新緑の西沢渓谷探勝
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5月24日(金)
天気が不安定な5月連休が終わり、中旬が過ぎて高気圧が居座る晴天が続く。気温もどんどん上昇して夏日となった奥秩父の西沢渓谷に日帰りでハイキングに出かける。

午前4時前に自宅を出発し、常磐道から中環を経由して中央道に入る。勝沼ICを降り国道140号をたどり、西沢渓谷入口に7時前に到着する。ドライブイン不動小屋の近くにある無料駐車場にマイカーを停める。途中、談合坂SAで朝食をとり、206kmの道程をほぼ3時間で走行する。

7:10 ハイキングを開始する。歩き出してすぐに一般車両通行禁止のゲートがある。
7:30 笛吹川沿いの林道を歩くと、公衆トイレがある休憩所に着く。周回コースの復路で渡る、ねとり橋が左手に見える。
7:35 ヌケ沢の戸渡尾根コース(甲武信ヶ岳登山道入口)の分岐を左に入り、西沢渓谷方面へ歩く。

7:40 甲武信ヶ岳へのもう一つの登山口、徳ちゃん新道の入り口がある西沢山荘に着く。

西沢渓谷の開発の父と呼ばれる田部重治の碑を過ぎると、溪谷歩道が始まる。コースは笛吹川の浸食が造り出した渓谷を約3時間半で周回する。標高差は300mに満たないが、渓谷ギリギリの歩道を歩くので滑落や落石に注意が必要だ。また降雨時は増水の危険がある。
7:45 東沢と西沢の分岐で二俣吊橋を渡る。吊橋を渡ると、秩父多摩甲斐国立公園の案内板があり、ここから西沢渓谷歩きが始まる。右手に分け入ると鶏冠山(トサカヤマ)2115mへの登山口となるが、遭難事故が多発する上級コースになっている。
7:55 しばらくは渓谷の上流に向かって右岸を歩くが、最初に出会う滝が、対岸を流れ落ちる大久保の滝。

8:00 渓流を右に左に蛇行しながら、深く岩石をえぐりながら流れ落ちる三重の滝は迫力満点だ。観瀑台まで降りてみる。
三重の滝を過ぎると、川沿いの岩場を削り取ったコースとなる。不安定な足元に注意しながら進む。増水時は歩行困難になるポイントを慎重に通過する。
渓流の対岸に、フグ岩と名付けられた岩が見える。もう少し歩くと、甌穴でできたと思われる人面洞がある。奇抜な渓流の創作物を楽しみながら歩く。

8:15 竜神の滝が見える。

8:25 足場の悪い岩稜を登ると、轟音をたてて落下する貞泉の滝に出る。コース中屈指の名瀑だが、のんびりと休みが取れる場所を確保できないのが残念だ。

景勝地が連続するなかで、空を見上げると新緑のブナなどの広葉樹が美しく映え、マイナスイオンの恩恵を胸いっぱい吸い込む。
8:30 渓流の川幅が次第に狭まり、流れの勢いが増してくると、母胎渕に出る。甌穴によって対岸の岩壁に洞穴が造らている。
8:40 渓流の中州に突き出た岩がカエル岩。岩場のコースにはクサリが張られ、滑落しないように細心の注意で進む。
8:45 方丈橋を渡って対岸に出ると、上流に向かって左岸のコースに変わる。
8:50 コース一番のハイライト、七ツ釜五段の滝が現れる。下部からは全段が見えないが、岩稜をひと登りして観瀑地まで出ると上部の滝が見えてくる。
8:55 滝巡りの最後は不動の滝。滝を過ぎると急斜面の登りになる。

この辺りはシャクナゲの群生地となっている。ガイドブックでは5月下旬ごろが見ごろになっているが、近年の温暖化の影響で開花時期が半月ほど早まっている。
ほとんど見ることができなかったシャクナゲの開花を見つけた。特に今年は開花が少ない年にも当たってしまったようだ。
9:05 急登が終わり黒金山分岐に出る。コース標高最高地点(約1400m)で、ここから復路となる。展望台から正面に木賊山(トクサヤマ)2468mが見えるが、甲武信ヶ岳は奥に隠れて見ることができない。

復路は森林軌道跡のトロッコ道となる。進行方向左側の急斜面は溪谷まで激しく切れ落ちているので、標高以上の高度感がある。
トロッコ道の随所に架かる方丈橋。深い溪谷に架ける橋には中間に支柱が建てられず、斜めにアーチ状に取り付けられた橋のようだ。当時は木製で作られていたものを、現在は同じデザインで鋼材に代えて取り付けられている。足元の網目から溪谷をのぞくとゾクゾクする高さだ。

この辺りもシャクナゲの群生地(すでに開花終了)で、その名をとってシャクナゲ橋となっているが、さすがにこの大橋は安全重視で、吊橋の構造にしている。
9:35 大展望台に着く。ここからは甲武信ヶ岳の主脈山塊が一望できる。
左の岩峰が鶏冠山(トサカヤマ)で稜線をたどった先に木賊山(トクサヤマ)が覗く。残念ながら主峰の甲武信ヶ岳は奥に隠れ、ここでも見ることができない。
まだ咲き残っていたトウゴクミツバツツジを見つけた。毎年開花時期が早まっているようだ。
9:45 トロッコ道は急斜面の沿って緩やかな勾配で造られているので、急峻な地形をトラバースしながら大曲して続いている。その最深部にある大久保沢に架かる橋にたどり着く。

9:50 トロッコの由来が書かれた案内板。昭和の初期に木材搬送用につくられたが、戦前からは黒金山の銅鉱石運搬や鶏冠山の珪石運搬に使われ昭和43年に廃線となる。当初は馬でトロッコを引き上げていて、自然勾配をブレーキだけで下ったらしい。人馬とも転落事故もあって、まさに命がけのトロッコ搬送だった。

10:10 駐車場のあるバス停まであと2kmと書かれたコース案内板を過ぎる。ここから林道歩きとなり、ねとり橋を渡って往路の公衆トイレがある休憩場に戻る。


10:45 小休憩の後、更に林道を下り、出発点の駐車場に到着してゴールする。
11:00 帰り支度を整え自宅に向け出発。
帰路は雁坂トンネルを抜け秩父を経由して花園ICから関越道に入る。鶴ヶ島JCからは圏央道を通って、つくば牛久ICを降りる。

15:00 自宅に無事到着し、起床から12時間の日帰り山旅を終える。帰路の走行距離は196kmで、往路とほぼ同じ距離を走行したことになる。

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