屋久島 白谷雲水峡
back
5月23日 屋久島1日目

羽田空港8:05発JAL643 ✈ 鹿児島空港9:50着
乗継10:20発JAC3743 ✈ 屋久島空港10:55着

到着した屋久島空港は梅雨を思わせる小雨まじりの天気。早速、空港からツアー期間中チャーターしたバスで白谷雲水峡のトレッキングに向かう。今回のツアー会社は「クラブアルプスの山旅」で申込み、ガイドを含め総勢8名の参加になった。2日目からは小屋泊まり組と日帰り組の2グループに分かれて宮之浦岳登頂を目指す。
初めて降り立った屋久島は、鹿児島県大隅半島の南端から約60kmの位置に浮かぶ、周囲約130kmのほぼ円形の洋上アルプスの島。中心部に最高峰の宮之浦岳1936mと他に1800mを越える山が7座あり、島そのものが山岳になっている。
12:00 空港を出発したバスは宮之浦から白谷林道に入る。標高600mの山深い自然休養林の中にある駐車場で持参した昼食をとった後、白谷雲水峡のトレッキングを開始する。管理棟入口近くにある「白たえの滝」が最初のビューポイントだ。
白谷雲水峡入口にある案内板。装備が必要な登山コースもあるが、足慣らしを兼ね弥生杉コース(約1時間、2km)を探索する。
案内板に従って、さつき吊橋方面に歩く。遊歩道が整備されているので一般の観光客も歩くが、この時間になると混雑はない。

コースは白谷川の渓流沿いを歩く。この辺りは「憩いの大岩」と呼ばれている。水量豊かな清流が原生の森の美しさを際立てている。


屋久島は切株の上に落ちた種子が発芽して世代交替する切株更新が多く見られる。花崗岩の隆起でできた島は養分が乏しく、このような世代のバトンタッチが、かつての伐採の歴史を物語る。
12:15 飛流橋から「飛流おとし」と呼ばれている急流を眺める。岩盤の裂け目に食い込むように流れ落ちる滝だ。橋から先は推奨コースから外れるので途中から引き返す。
地下水が染み出す岩壁には見ごろを迎えたコガクウツギや苔類が生い茂る。
さらに白谷川上流に進み、さつき吊橋から渓流を覗き見る。
12:30 二代大杉に到着する。樹高32mは樹齢1000年を越える屋久杉の中でもトップクラスだ。ただ胸高周囲4.4mは中クラスと思われる。周囲を一巡りして往路を少し引き返し、途中で分岐して弥生杉を目指す。
年間降雨が多い原生の森は様々な苔類が生育する。アニメ「もののけ姫」のイメージづくりとなった「苔むす森」は更に山奥の太鼓岩往復コースに分け入らねばならない。
13:00 弥生杉に着く。白谷雲水峡ではトップクラスの大杉で、全体像がよく分からない巨大さに圧倒される。

イスノキ

ヒメシャラ
屋久島は1993年、白神山地と共に世界自然遺産に登録された。樹齢1000年を越える屋久杉など極めて特殊な森林植生を持つことが登録理由になっている。少ない養分でゆっくり育つ植生は、特殊環境の中で巨木化するようだ。
屋久島地図の案内板。緑のエリア(島全体の21%)が世界自然遺産登録地、ピンクのエリアが国立公園になっている。亜熱帯から亜高山帯に及ぶ植生の垂直分布があり、日本列島の縮図とも言われている。
苔類だけでなくシダ類も多く生育している。特徴は同じ降雨地帯であり、隆起の島であるニュージーランドとも共通点が多い。
15:00 帰路に屋久杉自然館に立ち寄る。屋久杉の森は手付かずの秘境ではなく、500年前から巨木を倒し、暮らしを支えてきている。そこにたくみな自然の生態と人間のかかわりがあり、世界自然遺産登録につながった。

1660歳の屋久杉切株。中心部直径37㎝に500本の年輪があり、非常に成長が遅く、緻密で樹脂分が多く含まれているので、腐りにくく長寿命になる。
17:00 宿泊先の屋久島グリーンホテルに到着。宮之浦岳も縄文杉も日帰りで歩くので、このホテルを拠点に3連泊する。

Topback