6月9日(木)
厳冬期の豪雪が消えた福島県桧枝岐村のミニ尾瀬公園に立ち寄る。東北最高峰の燧ケ岳を望む庭園では、この時期一足早い高山植物の開花を鑑賞することができる。
帝釈山を代表する花、オサバグサが見頃となっている。葉の形が機織りの筬(オサ)に似ていることから名付けられた。亜高山帯針葉樹林の稀な環境で生育し、一族一種の特徴をもつ日本固有種。

ミソガワソウ

ミツガシワ

ギョウジャニンニク

レンゲツツジ

ハクサンチドリ

ヒオウギアヤメ

雪解けが終わった園内に尾瀬の植物が一斉に咲き出している。
庭園の一角にあるロックガーデンで、コマクサやホソバヒナウスユキソウ(エーデルワイス)の開花が見られる。高山帯でない桧枝岐でも、厳しい冬の自然環境が育てた証であろう。
雪解けの自然水を集めた広大な公園を探索すると、様々な高山植物と一度に出会えるのがうれしい。この時期に訪れるのがお勧めです。
6月10日(金)
いつもの常宿「かぎや旅館」に宿泊し、昼食の弁当を受け取り尾瀬沼に向け出発する。御池からシャトルバス(往復1200円)で沼山峠に到着し、まだ一部に残雪がある木道を登り峠を越える。
峠を下り見えてきた大江湿原はミズバショウの群生地。やや開花のピークを過ぎているが、尾瀬を象徴する花が最初に出迎えてくれる。
ショウジョウバカマ ワタスゲ(花は淡い黄色)
午後から雷雨となる予報が出ているが、まだ晴れ間が覗く木道を行く。
尾瀬沼周辺で最も大きな大江湿原は、春の訪れととも枯草色から新緑の季節へとカラーチエンジが進んでいる。
小渕沢田代への分岐点を直進して、尾瀬沼方面に進路をとる。芽吹き出したシラカバ林が青空に映えて美しい。
沼山峠から歩き出して約1時間、前方に尾瀬沼が見えてくる。

ミネザクラ

リュウキンカ
樹林が開けた右手方向に燧ケ岳(2356m)を望む。今年の夏山開きは7月3日、現在は残雪が多く冬山の装備が必須となっている。
湿原のシンボル「三本カラマツ」の背後に広がる尾瀬沼は、燧ケ岳の噴火で川がせき止められた沼。周囲は約7kmは木道が敷かれているが南岸(左側)は積雪があり、夏でも湿気で歩きにくいので、北岸の木道に進路をとり、尾瀬沼ビジターセンターはパスする。

タテヤマリンドウ

エンレイソウ(山道樹林の中に咲く)
燧ケ岳登山口となる長英新道の分岐を通過する。
浅湖湿原(あざみ)から見た燧ケ岳。雪解け水をいっぱい蓄えてた湿原の上を木道が延びる。

折り返し地点、沼尻平の休憩所で小休憩をとる。空の雲行きがだいぶ怪しくなってきたので急いで沼山峠に引き返す。山の駅沼山峠に到着するや大粒の雨が降り出す。かろうじてレインウエア着用を免れた。歩行距離10.8km、歩行時間3時間40分のミニトレッキングを終える。天気が急速に回復し、昼食の弁当は山の駅御池のテラスで食べる。

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雪解け 尾瀬沼を行く