浅草三社祭

東京の初夏の風物詩、浅草神社の三社祭は最終日(5月20日)を迎え、本社神輿(みこし)3基(一之宮、二之宮、三之宮)が神社から街に繰り出す勇壮な「宮出し」があった。昨年は東日本大震災の影響で中止され、2年ぶりの開催となったが、東京スカイツリーの開業(5月22日)を間近に控え、下町の空に「オイサ」「ソイヤ」の威勢のいい掛け声が響いた。

地下鉄銀座線浅草駅の改札を仲見世方面の出口に向かう。地上口付近から、いきなり町神輿のエネルギッシュな掛け声が響き渡る。かんのん通りのアーケードの中は担ぎ手の熱気とそれを取り巻く観客の声援が入雑じりハイテンションな世界が待っていた。
かんのん通り人波の中を町神輿がすれ違う。一触即発の緊張感が漂う通りを悠然と神輿の集団が過ぎて行く。まさに、これが三社祭の醍醐味ではなかろうか。
アーケードの中をいくつもの町神輿が連なり、その間は人ひとで埋め尽くされている。流れに逆らわずに前に進んでいるというより、押し出されているような感覚に陥る。
アーケードを抜けると浅草東の祭囃子と町神輿のコラボレーションが始まり、祭りは最高潮となる。町神輿は44町内で約100基に及ぶというから規模の大きさで日本一ではなかろうか。とにかく浅草の町中が神輿の斎行で埋め尽くされている感じだ。
伝法院通りに出たところで仲見世方面に向かう。東京スカイツリーが見える界隈を威勢の良い町神輿が通り過ぎて行く。
浅草寺の五重塔と東京スカイツリーのツーショット。浅草の江戸町文化と最新技術の結晶が見事に調和している。
さらに足を延ばし浅草3丁目付近までやってきた。町内ごとに神輿を繰り出しているので、どこを歩いても町神輿に遭遇する。
浅草6丁目方面に向かい馬道通りに出る。広い通りを交通規制して、悠々と町神輿が通り過ぎる。担ぎ手も見物客も一体になって熱気の渦にはまっている。
ふと足元を見ると、激闘の落し物がいたるところに散乱していた。
東京スカイツリーを正面に見る言問橋に出てみる。ここから隅田川沿いに公園の中を散策する。開業を二日後に控え、祭りの人出も最高に盛り上がりを見せている。
ビール会社のミラーガラスに映った東京スカイツリーの勇姿。
吾妻橋から見た風景に東京スカイツリーが加わり、新たな名所誕生。
改装が終わった東武浅草駅のターミナル。クラシック色合いが下町文化とよく調和している。
ここから本社神輿を見るために雷門通りに出てみる。雷門の向かい側にある観光案内所の大画面にはGPSを利用した、本社神輿の現在地がリアルタイムに表示されている。いちばん近くにいる三之宮神輿を追いかけに向かう。
浅草通りの路地裏から現れた三之宮神輿。町神輿より大型の神輿が狭い界隈の中を勇壮に進んで行く。
銀座線田原町駅付近の広い通りに出た三之宮神輿の堂々たる全貌。早朝6時に宮出しした本社神輿は、20時頃にかけて順次宮入りして祭りを締めくくる。

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