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成田からルフトハンザでミューヘンを経由し深夜バルセロナに到着。宿泊したホテル「FRONTAIR CONGRESS ★★★★」はプラット国際空港に至近距離で、バルセロナからは郊外に位置する。翌朝からバルセロナ市内観光が始まる。最初に車窓から目にするのは、1888年のバルセロナ万博を記念して建てられた高さ約60mのコロンブスの塔。塔の上には新大陸を目指して旅立つコロンブスの像がある。かつて「太陽の沈まぬ国」とよばれたスペインの栄華を象徴するモニュメントである。 |
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一歩通行の多い市内を左右に巡り、スペイン広場に着いた。スペイン広場はマドリッド、セビリアなどにもあるが、バルセロナは大きなロータリーになっている。奥に見えるカタルーニャ美術館まで一直線の通りがあり、この道はモンジュイックの丘に続いている。 |
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使われなくなった闘牛場の建物を現存しショッピングセンターに10年前から改装中、途中資金難から何度もオーナーが変わり、やっと工事が再会したところ。何事も気の長い国であるが、古いものを大切にする国民性が感じられる。 |
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スペインの生んだ天才建築家、アントニ・ガウディ。数多くある作品のうち、バルセロナニにある7つの建築物が世界遺産に登録されている。造り始めてから100年を経過しても今尚造り続けているサグラダファミリアの景観。完成は最短で10年と言われているが、あと100年、200年かかるとも・・・・近くに高速鉄道の地下トンネルができる計画があるらしいが、どんな環境影響があるのか、さすがのガウディも想定していなかったことだろう。 |

満開になったアモーレの花とサグラダファミリア |
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ガウディが存命中に唯一完成した誕生の門。朝日に照らされるように設計されている。ハープを奏でる像は、日本人の主任彫刻家外尾悦郎氏が手がけた。 |
 
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森の中にいるような不思議な内部の空間。ガウディは柱が自ら成長していくような表現をしたという。美しく白で統一された内部に、未完成のステンドグラスからやわらかな陽光が差し込んでいる。
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受難の門。誕生の門とは対照的に直線的で無機質な彫刻が特徴。リアリズムと生命の躍動感に満ちた誕生の門に対し、受難の門は抽象化することで悲痛な内面世界を表現している。 |
 
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グエル公園。イギリス風庭園住宅を造る予定で、60区画ほど造成された宅地は結局3戸しか売れず、計画は失敗に終わる。購入したのは発注主の実業家グエルとガウディの弁護士それにガウディ本人だけだった。その後、市に寄贈され公園になる。(写真は当時のガウディ宅) |
 
起伏のある公園の遊歩道にもガウディ流の景観がデザインされている。 |
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ギリシャ劇場と呼ばれた公園のテラス。波打つベンチに装飾された、鮮やかな色彩の破砕タイル。 |
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柱廊の傾いた支柱はヤシの木がモチーフ。高低差のある園内を結ぶための陸橋として建設された。鮮やかな他とは対照的な色合いもまたガウディ流。 |

公園のテラスは雨水を集める構造の石柱が支え、床底が貯水槽になるように設計されている。 |

天井には破砕タイルの見事な造形がある。よく見るとワインボトルの底などがリサイクルされて、使われているのがわかる。 |
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眼下にバルセロナ市街が広がる小高い丘にあるグエル公園入口の建物。屋根はまるで砂糖をまぶしたタルト菓子のようだ。柔らかな曲線を多用した建物は、おとぎの国にいるような不思議な錯覚に陥る。 |
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正面階段から見たグエル公園の波打つテラス。イースター休暇で商店街は閑散としているが、人気の観光スポットだけは超人盛り。 |

誰もが記念のカメラを向ける「ドラゴン」のオブジェ。地下貯水槽の放水口になっている。 |

昼食はオリンピック港にあるレストランでフィデウア(Fideua)を食べる。ショートパスタに魚介を加えて炊上げ、地中海の旨味がたっぷり濃縮した美味しさがたまらない。 |
 
