帝釈山(2060m)・田代山(1926m)
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6月15日(日)
梅雨入りしたのに、今日から1週間ほど真夏日が続く予報が出ている。雨天覚悟で予定していた尾瀬桧枝岐の帝釈山と田代山の2座を登山する。初日は桧枝岐の常宿「かぎや旅館」に前泊するので、途中で上三依水生植物園に立寄る。
ガマズミ ニッコウキスゲ
シロバナエンレイソウ(咲き終り) シライトソウ
キレンゲショウマ(開花前) クリンソウ(黄花は北米原産)
ミヤコワスレ
ヒメサユリ(そろそろ開花終わり) タチフウロ
塩原街道(国道400号)と会津街道(国道121号)の追分に、峠の茶屋「こま草」がある。古びた平小屋だが、人気の手打ち蕎麦屋になっている。この辺りは三依蕎麦街道と言われ、蕎麦屋が多く集まる。

注文した天盛りそば(1300円)は驚き、大盛りの地元食材の天ぷらが付く。更に大福もちを揚げたような「あげもち」も付いている。蕎麦の美味しさに、ボリュームアップの副菜に大満足間違いなし。
昼食後、ヒメサユリの群生地、南会津の高清水自然公園まで足を延ばしてみる。2日前に開花の情報があるが、まだ数株の開花のため入園料は無料になる。
6月16日(月)
朝から快晴、朝食は登山弁当にしてもらい6時前に出発する。馬坂峠までほぼダートの林道を登り、標高1790m地点を目指す。道幅が狭く車両1台分しかなく、対向車があると面倒なことになる。何とか切り抜けて6時30分に馬坂峠の駐車場(20台分)に到着する。
峠から先の栃木県川俣方面へは土砂崩れで通行止め。帝釈山と台倉高山への登山口で、設備の整ったトイレと休憩施設がある。
6:55
帝釈山登山口を出発する。ダケカンバやシラビソの樹林に入ると、すぐに勾配のきつい斜面となる。
今年は積雪が多く、雪解けを待って高山植物がいっせいに咲き出している。さっそく目当てのオサバグサを発見する。周囲にはミツバオウレンも開花し、ゴゼンタチバナのつぼみも膨らんでいる。
登山道は岩場の多い急登に変わる。オサバグサは湿度を保った針葉樹林の中を好むようで、岩場地帯では見られなくなる。
頂上付近の視界が開けると、ミネザクラが咲いている。
7:45
帝釈山の山頂2060mに立つ。周囲360度の大展望が広がる。

会津駒ケ岳

燧ヶ岳

日光白根山

日光連山
8:00
休憩後、田代山を目指して縦走を開始する。山頂からの下りは、ハシゴがある岩場を通過する。

ハクサンシャクナゲ

イワカガミ

ミツバオウレン

トウゴクミツバツツジ
8:20
山頂直下の岩場が終わり、緩やかな樹林帯に変わると、登山道沿いにオサバグサが密生し、見頃を迎えている。
8:50
登山道の随所に残雪があるが、快調にステップを刻む。
オサバグサはシダのように切れ込んだ葉と純白の繊細な花が特徴で、尾瀬では帝釈山でしか生息してない、一族一種の日本固有種です。オサ(筬)とは織物を作る際の糸を通す道具で、葉の形が似ているところから名がついた。
9:20
田代山避難小屋(弘法大師堂)に到着する。雨水を利用するトイレ(有料)が整備されている。周囲には休憩用のベンチがあり、持参した弁当を食べ、しばし休憩をとる。
9:45
休憩後、田代山湿原の木道を行く。木立を抜けると、そこは広大な高層湿原が広がる。天上の湿原探索は、木道を反時計周りの一方通行で歩く。

タテヤマリンドウ
一本道の木道から、色鮮やかな高山植物の花々が観察できる。

コイワカガミ

ヒメシャクナゲ
木道の近距離でも、可憐なヒメシャクナゲの群生を観察できる。花の形だけではシャクナゲと思えないが、小さな葉はまさしくシャクナゲの形をしている。

タテヤマリンドウ

チングルマ

ワタスゲ
雪解けの池塘の周りに、ワタスゲやチングルマにまじりコバイケソウも生育している。
湿原を彩る多様な高山植物は、開花時期を合わせたように、見事に咲き出している。
残雪の会津駒ケ岳の眺望がよくなる。どっしりとした長尾根は雄大だ。
10:25
猿倉登山口からのコース合流点を左に周回する。ここから木道は複線になる。
木道の先の水平線上に会津駒ケ岳が鎮座して見える。田代山湿原だけの、天上の構図がすばらしい。
10:30
木道を周回して、田代山山頂1926mに出る。山頂湿原になっている珍しい地形にはピークがない。コースを左に折れて、帝釈山方面に引き返す。右方面は木賊(とくさ)温泉へのロング登山コースになっている。

オサバグサ
帰路の山道でも、気になる花々を写真に収める。

コミヤマカタバミ

トウゴクミツバツツジ
帝釈山山頂付近の岩場は、連続するハシゴを登り、越えて行く。
12:00
再び帝釈山山頂に戻る。空模様が少し心配になり、早々に下山する。頂上直下から燧ヶ岳の左奥に至仏山を望めた。
12:40
登山口の馬坂峠駐車場に戻る。梅雨の晴れ間にも恵まれ、期待以上の成果があった登山を終了する。戻り路の桧枝岐温泉燧ノ湯で、ひと汗流し帰宅する。
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