東北さくらシリーズ Ⅵ
4月11日 福島の春を訪ねて、さくら旅に出る。東北さくらの旅シリーズは4年ぶりの復活。今年は東京の桜満開が3月24日で例年より10日早い。いつもなら4月中旬過ぎが見ごろの、三春の滝桜がすでに満開になっている。平日ということもあって道路が渋滞することもなく駐車場に入る。9年前は渋滞と駐車場に苦労したが、道路の一方通行化と大駐車場が整備され、すっかり観光地対応になっている。
しばらく続いた初夏の陽気が一転し、北の寒気が入って春先の寒さが戻った滝桜を後に、福島市内に向かう。
目指すは福島を代表する桜の名所・花見山。近隣には駐車場がなく、河川敷にある臨時駐車場からシャトルバスに乗る。バスを降りてから花見山まで花木畑の風景を楽しみながら歩く。意外とアプローチが長い(片道約15分)。残念ながら桜の見ごろが終わっているが、ハナモモや、比較的開花期間が長いレンギョウ、ボケ、菜の花などが山の彩を染めている。
花見山公園の入り口から見学コースは30分、45分、60分と3コースがある。最長のコースを選択して桃源郷の散策を開始する。小高い山全体が花木で埋め尽くされている。桜だけでなく四季を通して楽しめる工夫が施された山道を歩く。この辺りは花木生産農家の集落があり、山道からも周囲の景色が見渡せる。
山頂に近づくにつれて福島市内や吾妻連峰が一望できるようになる。一週間前に来ていたら桜の彩を加えて最高の展望になったと想像する。
この後、時間的に余裕があるので飯坂温泉の西に位置する、花ももの里まで足を延ばしてみる。
花ももの里は舘ノ山公園より山麓を少し登った大鳥城址の手前の台地に広がる。世界中から集めた40品種が80アールの敷地に約300本植栽されている。
ハナモモが咲き誇るこの場所はまさしく桃源郷となっている。
山城の大鳥城の歴史は古く、源義経の時代(1180年頃)までさかのぼる。大手前から展望台まで散策した後、今日の宿泊地高湯温泉を目指す。
高湯温泉の吾妻屋は日本秘湯の会の宿。源泉かけ流しで様々な露天風呂が楽しめる。食事は個室で季節の懐石料理が出てくる。宿泊料の割に美味しくボリュームのある食事に満足する。家族経営らしく従業員はていねいで親切な応対がありがたい。
ロビーには幕末から明治、大正ごろ活躍した新政府要人や文化人の掛け軸や色紙などが飾られている。特に戊辰戦争の時、伊藤博文や勝海舟などそうそうたる有名人が静養に訪れたらしい。
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