
復路は往路をたどり、三峰神社まで下山する。



6:30 歩き出して体が温まるころ、朝の静寂な原生林から白岩山を望む。
6:36 白岩山への登り口、冬季路面凍結による滑落事故多発の看板あり。
6:52 登山道が急勾配になり、階段上りが続く。
7:00 登山道の片側は切れ落ちた斜面になっていて、谷底が見えない。細心注意が必要だ。

7:28 危険地帯を抜け、若いダケカンバに囲まれた白岩山の頂上付近まで登って来た。
7:35 白岩山頂を通過し、急勾配の下りが始まる。行く手正面に前白岩山が見え隠れする。
8:40 前白岩山頂を過ぎ、石灰岩が露頭した九十九折の急斜面が続く。
9:00 霧藻ヶ峰の休憩所着いた。雲取山荘から3時間の行程だった。
往路で見えていた両神山は雲が湧き見えない。遥か眼下には三峰神社の駐車場が小さく確認できる。ここから、1時間30分で下山できる。


トウゴクミツバツツジは最盛期を迎える。
10:00 勾配が緩み、山腹を取り巻く山道を下る。同じ道でも、登りと下りでは見える景色が違ってくる。
10:23 三峰千年の森まで下山。一帯はシャクナゲが植林されているが、すでに開花時期は終わっている。

10:25 駐車場に隣接した三峰ビジターセンターに到着した。1泊2日の雲取山登山が終了する。
駐車場から白岩山に連なる稜線が見えるが、雲取山は後ろに隠れて見ることができない。都県境にまたがる登山ルートは山深く、標高差のわりに工程が長い。
帰途、国道140にある道の駅大滝温泉の立寄りの湯「遊湯館」でひと汗を流す。アルカリ性の温泉は肌がつるつるになって、リフレッシュできる。食堂で昼食をとって夕刻前に帰宅する。山歩きと温泉を楽しんで山行を終える。
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