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2月14日 ミルフォードトラック3日目
7:30 初めて早朝から快晴に恵まれる。最大のハイライト、マッキンノン峠越えを目指して昨日より1時間早い出発となる。
《コースデータ》
歩行距離 16km
歩行時間 6時間
標高差 820m
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7:40 ポンポローナロッジを出て間もなく11マイルポストを通過する。渓谷の岩峰に朝日があたり、静寂な谷間は野鳥のさえずりで目覚める。 |
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8:10 12マイルポストを過ぎ、次第に上り坂の勾配が増してくる。
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8:40 13マイルポスト付近からジグザグにトラックを登り、峠越えが始まる。 |
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9:05 ミンタロ小屋に立ち寄り、飲み水を補充する。
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9:25 小屋を出て、ミンタロ湖付近で足元からウェカの家族ずれがコースを横切る。ウェカは水辺や休憩小屋の近くでよく見かける。 |
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9:30 14マイルポストを過ぎ、クリントン川を渡る吊橋がある。川の流れが消えてしまうほどの快晴になった。吊橋は渡れる人数を1人に制限している。
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10:10 15マイルポスト付近から原生林が少しずつ開け、ニコラスカールを望むことができる。
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10:35 氷河が削り取った岩壁を巻くように、長いジグザグの上り坂が続く。 |
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10:40 樹林帯を抜け雄大なニコラスカールの全景を望む。いよいよトラックの登りが最後の正念場となる。
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10:55 16マイルポストを過ぎ、登りの斜度が緩み峠の稜線が見えてくる。
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11:00 マッキンノン記念碑に到着する。ここでは先行して登っていたガイドが温かい飲み物を用意して待っていた。 |
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マッキンノン記念碑で休憩し、サザンアルプスの絶景を一望する。平原には池塘ができ、野生の動植物の生息地になっている。 |
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1912年に建立さたマッキンノン記念碑はミルフォードトラックの開拓歴史を物語っている。記念碑から先の脇道に足を延ばすと、鋭く削り取られた氷河谷の下に本日泊まるクインティンロッジを微かに望むことができる。 |
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11:15 池塘の横を抜けて、マッキンノン峠の最高地点を目指し出発する。 |
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11:20 眼下にマッキンノン記念碑を見ながら、山稜のトラックを登る。
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タスマン海から吹く湿った風がサザンアルプスの山々に当たり、上昇気流となって冷やされ、雲をつくって雨を降らす。ミルフォードが降雨地帯になるのは、この気象条件の厳しさがあるからだ。快晴でも絶えず雲が湧く、ニュージーランド特有の自然環境といえる。 |
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11:30 マッキンノン峠最高地点1154m、ここから次なる氷河谷(アーサー渓谷)へ下山が始まる。
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11:40 少し下ったところにマッキンノン峠小屋がある。昨日ポンポローナロッジからわずかに見えた避難小屋、ここでランチ休憩になる。ガイドウォークと個人ウォークは入り口が別、ガイドウォークは温かい飲み物が用意されている。トイレは外の別棟にあり、世界で一番美しいトイレと呼ばれている。入口のドアが透明で外の絶景を楽しめるが、女性は一人で行ってはいけない。 |
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マッキンノン峠小屋から氷河を抱くサザンアルプスの山々を望む。沸き立つ雲の裏側に岩峰の影が映る不思議な光景を見た。快晴の空に物資輸送のヘリコプターが離陸する。 |
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12:30 昼食後、マッキンノン峠小屋を出発する。ここからクインティンロッジまで3時間の標識がある。危険地帯を通過するので、コースアウトしないように注意する。 |

羊が身を寄せたようなベジタブルシープ
(地衣類) |

ガレ場に咲くマウンテンスノーベリー
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サウスアイランドマウンテンジェンチャン
(リンドウ) |

湿原を好むボグデイジー
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高山植物はすべて原生種、目当てのマントクックリリーはすでに見ごろを終えている。ニュージーランドの花は圧倒的に白い色をしている。蝶が少なく受粉は夜間に蛾が行うため、夜でも目立つ色に進化したらしい。 |
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12:40 17マイルポスト付近で稜線にできた草原が終わり、次第に下り勾配がきつくなる。 |
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13:00 切り立つ岩壁を横切って延びるトラックを慎重に通過する。 |
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13:20 18マイルポスト付近で危険地帯をクリアーし、氷河谷の中央部へと進む。 |
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13:25 氷河で運ばれたモレーン(堆積物)にクリークができている。洪水の時以外は閉鎖されている迂回路がある。通常でも雨の多いミルフォードでは四方八方から降った雨が集まり、川となって滝になる。 |
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13:30 サザーランド滝の上段が見えるビューポイントに出る。(かなり遠いが前方の山の谷間から流れ落ちる白い一筋の線が小さく見える) |
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越えてきたマッキンノン峠(鞍部に記念碑)を左手に望む。雨の日は相当苦戦する難コースとなりそうだ。晴天に感謝する。 |
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マッキンノン峠の登りと下山では景色が一変する。渓谷の岩盤地帯を下山するトラックは、水量豊かな滝がいくつも出現する。 |
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13:55 特に渓谷の急斜面には階段がかけられている。左手に流れ落ちる滝の数々を見ながら絶景が続く。 |
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14:00 急斜面が終わり途中の休憩所に現れたウェカ、おこぼれを期待しているようだがチョコチョコ歩きながら消え去る。 |
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14:05 渓流に架かる吊橋を渡ると、美しい苔とシダに覆われた森林地帯に入る。 |
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質量感たっぷりのサルオガセに驚き、銀色に輝くシダの森に圧倒される。 |
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14:10 渓流を渡り返して、19マイルポストになる。 |
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14:45 森林地帯に入ってトラックの傾斜が緩んでも、渓流は滑滝となって落ちている。20マイルポストを通過する。
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14:55 滑りやすい岩盤を流れる滝に立入の警告が出ている。
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15:00 最後の吊橋ローリングバーンを渡る。
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15:05 氷河谷の平地に建てられたクインティンロッジに到着する。
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ロッジから見上げる氷河谷の絶壁の上にマッキンノン記念碑がある。高度差にして約820mを2時間半で降りてきた。ロッジに用意された冷たいウエルカムドリンクを飲んで、泊まるコテージまで案内してもらう。全部で4部屋をメンバー9名で貸し切りになる。 |
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15:20 部屋にザックを置き、サザーランド滝まで往復90分のウォーキングに出る。 |
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ほとんど平地なのに、崖崩れで通行できなくなりエスケープルートができている。山腹を巻く道はアップダウンがあり簡単にはたどり着かない。とりあえず吊橋を渡り出発する。 |
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15:55 ニュージーランドで一番の落差580mを誇るサザーランド滝の案内板を通過する。世界では5番目となる落差がある三段の滝だ。木立の間から少しずつ全貌が見えてくる。
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16:00 サザーランド滝の滝つぼに到着。水量豊富な滝は周囲が霧となって轟音とともに落ちてくる。以前は滝裏まで行けたそうだが、今は崩壊が進んでいる。チャレンジャーが途中から引き返してきた。
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16:50 滝見見物が終わり、クインティンロッジに戻る。 |
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18:30 部屋に戻り、シャワーをしてから洗濯まで済ませ、ロビーで地ビールを飲みながら夕食時間を待つ。 |
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19:00 夕食開始時刻、なんとガイドたちが変装して料理を運んできた。サービス満点のおもてなしに喝采。今日のメインディッシュはマトウダイのフリッター。毎日ボリューム満点の3コースメニューから前日夕食後に選べるのがいい。日本の山小屋ではこんなサービスはない。 |

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