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黒斑山2404m・篭ノ登山2227m
5月20日から1泊2日で浅間山の第一外輪山である黒斑山(くろふやま)と、周囲に連なる篭ノ登山(かごのとやま)を登る。シーズンに先駆けて残雪が消えた高峰高原までやって来た。早朝自宅を出発して7時前に車坂峠に到着した。1日目は2010年秋に登った時と同じ登山ルートで、黒斑山をトレッキングする。2日目は水ノ登山から篭ノ登山の稜線を歩く。
▼1日目▼

7時、展望の良い表コースから登山を開始する。針葉樹林に包まれたゆるやかな山腹を進みながら次第に高度を上げる。しばらく登ると樹林が途切れ、岩礫地が開けて視界が広がる。さらにひと登りして、火山シェルターを過ぎ、第一外輪山の南端に出る。
8時40分、槍ヶ鞘(やりがさや)に着いた。前方に大きく姿を現した浅間山が見えてくる。
第一外輪山の稜線から内側は大きく切れ落ちている。足元に注意しながら、トーミの頭へと登る。
8時55分、トーミの頭にでた。ここから第一外輪山の全貌が見渡せる。空が高曇りで、あまり視界がよいとはいえないが、新緑が美しい季節を迎えている。
9時10分、黒斑山頂上に立つ。正面に山体が大きな浅間山が見えるが、実は第二外輪山の前掛山2524mが見えている。浅間山頂の頭だけがわずかに見える。噴火警戒レベルが上がり、現在は前掛山を含めて登山禁止になっている。
9時30分、第一外輪山の稜線をさらに北上し周回を続ける。振り返ると黒斑山のピークと、最後に湯の平から登り返す草滑りが見える。
前方に、鋸岳から賽の河原に急降下するJバンドが見えてくる。
9時45分、蛇骨岳を通過する。
仙人岳を過ぎると、鋸岳が迫ってくる。
10時20分、鋸岳の鞍部にあるJバンドの下降口。山腹を右に巻くように傾斜の強い岩場を慎重に降りる。最初の一歩は断崖方向に踏み出すので勇気がいる。
10時30分、危険個所を通過したが、切り立つ岩稜からの落石に注意しながら降下する。
Jバンドのガレ場を賽の河原に向かって降りる。前掛山の裾野に一本の登山道が伸びているのが見える。

浅間山の噴火でできた奇妙な溶岩壁。
10時50分、賽の河原に立つ。




   ↓草木は春の訪れが始まったばかり。

ミネズオウ
カラマツの新芽

イワカガミの蕾

ミネザクラ
11時15分、立入禁止の前掛山分岐を過ぎ、湯の平に入る。この辺りはシャクナゲの群生地だが、まだ開花前。
11時35分、浅間神社がある火山館に着いた。休憩所と火山シェルターの設備を兼ねている。トイレは新しくバイオトイレ(有料)に変わっていた。シーズン前のためか誰もいないデッキで昼食をとる。


付近の斜面にハクサンイチゲの群生地があった。
12時30分、火山館を出発し湯の平口に戻り、草滑りの登り口へ進む。
次第に勾配が強くなるジグザグ道がトーミの頭まで続く。ルート上で最もきつい正念場になる。

ショウジョウバカマ
13時23分、ついに草滑りを登り切り、トーミの頭の稜線にでる。
13時30分、少し晴れ間が出てきたトーミの頭で最後の休憩をとる。ここから、歩いてきた外輪山と火口原のルートが、すべて見渡せる。
13時40分、分岐点を中コースに入り車坂峠まで下山する。展望が悪く、コースが随所で荒れているので歩きにくい。
14時20分、登山口の高峰高原ビジターセンターに到着し、1日目の登山を終える。宿泊は前回泊まった高峰温泉でなく、高峰高原ホテルにした。(高峰温泉は改装のため休業中だったことを後で知った)標高2000mを越すホテルの夕食は、展望レストランでフレンチのコース料理が出る。山小屋の食事とは比較にならぬリッチな時間を過ごす。しかも、温泉付きだから最高の立地ではないか。




▼2日目▼

8時35分、ホテルで朝食を済ませ、湯ノ丸高峰林道を高峰温泉に向かって歩き出す。行く手正面には水ノ塔山(みずのとやま)から連なる東篭ノ登山(かごのとやま)の山稜が見えてくる。篭ノ登山は東西の2峰からなるが、主峰の東篭ノ登山を登る。
8時54分、高峰温泉から分岐する登山口に着いた。ここから水ノ塔山を経由し、東篭ノ登山への稜線をたどって、池の平に下山する。復路は再び林道を歩いて、高峰温泉まで周回し、車坂峠の高峰高原ホテルに戻る。
9時10分、樹林の尾根をゆるやかに登って行く。
ツガザクラ
10時25分、ウグイス展望台に出て、小さな鞍部を過ぎたごろから火山質の砂礫と露岩が目立つ尾根を登る。

イワカガミ
9時40分、東篭ノ登山の山腹を横切る林道が見える。復路に歩くルートになる。

山頂近くは荒々しい岩石が多くなる。
9時45分、水ノ塔山の山頂2202mに着く。
山頂の岩稜は直進できない。(X危の黄色ペイントあり)
北側に回り込みシャクナゲの茂る樹林の中を進む。

稜線に戻ってから山頂を見上げると、柱状の岩峰が盛り上がり、行く手を拒んでいるのがわかる。


水ノ塔山の稜線を下にたどると、登り口の高峰温泉が見え、その先にスキー場がある高峰山を望む。
東篭ノ登山に向かって、稜線歩きが始まる。


   アズマシャクナゲの蕾を発見
10時、赤ゾレと呼ばれるガレ場が稜線直下まで突き上げてくる。


    ミネザクラは散り始め
10時30分、雄大な展望が開ける東篭ノ登山2228mの山頂に立つ。

一等三角点
水ノ塔山の背後に浅間山の外輪山が見え、さらに稜線上に浅間山頂の先端部が顔を出す。

池の平湿原と駐車場と休憩所が整備された兎平が見える。
林道が通じる地蔵峠の方角に、なだらかな山体の湯の丸山を望む。
山頂で休憩後、兎平に下山途中見かけた高山植物。

    シロバナエンレイソウ

       ツマトリソウ
11時30分、兎平の駐車場に到着する。ここからは林道をたどり高峰高原に引き返す。
11時57分、林道から見上げる赤ゾレの崩れた斜面。歩いてきた稜線も見て取れる。
12時20分、高峰温泉の登山口に戻る。
12時40分、更に車坂峠まで歩き、周回登山を終える。

林道脇ではアズマシャクナゲやオオカメノキの花々が、新緑に彩を添えていた。


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