スペイン6日目は朝8時にコルドバを発って280kmを移動し、文豪セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」の舞台として知られているラ・マンチャ地方に入る。立ち寄った休憩所はどこを見てもドン・キホーテ一色の田舎町だった。

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壁にも、土産物屋の軒先にもドン・キホーテが飾られている。
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休憩所を出てしばらく行くと、小高い丘の上に風車が数基見えてくるが、目的の風車はまだ先にある。 |


風車がある丘に立つと360度の展望が開ける。ラ・マンチャ地方の赤い大地はアフリカのように広陵としている。 |
コンスエグラ(Consuegra)の丘に到着。ドン・キホーテが戦いを挑んだとされる白い円筒状の建物に、黒い三角屋根が印象的な風車が立ち並ぶ。現在は使用されていないが回転式の屋根を風上に回し、小麦を挽いていた。全部で12基位が数えられるが正確な台数はつかめない。
 
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アラビア語で「乾いた土地」を意味するラ・マンチャ。車窓には赤茶けた大地に露地栽培のぶどうとオリーブの樹木が延々と続く。この一帯は赤ぶどうのテーブルワイン生産地となっている。 |
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コンスエグラを出発して60kmで古都トレド(Toledo)に到着する。旧市街へのメインゲートとなる、ビサグラ(Bisagra)新門の前を通過する。中央アーチにハプスブルク家の血をひく国王カルロス5世が与えた、トレドの紋章「双頭の鷲」が威厳を放つ。
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トレドはマドリッドの南70kmに位置し、タホ(Tajo)川に囲まれるようにたたずみ、古代ローマ時代から要塞都市として栄えた歴史をもつ。イスラム時代には、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教という3つの宗教がお互いを尊重しながら共存。民族と宗教を超えた活発な交流が、トレド独特の文化と町並みを育んでいった。現在は、歴史的建造物が多く残る旧都として、ユネスコ世界遺産に登録されている。
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古都らしい雰囲気がする土産物屋。中世の騎士が出迎えてくれるところがトレド風でいい。 |

トレド市街に入り、昼食をとるレストラン「Los Arcos」に着く。店のテーブルワインが付くローストチキンは、ありふれた料理でも古都にいる店の雰囲気と調和して、食欲を満たしてくれる。 |

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昼食後、石畳の坂道が多いトレドの観光が始まる。観光案内版でタホ川に囲まれたトレドの特異な地形が、要塞都市として発展してきた根拠と見て取れる。街の中は、その誇りである紋章「双頭の鷲」がいたるところに刻まれているのに注目したい。 |


カテドラルに向かう途中の街の光景。建物自体が要塞になるように高く密集し、堅牢な造りになっている。 |
 
建物の壁や車止めの杭にも「双頭の鷲」の刻印がある。
 
土産品も異文化が交じり合ってユニークなものが多い。 |

スペインの主席大司教座があるカテドラル。スペイン・カトリックの総本山である。13世紀に着工し、250年以上の歳月をかけて完成した。左手の鐘楼の高さは90m。内部は写真撮影が禁止。 |
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サント・トメ教会のムデハル様式の塔。この教会にはエル・グレコの最高傑作と称される「オルガス伯の埋葬」があることで有名。 |
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サン・マルティン(San Martin)の橋。13世紀のはじめ頃に建設された。この橋を渡ってトレドの街を後にする。ここからアランフェスまでは45kmを移動する。 |

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スペインの歴代国王が愛したアランフェス(Aranjuez)王宮に到着。時刻は17時30分を回っているが、1時間20分で観光する。スペイン出身の作曲家ホアキン・ロドリーゴが、その美しさにインスピレーションを受け、「アランフェス協奏曲」を作曲した。 |
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スペイン国王の避暑地であった宮殿。16世紀に大規模な改装をおこなったが、その後火災被害を経て、18世紀にカルロス3世が再度改装した。現在はユネスコ世界遺産に登録され主要な観光地となっている。王宮内は贅を尽くした装飾品で満たされているが、写真撮影はできない。
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宮殿観光後、50km離れた宿泊地マドリッドに向かう。マドリッドではこのツアーの最高グレード五つ星ホテルに2泊する。
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