Nature Tour part2<阿寒・摩周>
6月18日(火)
羅臼から知床峠を越えてウトロに戻り、斜里を経由し、国道R391で摩周湖に移動する。

13:30
摩周湖の第3展望台に到着する。展望台は駐車場から歩いて5分ほど登った外輪山の一角にある。天気にも恵まれ、期待していた摩周ブルーの湖面が眼下に広がる。
摩周湖には流れ込む川も、流れ出す川もなく不純物が少ないため、空の青色のみを反射し独特な色合いをつくり出している。透明度は以前より低下してはいるが、それでも水深20~30mで推移している、神秘の湖である。(かつては世界一の透明度を誇っていた)
摩周湖の遊歩道から屈斜路湖方向を望むと、硫黄山の遠方に、雄阿寒岳と雌阿寒岳も確認できる。一帯は火山噴火を盛んに繰り返し、カルデラ地形が大規模に形成されている。
14:00
第1展望台に移動する。有料駐車場は休憩施設も整備されているので、観光客が多く集まる。ここから、大噴火による摩周岳857mの山頂崩壊の姿が良く見える。大噴火よってできた摩周カルデラのくぼみ形状に水が溜まり、摩周湖になった。
14:30
第1展望台を後に、往路を戻り川湯温泉の硫黄山を観光する。周囲一帯は国内最大クラスの屈斜路湖カルデラで、いたるところから温泉が湧き出ている。硫黄の塊が露出する噴出口近くまで近寄ることができる。

この後、屈斜路湖東岸の砂湯とアイヌ民族資料館を見学して宿泊地に向かう。
16:15
屈斜路湖から流れ出す釧路川源流のほとりにたたずむ、ログハウスの宿「アトレーユ」にチェックインする。遊び心たくさんの宿泊は4組限定で、専属のカヌーガイドがいるボートハウスでもある。


人気のミルクタンク風呂はパドルで湯掻きする

じゃがいもソースのパスタ

トラウトの冷製マスタードソース山わさび添え

藻琴産ポークのソテー和風きのこソース
ディナーは北海道の地元食材が楽しめるレシピでいっぱい。2連泊するので余市赤ワイン(ツバァイゲルト)をボトルキープする。先付けのスモーク仕立ての温かいチーズがワインに絶妙にマッチする。

食後に愛犬モグモグがテーブルをあいさつ回り
6月19日(水)
4日目の朝をむかえる。釧路川源流下りのカヌーを予約しておいた。初めて体験するカヌーは、今回のネイチャーツアーの楽しみの一つにしている。
カヌー体験前にアトレーユの裏庭にある釧路川源流を下見する。
アトレーユはカヌーショートコースの終点になっているので、宿泊者にはすごく便利になっている。予約したのはロングコース2hなので、ここを通り過ぎて行く。
8:50
迎えに来たカヌーガイドと一緒に屈斜路湖の出発地点に着く。ライフジャケットと長靴は出発前のアトレーユで貸してもらう。
屈斜路湖を源にする釧路川源流をカヌーでこぎ出す。流れは緩やかで水深は浅く、深みでも3mぐらい、原始の自然環境に守られて透明度が高い。
こぎ出して15分ほどで、鏡の間と呼ばれる入り江の中を静かに進む。水面が周囲の木々を映し出し、鏡のように反射して見える。
鏡の間をゆっくり旋回して源流に戻り、エゾハルゼミの鳴き声を聞きながら、ゆったりとした時の流れに身を任せる。リラックス効果満点のカヌー旅はまだまだ続く。
源流の周囲の木々は、川面に向かって枝を張り出しているので、頭上通過は注意する。
パドルさばきのまねごとをしてみるが、自然の流れにのっているので、推進力をまったく必要としない。熟練のガイドが舵取りしてくれるので、余計なことはしない方がよさそう。
10:50
終点近くのやや急流になる瀬を過ぎると、ゴールの美留和橋を通過し、ロングコースのカヌー旅が終了する。ガイドが用意しておいた車にカヌーを引き上げて、出発地に向かう。
11:20
ガイドと一緒にアトレーユに戻る。ガイドから新たな情報として、この時期にサクラマスの滝登りが見られると聞き、予定を変更して見に行くことにする。
12:30
車で1時間ほどで清里町にある、さくらの滝に到着する。縄張り競争に負けたヤマメが川を下り、海で大きく育ってサクラマスとなり、産卵のために遡上してくる。しかし、2mを越える滝に行く手を阻まれ、必死のジャンプを繰り返すが、成功率はわずか1割にも満たないという。
13:10
さくらの滝を後にして、同じ道道R1115沿いにある、神の子池を見に行く。摩周湖の伏流水が湧き出している、水深5mほど池だが、冷たく澄んでいるため、倒木が腐らず化石のように残っている。
小さな池に摩周ブルーが出現しているところから、神の湖(摩周湖)の子と呼ばれているらしい。
16:00
弟子屈に戻り、道の駅・摩周温泉でエゾシカバーガーの昼食をとり、美幌峠まで足を延ばす。巨大カルデラの屈斜路湖を一望できる名勝地を見ておきたい。
外輪山の頂にある展望台から、斜里岳や摩周岳も眺望できる絶景がすばらしい。
17:00
美幌峠を最後に、宿泊地のアトレーユに戻る。

