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10月15日(日)
常磐道から仙台を経由し、東北道に入る。一関ICを降りて国道342号で須川高原温泉に着く。所要時間は約7時間、栗駒山の登山口にある温泉宿で前泊する。
10月16日(月)
朝の気温2度、昨日の視界の効かない雨雲が切れて薄日が射す。視界不良が一転し、全山紅葉の山体が現れる。 |
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須川高原温泉は日本秘湯を守る会に加盟している。溶岩ドームのような岩塊から温泉が湧き出て、露天風呂に流れ落ちる。強酸性の白濁した温泉に寒気が入り、湯けむりが立つ。 |
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8:00 朝食を済ませ、源泉が湧き出る登山口から栗駒山頂を目指し出発する。 |
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登山道から温泉郷と駐車場を振り返る。栗駒山は岩手、秋田、宮城の3県にまたがりそびえ立つ。須川高原温泉は岩手県、隣接する栗駒山荘は秋田県側になる。 |
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8:15 黄葉するミネカエデの山道を進むと、栗駒山頂が見えてくる。 |
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8:20 名残ヶ原に出る。湿原は草紅葉となって秋色に染まる。木道を歩く人影も少なく、すっかり晩秋の様相が深まっている。 |
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↑ 噴煙上がる「ゆげ山」。噴火の名残りだろうか、湿原の名の由来と思われる。 |
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8:30 自然観察路の分岐にある登山道案内。ここから比較的平坦な山道が終わり、登り斜面に変わる。 |
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至る所に噴火の痕跡が残る山腹は、急速に進む紅葉が最後の彩を添える。 |
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8:45 ゼッタ沢を渡り、対岸の斜面を登ると、火山ガスが噴き出す地獄谷に出る。涸沢を左に見ながら早々に登山道を登りつめる。 |
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8:55 やがて登りが緩み、白濁した昭和湖に出る。昭和19年の爆発でできた火口湖だ。ここで5分間小休憩をとる。 |
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昭和湖からは登りがきつくなる。背の低い灌木地帯に変わると、やがて山体の展望が開けてくる。 |
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9:40 栗駒山頂の稜線が見えてくるが、ここからは、なだらかな山頂は見えてこない。 |
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ふと、足元に目を落とすと霜柱が立ち、灌木の根元からツララが垂れ下がる。この季節の山中は夜間氷点下になり、日中でも天候の変化に気を抜くことはできない。 |
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9:45 登り斜面がしだいに緩み、須川分岐の広い稜線にでる。古びた天狗平1570mの標識が立ち、山頂まで800mと表記されてる。また、宮城県古川営林署が設置した方位盤があり、四方の視界が一気に開ける。 |
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山頂まで登り20分のコースタイム。配松地帯のなだらかな尾根道を行く。 |
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↑ 宮城県側の栗駒高原 |
↑ 秋田県側には鳥海山 |
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↑ 天狗岩を通過 |
↑ 登って来た山稜 |
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↑ 眼下に須川湖(望遠) |
↑ 登山口の須川高原温泉(望遠) |
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なだらかな稜線の先に栗駒山頂が見える。ここまで登ってこないと山頂は見えない。 |
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10:00 栗駒山頂1627mに立つ。平たい山頂からは岩手県側(一関方面)の展望も開ける。 |
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↑ 一関市街の先に霞む早池峰山 |
↑ 秣岳(まぐさだけ)と須川湖を一望 |
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↑ 笊森(ざるもり)コース |
↑ 秣岳の上に鳥海山 |
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10:20 山頂をピストンして須川分岐まで引き返す。前方稜線の雲上に月山が突き出て見える。
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須川高原温泉はカルデラ地形の外周にある。中心部に突き出た溶岩台地の周囲に大小の湿原や湖が点在する。
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秋田と山形の県境にそびえる巨体の独立峰、鳥海山に望遠で迫る。
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往路をたどりながら、天狗岩に向かって下山。栗駒山からの眺望を楽しむ。
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10:35 須川分岐に戻り、秣岳コースに分け入る。 |
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10:45 栗駒山頂から死角になっていた昭和湖が見えてくる。
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10:50 旧カルデラの北側は、スッパリと切り落ちた溶岩台地になっている。展望岩頭とよばれており、天然の見晴らし台だ。 |
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コケモモなどビッシリと張り付いた高山植物は冬支度に入る。 |
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秣岳の山頂までアップダウンを繰り返しながら、稜線歩きが続く。 |
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チシマザサの多い下り。長雨でぬかるんだ登山道は足元が不安定で、思いのほか時間を費やす。 |
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↑ 寒さに耐えるシラタマノキ |
↑ 赤い実だけになったナナカマド |
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11:30 行合う登山者もなく、緩やかな鞍部に出る。 |
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鞍部から5分ほど登ると、広い草原に出る。この辺一帯は、しろがね草原とよばれている。ここから見る栗駒山はノッペリとした形をして連なっている。 |
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11:50 最初の高層湿原に出る。木道を行くと、あちこちに池塘が点在する。 |
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小高い岩峰を越えると、次の高層湿原が見える。下り道にサラサドウダン街道の看板を見つけた。 |
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すっかり葉を落としたサラサドウダンを右手に見て進む。新緑のころは見事な山道になるのだろう。 |
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再び湿原の木道を渡り、秣岳山頂を目指す。眼下には、紅葉の樹海の中に須川湖が迫る。 |
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12:15 秣岳1424mの山頂に立つ。 |
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秣岳の山頂からは、ジグザグの急坂を降りて、20分ほど下ったところが下降点になる。ここから、斜面を右に大きくトラバースしながら樹林帯に下る。次第に斜面が緩み、須川湖近くの車道まで下山する。 |
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↑ 山腹に紅葉するカエデ |
↑ ブナの落ち葉を踏みしめ歩く |
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13:10 栗駒道路に出る。ここから車道を2.7km歩き須川高原温泉に戻る。途中、須川湖に立ち寄る。熱いコーヒーを淹れ、持参したお気に入りのパンでコンビーフサンドを作り、遅い昼食をとる。 |
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14:30 栗駒高原温泉の登山口に到着する。天候が急変して、栗駒山に滝雲が現れる。 |
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14:50 栗駒山を後に、秋田県側に国道342号を下り、子安峡から泥湯を経て、紅葉が美しい舗装された県道310号に入る。 |
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突然、草木の生えない岩山が現れる。川原毛地獄とよばれ、噴火ガスが噴き出ている。遊歩道が見えるが、歩く人は見当たらない。早々に通過する。 |
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峠越えのルートは、目的地の温泉郷に抜ける近道になっている。ブナの原生林の中を走ると、地熱発電所の建設現場を通過する。幾度となく大型ダンプとすれ違うが、平日のためか一般車の通行は少ない。 |
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16:10 秋の宮温泉郷にある、鷹の湯温泉に到着する。須川高原温泉に続き、日本秘湯を守る会に加盟する宿に宿泊する。 |
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↑ 山菜料理にきりたんぽ鍋がつく |
↑ イワナの骨酒 |
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温泉は無色透明の弱塩泉。自然の景観を眺めながら、湯の香りに心くつろぐ。渓流の滝が見える野天風呂にゆっくりつかると、登山の疲れが癒される。
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10月17日(火)
国道108号で鳴子温泉を経由し、古川ICから東北道に入る。あとは往路をたどりながら帰宅する。
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