奥日光(高山・小田代原・戦場ヶ原)
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6月6日(金)
梅雨入り前の晴れ間を狙って、早朝自宅を出発し、奥日光の日帰りトレイルを楽しむ。

7:05
竜頭ノ滝の滝上駐車場に車を停めて、高山山頂を目指す。スタートしてすぐに滝上の橋を渡ると、右手側に登山口がある。(写真は橋から湯川上流方向を撮る)


山頂まで2.4km、途中休憩なしで行ける。昨年は、期待していたシロヤシオの花付きが悪く、今年はリベンジのトレイルになる。しかし、シロヤシオの開花ピークが過ぎているので、一抹の不安が残る。
結果はともかくとして、朝の爽やかな木立の中へと踏み入れる。
歩き出してほどなく、コバイケソウの群生地を通過する。(まだ開花に早い)
尾根道に入り、何気なく見上げたところに、純白のシロヤシオの花が、散らずに待っていてくれた。これから行く、シロヤシオの群生地に期待ができそうだ。
7:30
緩やかな尾根道は、アップダウンを繰り返しながら登り道が続く。
やがて左手方向の木立の間から中禅寺湖が見えてくる。
右手方向には戦場ヶ原も望むことができる。尾根道は、左右両側の展望を楽しむコースとなっている。
8:00
尾根道の鞍部に出る。ここから頂上まで400mは、急勾配のジグザグ道となる。
山頂に近づくにつれて、山道は見頃を保ったままのシロヤシオに包まれてくる。
中禅寺湖の展望がさらに開け、山頂がまじかに迫る。
8:25
高山山頂1668mに到着。写真撮影をしながらゆっくりペースでも、コースタイムの1時間20分で辿り着く。
山頂にあるミズナラの大木と、周囲の斜面にあるダケカンバを埋め尽くすように、満開のシロヤシオが群生している。
葉より花の数が多い、満開のシロヤシオにやっと巡り会え、昨年のリベンジを果たす。
残念ながら、トウゴクミツバツツジは散り終わり、ヤマツツジが開花の全盛期を迎えようとしている。
8:40
小休憩の後、中禅寺湖方面に向かって下山を開始する。しばらく足場の悪い急斜面が続くので、転倒しないように最大の注意を払う。
9:10
急降下が終わり、山腹をトラバースしながら、緩やかに下って、峠の分岐を目指す。
9:15
中禅寺湖と小田代原方面の分岐となる峠道に出る。進路を右手方向の小田代原方面(2km)にとる。
9:40
ブナやミズナラの樹林帯をしばらく歩き、赤沼から小田代原を経由して、千手ヶ浜を結ぶ自動車道(自然保護のため一般車通行禁止)に出る。
9:50
自動車道を歩き、小田代原の休憩所に着く。貴婦人と呼ばれる一本シラカバが見えるが、新緑の林に埋もれ存在感が薄れている。湿原に隣接する展望のよいベンチに席をとり、コーヒーブレイクする。
10:25
エネルギー補給の後、日光連山を一望しながら小田代原の遊歩道を行く。
湿原は満開期を迎えた白いズミの花が随所に見られる。
新緑の美しいシラカバやカラマツの樹林の中を遊歩道が延びる。
国立公園内の湿原植物をシカ害から守るために、戦場ヶ原を中心に周囲17kmにわたって柵が設置されている。ゲート通り、戦場ヶ原へと踏み入れる。
11:00
赤沼と湯滝を結ぶ、戦場ヶ原自然研究路に出る。進路を赤沼方面に右折して、戦場ヶ原に沿って遊歩道を行く。
正面に大真砂、小真砂の日光連山と、その間にわずかに女峰山の先端を望む。湿原には満開のズミの花が、白く盛り上がって見える。
11:15
青木橋を通過する。湯川には解禁となったマス釣りをする人がいる。
日光連山の主峰「男体山」の大きな山体が、戦場ヶ原に鎮座している。
シロヤシオ咲く高山のピークがひょっこり顔を出して見える。
遊歩道でここだけ、ズミの桃色のつぼみが残る木を見つけた。この木は開花始めが一番美しい。
遊歩道を覆うようにズミの高木が密集している地点を通過する。
遊歩道の下の沼底が赤褐色に見えるのは、湿原にもともと含まれていた鉄分が、バクテリアなどの働きで、赤褐色の物質に変化し沈殿したもの。赤沼の由来となっている。
戦場ヶ原が開けた展望所から、湿原に多く見られるワタスゲの開花を観察できる。
12:00
赤沼と竜頭ノ滝方面の分岐に出る。進路は湯川の流れに沿って進む、竜頭ノ滝(1.4km)を目指す。
ツマトリソウ マイヅルソウ
ヤマツツジ
12:15
シャクナゲ橋を右手に見て直進する。この辺りはヤマツツジが多く、満開期を迎えている。
竜頭ノ滝に近づくと、湯川の峡谷にトウゴクミツバツツジがまだ咲き残っている。谷間の日陰は冷気が溜まりやすく、開花が遅くなっているためと思われる。
竜頭ノ滝の滝上付近にはレンゲツツジが咲いている。花の色だけではヤマツツジと区別が難しいが、葉の形状に大きな違いがあり、見分けができる。レンゲツツジの葉は細長で筋状にヒダがある。
12:30
滝上の駐車場に戻り、周回トレッキングを終える。
帰り道、竜頭ノ滝の駐車場を過ぎたとき、車窓にクリンソウが咲く湿地を見つけた。急遽、車を止めて、せせらぎに沿うように自生するクリンソウを撮影する。中善寺湖の千手ヶ浜で見頃になっている情報は聞いていたが、思いがけずこの場所で発見でき幸運の極みであった。
クリンソウは日本原産のサクラソウ科で、山間部の湿地に群生する。花は花茎に円状につき、数段に重なる姿が、仏閣の屋根にある「九輪」に似ているところから名前の由来になった。色鮮やかな赤紫の花が印象的だが、白やピンクの変種もある。
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