常陸国さくらの旅(春)
4月9日(木)
すでに、ソメイヨシノの満開時期が過ぎていても、ここ県北の日立地方は今が桜の満開時期を迎えている。常磐道日立中央ICを降りて近距離の「かみね公園」に到着する。公園は神峰山(598m)の裾野に広がる丘陵地帯を動物園や遊園地などを併設した総合公園になっている。
ソメイヨシノとほぼ同時期に咲くジンダイアケボノが随所に植えられている。花色がやや赤みを帯びているが、ソメイヨシノとはっきりとした識別はつかない。特徴は桜の天敵「テングス病」に強い品種ということだ。
展望台から太平洋と日立市内の街並みが一望できる。かみね公園は日立市民の花と緑の憩いの場となっている。なんと日本のさくら名所100選にも選ばれている。日立市は、ほかに駅前の平和通りさくら並木も同様に名所100選に選ばれる「桜のまち」だった。
山側は、手前の羽黒山の尾根伝いに神峰山を望むことができる。日立はかつて鉱山の町として、精錬所の排煙による公害問題があり、山中に大煙突が造られた。今は3分の2ほどが崩れ落ちているが、日立の歴史を語るシンボルとして保存されている。荒廃した山々の自然回復のため、煙害に強い品種として大島桜(白い花)が数多く植林され、桜のまち日立の原点になっている。

大島桜の彼方に大煙突を望む
ホームページによると、公園内には約1000本、25種の桜があり、春は海を見渡す桜尽くしの公園になっている。
公園内の花壇には見ごろを迎えた春の草花が彩を添えている。
公園のベンチで持参したコーヒーを淹れていると、足元からライオンらしい鳴き声が聞こえる。思わず麓の動物園を覗き込むと、キリンが屋外に出ている姿が見える。
かみね公園を出発して、近くのコンビニで昼の軽食をすませ、奥久慈方面へ約1時間ほど山間をドライブする。
Googleナビ(カーナビでは探すのが難しいローカルエリア)頼りでたどり着いた、大子町の外大野のしだれ桜(茨城県指定天然記念物)は見ごろとなっている。
駐車場から歩いて数分の小高い山腹にひと際大きな株のしだれ桜が現れる。株の保存のため手前の空き地に二世のしだれ桜が植樹されている。親株は近づくことができないので、ここでまずじっくりと花を観察する。
三春の滝桜には及ばなくても、なかなか立派な立ち姿をしている。
一軒の茶屋が開店している。煙突から上がる白い煙が、日本の原風景を見ているようで懐かしい。土産に地元の自然素材たっぷりの草もちと大福もちを購入する。
樹齢300年のしだれ桜の周囲を巡る遊歩道を一周してみる。
よく手入れが行き届いた美しい樹形をしている。周囲の景観に映えて、堂々とした木立だ。
桜まつりに合わせて造られたのか、稲わらの休憩所らしきものに注目が集まる。
桜見物を終えて、本日宿泊地の日立大宮市に向かう。
奥久慈の里山にある一軒宿の天然温泉「湯の澤鉱泉」に到着する。茨城県にある唯一の日本秘湯を守る会の宿で、自然豊かな広大な敷地の山間に、こんこんと湧き出る秘湯を楽しみにやってきた。
日頃の暮らしを忘れてしまうほど、ノスタルジックな時間をゆっくり過ごせそうな、魅力的な秘湯がこんな近場にあったとは驚きである。開放感あふれる岩風呂と檜風呂があり、男女入れ替わりで利用できる。
湯あがりに、地産地消の里山料理に舌鼓、特別注文の奥久慈しゃもの鍋料理で大満腹になる。
復路は、那珂湊の魚市場に立ち寄り、新鮮な食材を仕入れて帰宅する。近海ものの生マグロの切り身が、市価の半分以下で購入できた。
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