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5日目の朝はミハスのホテルを8時に出発し、白い村を散策する。岩山の山麓に密着するように立ち並ぶ白い家々はアンダルシア独特の歴史と文化の異彩を放つ。 |

まだこの時間に動き出す観光客はいなく、街は早朝の静けさの中にある。 |
 
ミハスの広場の標識と、どこの町にもあるミロがデザインした銀行の看板。 |

白壁の家が続く美しい町並み.。年間を通して観光客がにぎわう町は、清掃員だけが作業をしていた。この日一番乗りの観光を思いっきり楽しむが、どこの店も閉まったままだ。 |
 
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坂道や階段が多い町並みを歩く。 |

坂の上にあった珍しい四角い形の闘牛場。スペインでは町にある丸いものは闘牛場といわれている。 |
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海抜420mにあるこの町からは地中海と裾野に広がる町を一望できる。晴れた日には遠くアフリカ大陸が見渡せる。ミハスからジブラルダル海峡まで1時間位の距離にある。 |

ミハスを後に一路セビーリャ(Sevilla)に向かう。道路脇に突然、黒牛の大きな看板が随所に現れる。他にギターを持ったオジサンの看板もあるが、この一帯はシェリー酒の原産地として有名な町「ヘレス」が近い。看板はシェリー酒のブランドマークだが、シェリー酒以外の看板は見当たらない。 |

どこまでも続くオリーブ畑のど真ん中にある農場のBarで休憩をとる。特産のオリーブ製品を土産物販売している。オリーブは全世界の25%をスペインで生産し、スペインの80%はアンダルシアで生産している。

Barの注文はミルク入りコーヒー(Cofe con Lecue)。
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正午にセビーリャに到着。アンダルシアの華とよばれるセビーリャは1492年のコロンブスの新大陸発見を機に、スペインと新大陸を結ぶ拠点として発展した。また、セビーリャは「スペインのフライパン」とよばれるほど高温になる地域。すでに気温は25℃を超えているが、昼食をとるレストランまで市街地の路地裏を歩く。 |

オレンジの花咲く広場でくつろぐ人々。 |

案内板の1番(カテドラル)と4番(アルカサール)を目指す。
 
伝統工芸品のセビーリャ焼きを売る土産物店が並ぶ。 |

昼食をとったレストラン「Dona Lina」の店内は、華やかでアンダルシアの雰囲気が抜群の店。 |
 
カウンタのモザイクタイルや壁の絵皿が、イスラムの文化を醸し出していて美しい。

アンダルシアの郷土グルメ「ガスパチョ(ニンニク入りトマトの冷スープ)」を賞味。ほどよい酸味と爽やかな喉ごしが食欲を誘う。 |

レストランからアルカサールに向かう小道。スペインの旧市街はどこも狭い路地の中を歩く。これもまた散策の楽しみでもあるが、スペインの団体観光は必ず現地人ガイドを付ける決まりになっている。 |
 
セビーリャ焼は手書きのため色、柄は様々。こんな豪華な絵皿もあるがウインドショッピングだけで楽しむ。
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ムデハル様式の美しい宮殿(アルカサール)のライオン門の入口に到着し、ここから入場する。 |
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11世紀のイスラム時代に建てられた王宮跡地に、キリスト教王の宮殿を建造。歴代の王たちによって増改築が繰り返された。一番の見所は14世紀に完成したペドロ1世宮殿。宮殿の中央に中庭を造り、それを取り囲むように執務室などが設けられている。 |
 
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乙女の中庭。泉のある中庭を囲む建物の1階は漆喰の装飾が印象的な14世紀のムデハル様式。2階は16世紀に増築されたルネッサンス様式。 |

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人形の中庭。天井の窓から光が差し込み、柱廊のアーチに設けられた漆喰の透かし彫りが鮮やか。 |
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宮殿の中核をなす大使の間の入口。ペドロ1世が宮殿内で最も豪華に仕立て上げた部屋に続く。 |

大使の間はグラナダやトレドの職人による精緻な漆喰細工やアラベスク模様が見事。また、天井の木工細工に趣向が凝らされている。
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庭園の中に涼しげな泉があるボンド・ガーデン。17世紀のフィリップ3世の時代にイタリア人建築家によって造られた、西洋式の庭園。 |

10世紀に建てられたゴシック宮殿はイスラム様式が排除されている。腰壁を飾るタイルが見事。 |

バロック様式に改装されたタベストリー・ルーム。 |
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ゴシック宮殿から出口に向かうと、前方正面にそそり立つヒラルダの塔が見える。 |
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アルカーサルの出口を出たところから見た宮殿の城壁。案内の待ち合わせをする人々で混み合っている。 |

スペイン最大規模のカテドラル。ヒラルダの塔(La Giralda)は高さ94mの鐘楼で、イスラム建築の特徴をもつ街のシンボル的な存在感がある。 |

広場には観光馬車がたくさん集まる。

近くに市電の停留場がある。日本語で「セビリア」と書かれた車両も走る。
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セビーリャ観光後、イスラム世界の中心地、古都コルドバへ向かう。コルドバまで140kmを2時間で到着。時刻は17時を過ぎているが日没が遅いスペインではこれからが活動時間になる。ローマ橋を渡ると世界最大規模を誇るモスク「メスキータ(Mezquita)」がある。メスキータはスペイン語でモスクの意味。
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ローマ橋の手前にあるイスラム時代の要塞「カラオラの塔」。 |

メスキータの外壁にはアーチをはじめ、唐草模様や幾何学模様などイスラム装飾の要素が凝縮された門が並ぶ。9世紀に造られた最初の門のほか、異なる時代の門が共存している。手前がアーチの装飾が美しいサン・ミゲル門。 |

円柱の森。イスラム時代の祈りの空間で、白と赤を組み合わせた二重のアーチを支える円柱が約850本立つ。8世紀に完成以来、200年にわたって拡張を繰り返した。 |
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もともとメスキータは8世紀末頃にキリスト教の聖堂があった場所に着工された。その後増改築を繰り返し現在のモスクは10世紀後半に完成したが、13世紀になってコルドバがキリスト教徒に再征服され、再び聖堂として使用される。イスラム文化の遺構を破壊せず、同じ敷地内に融合させ共存しているところが、スペイン独自の文化になっている。 |

ミフラブ(Mihrab)は、イスラム教徒が祈りを捧げるメッカの方向を示すくぼみ。金色のモザイクで飾られている。マクスラ(Maksula)はミフラグを協調する空間で、高窓から光が差し込むドームになっている。 |
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中央礼拝堂。メスキータの中央にあり、キリスト教王が18世紀に建てた荘厳な雰囲気の礼拝堂。中央はゴシック様式の楕円形のドーム。 |
 

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メスキータから少し離れた場所に旧ユダヤ人街がある。迷路のように入り組んだ細い道の両側には、美しい花で飾られた白壁の家が並ぶ。「花の小道」は人気の撮影スポットだ。
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この当たりは絵皿や壁掛けなどの土産物屋が立ち並び、観光客がいっぱいの繁華街になっている。
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