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10月1日(日) 東京8:30発のぞみ17号で京都着10:48。京都11:03発都路ライナーで奈良着11:48。新幹線からJR大和路線を乗り継ぎ、昼前にJR奈良駅に到着。東口の旧奈良駅前を横切り、三条通を徒歩5分で宿泊のホテルフジタ奈良(2連泊で予約)に着く。手荷物をホテルに預け、早速奈良探索を開始する。 |
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三条通は興福寺に続く繁華街。古都らしくコンビニ(LAWSON)はクラシカルな造り。観光客には気になる存在だ。 |
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まずは腹ごしらえ、地野菜たっぷりのイタリアレストラン「TRATTORIA piano」に入る。ランチメニューでパスタとピッツァがうまい。さすが国際観光都市だ。 |
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最初に訪れるのは世界遺産・興福寺。猿沢池から五重塔を望む。今回の旅のお目当てに、仮講堂に安置されている阿修羅像の拝観がある。現在、耐震工事で休館中の国宝館の仏像群が一堂に特別展示されている。阿弥陀如来像をはじめ、すべてが国宝の群像で天平文化の空間を構成している。 |
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高さ約50mの国宝五重塔。建築様式は深い軒と複雑な木組みが特徴。奈良時代に創建後、5回の焼失と再建を繰り返し、現在のものは室町時代の再建。 |
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重要文化財南円堂。江戸時代の再建で、日本最大の木造八角堂。尚、国宝・北円堂(運慶作の無薯・世親菩薩立像を安置)は今回開帳されてない。
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国宝東金堂。室町時代の再建で現在6代目。堂内には本尊の薬師如来坐像のほか18体もの国宝仏を安置する。
尚、興福寺の中心となる中金堂は江戸時代に焼失後、復興はなされなかったが、現在再建工事中。2018年落慶予定。 |
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興福寺から春日大社まで足を延ばす。移動に循環バスを利用するつもりが、歩いて一之鳥居までやって来た。ここから本社までは1.1kmの標識がある。鳥居をくぐると長い表参道が続く。

