
2014年度ねぶた大賞「戦国武士華」
ねぶた祭り最終日の運行は昼間に行われる。ハイライトは夕暮れの花火大会に運行される海上ねぶた。すでに今年度の受賞が前日までに決まっていて、昼間の運行は予行に過ぎない。スタート時は小雨交じりの天気のため、透明カバーに覆われたねぶた運行になった。 |
8月7日青森ねぶた祭りのフィナーレねぶた海上運行と翌日の五所川原立佞武多祭りを見るツアーに参加した。両者のねぶたを連日で見れる1回限りのチャンスを企画したツアーだ。個人で宿泊予約は難しく、交通手段も確保できないためツアーを利用することにした。往路は新幹線で青森に向かう。かなりハードな工程が組まれているが、見ごたえのある祭りを鑑賞することができた。

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今年の大賞順に次々とねぶたが登場し、桟敷席の前に練り出す。夜の運行と違ってねぶたの華やかさに欠けるが、巨大造形物を動かすエネルギッシュなパレードに拍手喝采する。しかし、跳人さんが最終日はお疲れのようで、めっぽう少ないのが不満である。
2番手は知事賞「大間の天妃神 千里眼とナタ」 |
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3番手は市長賞「鐘馗(しょうき)」、猛虎に騎乗した鐘馗の鬼退治の場面。 |
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4番手は商工会議所会頭賞「児雷也(じらいや)」、児雷也が綱手姫と協力して妖蛇の化身と戦う場面。 |
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次々とねぶたの運行が続き、1台だけ透明カバーを取り外したねぶたが登場。雨があがりギリギリ運行に間に合っての出陣だ。リスクを恐れない心意気に特別大賞をあげたい。
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予定の大型ねぶた16台が通り過ぎ桟敷席から観客が移動を始める。桟敷席が運行スター地点に近かく、周回コースを先回りして別のポイントで見ることにする。
中年の粋な跳人を先頭にやって来たのは、観光コンベンション協会会長賞「箙(えびら)の梅、景季(かげすえ)奮戦」、源氏の梶原親子が梅の大木の下で平家を相手に奮戦している場面。 |
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各賞外から海上運行の参加が決まったねぶた「酒呑(しゅてん)童子」、酒盛りで鬼退治をする場面だが、切られたのは鬼の首でなく大杯の構図が決まっている。
全体に言えることだが、写真ではカバーでかすれてハッキリねぶたを見てとれないのが残念だ。現地で見る実物の迫力に勝るものはない。 |

跳人と囃子の掛け合いが見事。 |

跳人の大集団が商店街を通り抜ける。 |
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昼のねぶた運行は15時に終了した。夜の海上運行までの時間を利用して山内円山遺跡観光があった。戻ってきて夕食の弁当を済ませると、ねぶた祭り協賛の花火大会が始まる。
19:15 観光物産館アスパムに夕闇が迫り、花火打上開始の時刻となった。 |
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港に停泊する豪華客船の前を引き船に先導されたねぶたが囃子の音響とともに現れる。 |
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港内を一周する海上ねぶたが大観客の桟敷席前を悠々と通り過ぎて行く。6日間に及ぶ祭りのフィナーレにふさわしい感動の一瞬だ。
先頭のねぶたは「酒呑童子」、昼の運行とは逆順で受賞ねぶたが登場する。暗闇の海上に明かりを灯したねぶた運行は豪華絢爛の一言に尽きる。昼間では見え難かった全貌が現れる。 |
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2番手に観光コンベンション協会会長賞「箙の梅、景季奮戦」 |
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3番手に商工会議所会頭賞「児雷也」 |
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4番手に市長賞「鐘馗」 |
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5番手に知事賞「大間の天妃神 千里眼とナタ」 |
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6番手最後はねぶた大賞「戦国武士華」
戦国武将のダイナミックな戦いの様子が斬新的で印象的な作品だ。 |
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ねぶた海上運行と花火の競演が終わると、大型花火の打上が始まる。呼物の二尺玉や超特大スターマインが次々と盛大に打ちあがり、21時前に今年の祭りが終わった。
1日目の宿泊は安比のリゾートホテル、東北道を直走り深夜に到着した。初日から厳しい強行移動となった。 |
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2日目は十和田湖を観光してから五所川原に向かう。散策した奥入瀬渓流は台風の影響か水量を増している。今日も不安定な天気で、立佞武多も透明カバーで覆われてしまうのか心配が過ぎる。 |
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五所川原の立佞武多祭りは毎年8月4〜8日に行われる。市内ある立佞武多の館には、この祭りのために常時大型ねぶた(高さ23m、重さ19t)3台が格納されている。
17:40 ビルにして7階建ての建物の扉が開き、立佞武多の出陣が始まった。祭りのときだけ開く超特大の扉だ。
最初に出てきたのは、祭りを先導する忠孝太鼓だ。特大太鼓を2段に配置したスペシャルな立佞武多だった。 |
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2014年制作、「国性爺合戦 和藤内(こくせんやがっせん わとうない)」の出陣。和藤内が虎と対峙し、屈服させ従える場面。その勇姿に復興を目指す人々への支援の思いが込められている。 |
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2012年制作、「鹿嶋大明神と地震鯰」の出陣。地震の災いを鯰に見立てて、大明神が鎮める場面。東日本大震災の翌年、復興祈願として制作された。 |

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2013年制作、陰陽 梵珠北斗星(おんみょう ぼんじゅほくとのほし)

3台の大型立佞武多が出陣し、運行スタート位置に向かう。 |
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19:00 立佞武多祭りの開始を告げる先導車が登場し、祭りが始まった。乗っていたのはなんと吉幾三氏(北津軽出身)、突然の熱唱に会場が騒然となる。 |
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19:10 少し間をおいてパトカーを先導に立佞武多の運行がスタートした。撮影ポイントは立佞武多の館近く、通りがくの字に曲がっているため後続の立佞武多の動きが捉えられる。 |
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忠孝太鼓の後列に最初の大型立佞武多が登場する。 |

鹿嶋大明神と地震鯰 |
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背後のトップに復興祈願の大文字 |
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市内の運行コースを17団体の立佞武多が一巡する。天気が急回復し、月の出た夜空を立佞武多の鮮やかな明かりが灯る光景は圧巻だ。「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」の掛け声のもと、五所川原市街地を練り歩き、その圧倒的迫力で沿道の観客を魅了する。 |
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後列から登場した「陰陽 梵珠北斗星」 |
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大型立佞武多の最後は今年の新作「国性爺合戦 和藤内」、運行の見せ場がやって来た。。
青森ねぶた祭りの起源は七夕まつりにあるようだ。台座によく書かれている「雲漢(うんかん)」の文字は、中国古事の「天の川」の意味ということが分かった。そのなごりが今に伝わったものだろう。 |
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20:10 運行コースを一周し先頭の立佞武多が戻ってきた。 |
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20:15 立佞武多の館前に忠孝太鼓が止まった。これから大型立佞武多が戻り、順次入館が始まる。 |
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20:20 「鹿嶋大明神と地震鯰」が入館する。 |
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21:10 「陰陽 梵珠北斗星」が入館する。 |
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21:20 最後の「国性爺合戦 和藤内」が戻ってきた。帰りの集合時間が迫っているので入館まで見ることができない。祭りを運行した全ての立佞武多が、それぞれの格納庫に戻り、祭りが終了した。
深夜、十和田湖のホテルに宿泊し、翌日中尊寺を観光し、松島を経由して仙台に着いた。ここから新幹線で上野に戻り帰宅した。
お疲れ様でした。
 
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