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スペイン7日目は首都マドリッドを基点に移動する。宿泊するホテル「HUSA PRINCESA」は、隣接するスペイン唯一の大型総合デパート「エル・コルテ・イングレス(El Corte Ingles)」があり、観光後でも夜22時まで開いているので買い物に便利。

ホテルの朝食は生ハム、チーズ、サラダなど五つ星ホテルの上質メニューに満足。黒豚の生ハム「イベリコ(Iberico)」は高級料理。朝のバイキングで豪快に盛り付ける。

バルセロナからマドリッドまで5日間で2000kmを走行した貸切ツアーバス。運転手のアントニオはポルトガル人。
マドリッドから北西へセゴビア(Segovia)に向け観光を開始する。途中、エル・エスコリアル(El Escorial)修道院に立ち寄る。マドリッドから60kmであるが、一般の観光ルートから外れた世界遺産である。ここは王家の墓所として、貴重な名画や古文書が収蔵されている。


16世紀後半、時代はスペインの黄金期にフェリペ2世がトレドから都をマドリッドに移し、王宮の機能をあわせ持つ修道院として建設した。
エル・エスコリアルを後に、更に55km北上するとセゴビアの市街に入る。15世紀にはカスティーリャ王国の中心地として栄えた街で、今でも旧市街は城壁に囲まれている。世界遺産のローマ水道橋に代表される歴史的建造物が,、昔のまま残されている市街地を進むにつれて、車窓から水道橋の先端部が現れる。

アソゲホ広場(PL. del Azoguejo)でバスを降り、水道橋をくぐって城壁に囲まれた旧市街へと歩く。

古代ローマ時代に、石だけで精巧に高く積み上げた水道橋は、実際に20世紀半ばまで使用されていた。全長は728m、驚くべき建築精度と堅牢性としかいいようがない。



旧市街にあるレストラン「El Cordero」で昼食。ガイドが店を探すのに苦労したほど街の中に溶け込んだ古風な建物。看板も控えめ、入口もそれと思わせない歴史的な造りをしている。

店の内部はクラシックで落ち着きがあり、古都の歴史を醸し出している。

マドリッドより北に位置するセゴビアは標高1000m。4月といっても日中5℃しか気温が上がらない。温暖な地中海性気候と異なり、つぶつぶのにんにくを煮込んだスープは体が芯から温まる。おかわりをして食べたビーフシチューの盛り付けも素朴でいい。

通りの対面にある居酒屋の看板。スペイン語で居酒屋は”食べるな”(TABERNA)というらしい。
旧市街から見た水道橋と街並みの風景。食事が終わり、これから世界遺産の旧市街の中を散策する。

店先には陶器の土産品が華やかに並ぶ。

今まで見かけなかった鶏や羊の飾り物もある。

城壁の街でも一風変わった、くちばしの家。かつて住んでいたユダヤ人が差別に対抗して建てたといわれる防御壁の邸宅。

漆喰の壁飾りはセゴビアの名物。お金持ちの象徴を表している独特の文様は他の地域に類を見ない。

ファン・ブラボ(Juan Bravo)通りを行くと、サン・マルティン(San Martin)教会に出る。


やがて、ゴシック様式としては最も新しいカテドラルに到着する。16世紀に着工され、18世紀に完成した。大聖堂の貴婦人とよばれるように、建物の豪華な装飾が見事である。

大聖堂のあるマヨール(PL. Mayor)広場の建物。

古代ローマ時代の面影を残す城壁を伝って、水道橋の取り入れ口を目指し歩く。


城壁の間から市街に向かって、真っ直ぐ伸びた水道橋上部が見える。

遠く山並みの雲間に、フランス国境のピレネー山脈が白く輝いる。





高いところは29m、アーチの数は167個 ある。

マンホールの蓋にも水道橋の紋章が描かれている。

サン・ミリャン教会の鐘楼の上にコウノトリが巣を作っている。風に乗って悠々と空を飛ぶ姿は日本では見られない。

城壁の北西に位置するアルカーサル。ディズニーの「白雪姫」の城のモデルになったことで有名。11世紀に築城し、15世紀に王宮として改築された。

再びマドリッドに戻る。時刻は16:00を過ぎて、これからプラド美術館に向かう。


「ドン・キホーテ」の原作者セルバンテスの没後300年を記念して作られたスペイン広場。中央に見える塔がセルバンテスの記念碑。

マドリッドを東西に貫く大通りグラン・ビア。有名ブランドのショップやホテルが軒を連ねる。

世界3大絵画館の一つプラド美術館。スペインが誇る2大宮廷画家であるベラスケスの代表作「Las Meninas」とゴヤの代表作「La Maja Desnude」などが数多く展示されている。

現代アートを見るなら3大巨匠の作品が展示されている国立ソフィア王妃芸術センター。20世紀の偉大な足跡を残したピカソ、ダリ、ミロなど多数展示されている。ピカソの代表作「Guernica」以外はフラッシュレスならカメラ撮影もOKだ。

他の美術館と違い、オープンに名画を楽しめる。

ミロの作品はモチーフが極限まで単純化され、カラフルでメッセージ性が強い作品が多い。だれでも描けそうで、ミロにしか描けない単純な構図はスペインの小学生に人気があるとのこと。この作品の名前は「カタツムリ、女、花、星」




ピカソのゲルニカを展示する手前の部屋には、ゲルニカのデッサンを思わせる小作品が数点展示されている。(カメラはここまでOK)






ダリは夢と現実が交錯する衝撃的な独自の世界を確立した。大胆なパフォーマンスと奇抜な作品が注目を浴びた。
18世紀に創建された王家の宮殿。歴代の王たちが暮らした豪華絢爛な王宮はフランスとイタリアの建築様式を融合した建物。今もなお「太陽の沈まぬ国」スペインの栄光の歴史を感じることができる。

王宮の東側にあるオリエンテ広場のフェリペ4世の像。芸術を擁護し、その発展に貢献した国王でベラスケスを宮廷画家として召し抱え、多くの作品を生み出すきっかけを作った。


夕食は洞窟のような天井がユニークなレストラン。さりげない壁の装飾も違和感をまったく感じない。

魚料理はメルルーサに海老を煮付けたさっぱり味の地中海風。

夕食後、スペイン最後の夜はフラメンコショーを堪能する。トレス・ベルメハス(Torres Bermejas)はアルハンブラ宮殿を模した内装とレベルの高いショーで人気の店。ガイドブックの料金ではドリンク付き35ユーロ、一番早い開演時間は21時半となっている。スペインの夜はこれからが長い。


意外と日本人の観光客が多い、開演前のざわめいた雰囲気が何か不思議な期待感を盛り上げている。


情熱的な歌声、繊細な旋律を奏でるギターの音色、そして激しく美しいバイラオーラ(踊り手)の舞。フラメンコにはジプシーたちの熱い魂が詰まっている。ムービー以外のカメラ撮影はOK。