甲州路さくらの旅(春)
4月8日(火)
満開の桜に晴天が期待される甲州に、早朝から日帰りドライブに出かける。
4時前に圏央道に入り、八王子JCTから中央道を経由し談合坂SAで朝食と時間調整の休憩をとる。目指す北杜市実相寺は須玉ICを降りてから20分ほどで到着する。境内の拝観時間まで周囲を探索してみる。山里の春は、残雪の甲斐駒ヶ岳が圧倒的に美しく映えている。
駐車場近くから境内を見渡すことができ、目当ての山高神代桜は裏手からも見ることができる。樹齢2000年とも言われているエドヒガン桜の古木で、日本三大桜の一つとされている。他の二つは福島の三春滝桜と、岐阜の根尾谷淡墨(うすずみ)桜となっている。いずれも樹齢1000年を越える巨木であり、品種は全てエドヒガン系である。
境内の拝観開始時間が近づき、山門に向かうと既に見物待ちの行列ができ始めている。

8:30 拝観料500円を払い、山門をくぐり満開の桜で彩られた境内に入る。
広い境内は、鳳凰三山を背景に、満開の桜と花いっぱいのスイセンが、美しいコントラストで咲き誇っている。
三門から歩いた前方に、身延山久遠寺しだれ桜の子桜が四方に大きな枝を伸ばし構えている。
日本三大桜の根尾谷淡墨桜(岐阜)の子桜も満開をむかえている。更に三春滝桜(福島)の子桜も移植されいるので、三大桜を一度に見たことになる。
実相寺は日蓮宗の総本山身延山久遠寺の直末の寺院になっている。
正面から見る神代桜、大正11年には国の天然記念物に指定されている。当時は高さ14m程の巨木で、枝張り東西27m、南北31mもあり、幹回りは11mもあったが、幾度となく自然災害にあい、最盛期の大きさに比べると小さくなっているが、力強い枝を周囲に伸ばしている姿は圧巻である。
「生」と「死」の両方を感じさせてくれる神代桜は神秘的な輝きを放っている。悠久の時を生きてきた桜が、後世に少しでも永く残ることを願うばかりである。
神代桜の空間から鳳凰三山が覗く。
 ←主峰観音岳と左奥に薬師岳
 ↓地蔵岳(かすかに見えるオベリスク)

境内の鐘楼と春の草花

見事な樹形のしだれ桜は身延山久遠寺の子桜であるが、立派な巨木に成長しているのがわかる。
【神代桜の宇宙桜】
神代桜の種子が全118粒採取され、スペースシャトルで宇宙空間を旅し、若田さんによって持ち帰られた種のうち2粒が発芽し、そのうちの1本が植えられたもの。
境内の山門付近に戻って、鳳凰三山をアップで撮影する。
境内を出てから外壁越しに、甲斐駒ヶ岳と桜の構図が美しく決まるビューポイントがあった。
実相寺を出発して5分ほどで、眞原(さねはら)桜並木まで来てみたが、ここの桜は咲き始めで閑散としている。諦めて、真正面に迫る甲斐駒ヶ岳の写真を撮り、次の予定地に向かう。
10:30 車で15分ほどで南アルプスの名水の里、サントリー白州蒸留所に着く。30数年前に家族で訪れ、立寄りで見学したことがあるが、今は予約なしでは入場できない。
ビジターセンターで予約時間に来場受付を済ませ、バードブリッジを渡り、野鳥の森を散策しながら、ウイスキー博物館にたどり着き、入館して見学する。

シングルモルトウイスキー「白州」の歩みや、蒸留所とその環境について、様々な展示物で紹介されている。
最上階の展望台から八ヶ岳連峰が見渡せる。博物館見学の後、セントラルハウスに向かう。ここでは、希少なウイスキーの有料テイスティングができるが、パスして土産品コーナーに立寄る。目当てのウイスキー「白州」は入荷があれば購入できるらしいが、幸運にも在庫有。1人1本限定だが早速購入し、桜旅の土産とした。
11:40 サントリー白州蒸留所を後に、道の駅「はくしゅう」で昼食にする。地元の季節野菜をたっぷり盛り付けた天丼を注文する。ふきのとうなど山里ならではのボリュームのある一品である。
14:10 国道20号で甲府市内を抜けて、武田信玄の菩提寺「恵林寺」まで足を延ばす。黒門前の駐車場に車を停めて参道を歩く。

赤門(四脚門)、参道の中ほどでひときわ目に付く赤い門は、国重要文化財に指定されている。織田信長によって焼き討ちされた後、徳川家康によって再建された。

三門を通り抜けると、左手に三重塔が見える。

そして、正面に開山堂がある。恵林寺の再興を成し遂げた、国師と和尚の三像が安置されている。
通用門をくぐり抜け、恵林寺本堂の入口で受付を済ませて拝観する。
拝観路はうぐいす廊下や冥歩禅(暗闇の迷路)へと進み、庭園にたどり着く。
本堂の裏にある池泉回遊式の築庭は、国指定名勝庭園となっている。夢窓国師の手になる庭園で、他に京都の苔寺や天龍寺など数々の名園を手がけている。
15:00 恵林寺を出発し、勝沼ICから中央道に入り、圏央道を経由して、17:30無事帰宅する。総走行距離524kmの日帰り桜旅を終える。
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