前菜はフレッシュな果物と野菜のサラダ。食後はシナモンをトッピングしたジャンボプリンで満腹になる。
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シーサイドのレストラン街 |

ヨットハーバーとツインタワー |

オリンピック港の海岸通り |

光り輝く地中海と白い砂浜 |
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昼食後、旧市街にあるカタルーニャ音楽堂に向かう。ガウディと並び称される建築家ドメネク・イ・モンタネールの最高傑作である。19世紀末から流行したモデルニスモ(芸術復興運動)の優美な建築様式が特徴。現在もコンサートホールとして使用されている。1997年にサン・パウ病院とともに世界遺産に登録さた。
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花の建築家とよばれたモンタネールらしい装飾が見事。建物中央の像はバルセロナの守護聖人サン・ジョルディ。内部の天井と壁は、当時まだ新しい建築資材の鉄骨造りでステンドグラスを多用している。天井から下がった「太陽の雫」と呼ばれるステンドグラスは装飾美の極みである。

館内の見学は予約制限が厳しく、1週間前にならないと予約結果が確認できない。トップシーズンの観光は要注意である。 |

現在は使用されていないチケット売り場の窓口にもモザイクタイルの華やかな装飾が施されている。

舞台はパイプオルガンを包み込むように、華麗な彫刻で満たされている。舞台中央の壁面は上半身立体で下半身平面のユニークな2.5次元像が装飾されている。
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カタルーニャ音楽堂から迷路のような旧市街の路地裏を歩き、ピカソ美術館へ向かう。ガイドなしでは方向を見失ってしまうほど複雑で治安も良くない。スペインでは団体旅行の観光案内に、現地人ガイドを付けることを義務付けている。失業率が高いスペインでは、貴重な観光収入源にもなっている。 |

迷子にならずにピカソ美術館に到着。ゴシック様式の美術館は貴族の館を改装したもの。 |

美術館の入り口。目立たない小さな黒いプレートに書かれた「Museu Picasso」が印象的。 |
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ピカソ美術館を見学後、カサ・ミラに向かう途中のグラシア通りは、カタルーニャ州の資金力をもった新興ブルジョアたちがスポンサーとなった建造住宅が集まっている。左の建物がカダファルク作のカサ・アマトリェーで多彩色の装飾と切り妻屋根が特徴。右がガウディ作のカサ・バトリョ、波打つ正面の壁は規則性を排除したガラス片やタイルが配置されている。(車窓から撮影) |
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26歳で建築士となったガウディは、実業家グエルと出会い、彼の邸宅や公園を手がけることになる。自然を手本としてきたガウディは、幻想で大胆な独自の様式を確立した。カサ・ミラの通りにはガウディの造った風変わりな街路灯も目を引く。 |

カサ・ミラ(Casa Mila)は実業家ミラの依頼を受けて建造されたガウディ最後の民間建築。波打つような外観と彫刻のようなバルコニーの欄干が独創性を際立たせている。 |

屋上に林立する兜をかぶった戦士のようなオブジェは煙突や通気口になっている。

廃材利用で造られたバルコニーのオブジェ。地中海の海草をイメージしている。 |

オリンピック・スタジアムやミロ美術館があるモンジュイックの丘からバルセロナ市街を眺望できる。存在感のあるサグラダファミリアの尖塔。 |

地中海を見下ろすモンジュイックの丘から豪華観光船が停泊しているのが見える。 |
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ホテルの朝食はアメリカンスタイルのバイキング。生ハム、ソーセイジ、スモークサーモンなど豊富な食材と新鮮なオレンジジュース、つい食べ過ぎてしまう美味しさだ。 |

夕食はタパス料理。豚のモモ肉の生ハム、ハモン(Jamon)。他に地中海の新鮮なムール貝の蒸し焼きや小魚のフリッターなどシーフードタパスも味わった。 |

カタルーニャの名物「パン・コン・トマテ(Pan con Tomate)」パンにトマトとニンニクを擦り付け、オリーブオイルと塩を振りかけたシンプルな料理。
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