19:00
2泊目のディナーが始まる。自家製のスモークチーズをつまみに、ボトルキープしたワインで乾杯する。北海道産にこだわる料理はほんとうにおいしい。いうまでもなく、旅の楽しみは食にある。

トマトクリームパスタ

積丹産ホッケのポワレ・ガーリックソース

知床鶏の香草焼き
6月20日(木)
5日目最終日の朝食は洋食でなく、大皿に盛り付けた和食が提供される。朝からこだわりの品揃えがすごい。

8:20
チェックアウト後、国道R243→241で阿寒湖に向かって出発する。
9:20
1時間ほどで阿寒湖の遊覧船乗場に着く。観光案内所で紹介された、幸運の森桟橋で10時の出航を待つ。阿寒湖を一周するコースは、マリモ見学がセットになって、所要時間85分の観光となる。
湖面から望む、雄阿寒岳1371mを見ながら、景勝地滝口に向かって進路をとっている。
遊覧船が一隻入れるほどの入り組んだ地形のところにある水門が滝口と呼ばれている。滝があるわけではないが、ここから阿寒湖の水が流れ出ている。
滝口で折返し、マリモが見られる奥地へと進む。湖面に迫る原生林は、秋の紅葉も様々な彩りが楽しめそうだ。
滝口を抜けると、進行方向左手に活火山・雌阿寒岳1499mの荒々しい山容が見えてくる。
阿寒湖の小島・チュウルイ島に接岸し、マリモ展示観察センターを見学する。
天然記念物・マリモが展示されている。大きいものでは直径30cmを越えるものもあり、展示期間が終われば、近くの生息地に戻される。ここが唯一観察できるところになっている。
チュウルイ島から見る雄阿寒岳は、まったく別の山のよう姿をしている。マリモ観察の後、遊覧船は出発した桟橋へと戻り、絶景を巡る船旅が終わる。
11:30
遊覧船乗場近くにある阿寒湖アイヌコタンを見学する。村の守り神シマフクロウのゲートをくぐり入場する。内部はアイヌ民族の文化を今に伝える仕掛けに満たされている。
集落の生活様式などを見て回る。木彫りのモニュメントが象徴するように、木工製品が土産物屋のメインに数多く並ぶ。
12:50
阿寒湖から20kmほど離れたところに位置する、オンネトー展望デッキに移動する。ここから雌阿寒岳1499mと阿寒富士1476mの両山が展望できる。オンネトーは北海道の三大秘湖の一つと呼ばれている。
オンネトー展望デッキから北登山口を15分ほど登る。用心のためクマスズを装着しておく。
展望台からオンネトーを眼下に、雌阿寒岳と阿寒富士を眺めることができる。
14:30
フライトまで時間があるので、阿寒湖に戻りエコミュージアムセンターに立寄る。森のこみちを案内図に従って歩くと、阿寒湖畔にボッケと呼ばれる泥火山を見ることができる。
エコミュージアムセンターでは国立公園の自然を紹介する展示物が陳列されている。特に船を彫る神クマゲラや水槽を泳ぐイトウなど、北海道は原始の自然と固有の動植物が残されていると感じる。

15:15
全ての日程が終わり、女満別空港に向かう。
16:30
空港近くのニッポンレンタカーに立寄り車を返却する。走行距離669m、ガソリン使用量32Lだった。渋滞がないので燃費がいい。

空港内のレストランで早めの夕食をとる。注文の生ホタテ塩ラーメンでネイチャーツアーを締め括る。

19:10
ADO 080は出発時刻が20分ほど遅れてテイクオフしたが、無事深夜に帰宅する。
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