Tirol : Dolomiti 8日目
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7月23日(日)
昨夜の雷雨が上がり、晴れ間にGrossglockner(グロスグロックナー)の山頂3789mが見える。

9:00 ホテルを専用車で出発し、グロスグロックナー山岳道路を16km走り、Franz Josefs Höhe(フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ)を目指す。
山岳道路はハイリゲンブルート村から急峻な九十九折の坂道を登って行く。



途中のグロスグロックナーハウスから山岳ガイドが二名専用車に乗り込み、トレッキング開始地点の駐車場まで移動する。眼下に見えるダム湖から登り切ったところにあるグロックナーハウスが氷河トレッキングのゴールとなる。
9:40 ガイドを先頭にトレッキング開始。ルートは一般者が入り込めないところに入口がある。
車道から外れてゲートを通り抜け、草原の細い山道に分け入る。
先頭のガイドの前に突然出没したマーモットに大歓声が上がる。ここはガイドの秘密スポットで、マーモット一家を餌付けしているらしい。本来野生動物が人前に現れることはないが、自然保護区の動物はあまり人を恐れないようだ。餌をおねだりする様子は愛嬌たっぷり。これだけ近くで観察できるとは思ってもいなかったので、最高の出会いになった。
マーモットと別れて展望台があるフランツ・ヨーゼフ・ヘーエを目指して山道を更に登る。やがて展望台が目前に迫る。

このルートは一般の観光客が入り込まないためか、所々にマーモットが現れては愛嬌を振りまき、まったく人を気にしていないようだ。子供のマーモットが岩の上でじゃれあっている様子も観察できた。自然の生態に触れ合うことができるのが、ガイドツアーの醍醐味だろう。


10:10 フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ展望台2369mに到着する。ここからは目前に迫るグロースグロックナーの雄大な景色と、年々後退しているPasterze(パステルツェ)氷河を眺めることができる。
展望台のレストハウスを後にルートを進むと、全面ガラス張りの自然観察塔が造られている。山岳光景を楽しむだけでなく、自然生物の観測機器の設置や資料が展示されている。ガイドの案内で立寄ってみた。
グロースグロックナーの山頂と周囲の氷河地帯を望遠で捉える。標高は富士山より22m高いだけだが、登頂は遥かに難しそうだ。
11:00 氷河見物のケーブルカー乗り場に到着する。ケーブルカーが運行を開始した1960年頃は下降終点駅付近まで氷河に覆われていたが、今は地球温暖化の影響で、高さ200m以上も溶け出し、大きく後退している。

1960年の氷河位置を示す標識がケーブルカーの終着駅付近にある。


パステルツェ氷河を正面に望むビュースポットに立つ。年代ごとの氷河位置を示す案内板がある。
11:20 パステルツェ氷河が溶けて流れ出した川に向かって下降を続ける。
11:35 氷河の底面に近い場所でボックスランチとなる。かつてここは分厚い氷河で埋め尽くされていたところだ。
まだ青空も見えるが、次第に雲の湧き出しが目立つようになる。天気は下り気味になってきた。
グロスグロックナー登山で前泊する山小屋が氷河の中の高台の上に建っているのが肉眼でもわずかに確認できる。
12:45 トレッキングルートが上り道になり、小高い尾根を越えるとSandersee(サンダー氷河湖)が現れる。
氷河湖に沿ってトレッキングルートを行く。モレーンのような堆積物はなく、氷河に削り取られた荒々しい岩塊の中を進む。

珍しいピンクのルペンス カスミソウ
氷河湖の一部周辺に氷河が運んできた岩の微粒子が堆積してできた砂浜に出る。手に取ってみたが、洗顔パックになるくらい細かい。
トリカブト ルペンス カスミソウ
サンダー氷河湖から流れ出る水量は豊富で滝のように勢いがある。流れ出し口の真上に架かる吊橋を渡る。

シルベストリス ナデシコ

ポリトリクス  イブキジャコウソウ

アルペストレ ハンニチバナ
この辺りでは岩場と水生を好む高山植物が入り乱れて咲いている。
アイゾイデス ユキノシタ 
13:40 氷河湖をせき止めている岩峰を登り切ったところが、氷河トレッキング最後のビューポイントとなっている。
ルートは山腹を巻くように下って行くとダム湖が見えてくる。ダム湖の周囲を半周したところから最後の急斜面を登り切れば、トレッキングゴールが待っている。

14:40 感動のゴールイン!これですべてのトレッキングは終了する。
15:20 グロースグロックナーハウスから専用車に乗り、ハイリゲンブルートに戻る。
18:30 夕食は別のホテルのレストランまで移動する。サラダとスープはビュッフェスタイルで取り放題。メインもボリューム満点の食事で空腹を満たす。

Murauer(ムーラウ) オーストリアの地ビール
オーストリア産のビールとワインは、日本ではなかなかお目にかからない。EUではビールはドイツかベルギー産が多く飲まれているようだ。旅は地産地消ものが一番うれしい。
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