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参道には奉納された石灯篭がズラリ並ぶ。その数約2000基、古来より有名、無名の人々が寄進したもの。皇室から庶民まで広く信仰されてきた証だ。
長い参道が終わって、世界遺産・春日大社の本社に到着する。 |
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全国に約3000社ある春日神社の総本社。平城京遷都の際、常陸国の鹿島神宮に請願して都の守り神としたのが始まり。以来創建1250年になり、現在まで20年ごとに式年造替を繰り返している。境内は絶えず新たな神気が漂う。 |
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美しい朱塗りの回廊を案内表示に従って進む。回廊には約1000基の釣灯篭があり、史上の有名人が寄進したものが多い。参拝後、二之鳥居まで戻り、国宝殿がある道を辿りながら東大寺方面に歩く。世界遺産の石碑は人盛りで撮れず、代わりに鹿の噴水を撮る。 |
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約1km公園内を歩いて東大寺南門まで来た。お目当ては他にあるが、とりあえず山門をくぐり、遠くに大仏殿を見て左折する。(大仏殿は前回拝殿済み)
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やって来たのは名勝・依水園(いすいえん)。東大寺と興福寺の間に位置し、丹精に造られた日本庭園だ。江戸時代に造園された前園と明治にできた後園で構成されている。一般の観光客が団体で訪れることもなく、奈良の自然な景観を取り入れた設計(借景)が見事。 |
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ここは静寂の別世界。若草山や春日奥山に東大寺南門の屋根を借景し、庭園の草木とともに池に映している。 |
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以上、奈良公園の広大な境内を縦横に歩き回り1日目の散策を終え宿泊ホテルに戻る。 |
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10月2日(月) 二日目は近鉄奈良駅に行き、奈良交通バス案内所で法隆寺方面行のフリー乗車券を購入する。路線バス利用で乗り降り自由なお得パスだ。約20分乗車し、最初に下車したのは世界遺産・唐招提寺。 |
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唐の高僧・鑑真和上が759年に創建した天平建築。大火などに見舞われることなく、奈良時代の建物が4棟も現存する。鑑真没後に弟子たちが建立した金堂。堂内に並ぶ本尊の廬舎那仏坐像、千手観音立像、薬師如来立像の3体は国宝指定。 |
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奈良時代の宮殿建築唯一の国宝講堂。 |
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境内の静寂な場所にある鑑真和上御廟。緑に包まれた土檀上に、宝篋印塔が立つ。奈良時代の高僧の墓所が明らかなのは非常に珍しい。 |
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唐招提寺から飛鳥の路を歩き、世界遺産・薬師寺に着く。 |
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薬師寺北側にある興楽門(閉鎖中)を左方に進むと拝観受付がある。(通常は駐車場がある南門が拝観ルートになっている)
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今年完成した食堂(じきどう)。創建当初の建物は天平2年(730年)に建てられ、その後焼失、再建を繰り返し、現代技術を駆使して広い空間を確保した現在の新しい食堂となる。堂内には、お目当ての田淵俊夫画伯による壁画「仏教伝来の道と薬師寺」が約50mにわたって奉納されている。 |
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次に順路を戻り、一旦北受付を出て隣接する玄奘三蔵院伽藍に行く。理由は平山郁夫画伯の「大唐西域壁画」が奉納され、公開期間になっていることを知ったからだ。中国とインドを結ぶ玄奘三蔵法師の旅が大壁画に描かれている。 |
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再び薬師寺に戻り、金堂、大講堂、西塔を一堂に拝観する。
←伽藍復興のトップを切って、1976年に完成した金堂。龍宮造りといわれる壮麗な建物。国宝薬師三尊像(薬師如来坐像、日光菩薩立像、月光菩薩立像)が安置されている。 |
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1981年に復興された西塔。国宝の東塔は現在解体修理中。 |
2003年に復興した大講堂。薬師寺最大の建物で、本尊弥勒三尊像などを安置。 |
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白鳳期の美仏と鮮やかな伽藍を拝観した後、南門から出て駐車場に向かい、法隆寺行の路線バスを待つ。乗車時間約50分で聖徳太子のゆかりの里、斑鳩(いかるが)に着く。
法隆寺の門前にある食堂で昼食をとる。地元食材の筍がおすすめメニュー。 |

ミニうどんが付く若竹丼 |

若竹うどん |
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法隆寺の境内はともかく広い。全部見るのには体力がいる。玄関にあたる南大門から順路に従って拝観。法隆寺は世界最古の木造建築が並ぶ。聖徳太子と推古天皇が7世紀初めに創建。670年の火災で伽藍を焼失するが、ほどなく再建、その後大きな災厄もなく、飛鳥文化の傑作が現存する。1993年に日本の寺で初めて世界遺産に登録される。 |
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国宝五重塔。7世紀後半の建築で、金堂と並び日本最古の木造建築。高さは約34mで、安定感のあるたたずまい。 |
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飛鳥様式を伝える国宝金堂。堂内には本尊の国宝釈迦三尊、国宝薬師如来坐像、国宝四天王立像などを安置する。(雨が強くなり先を急ぐ) |
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大講堂。925年に落雷で焼失後、990年に再建された。
広い境内は西院伽藍(五重塔、金堂、大講堂)と東院伽藍(夢殿など)に分かれる。 |
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西院伽藍を出て大宝蔵院百済観音堂へと進む。国宝百済観音立像を中心に飛鳥時代からの宝物類を多数安置している。本物の玉虫厨子も拝観する。 |
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大宝蔵院百済観音堂の宝物を拝観した後、最後に東大門を抜けて東院伽藍まで足を延ばす。国宝夢殿を見るためだ。優美な八角円堂には本尊の国宝救世観音立像などが安置されているが、非公開期間のため拝観できず。ここで本数の少ない奈良行路線バスの時間となり、帰路に着く。 |
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10月3日(火) 最終日、ホテルをチェックアウトして手荷物をフロントに預け、近鉄奈良駅から大和西王寺まで電車移動し、世界遺産・平城宮跡を見学する。大和西王寺駅から路線バスで平城京跡で下車。平城宮跡に第一次大極殿が復元されている。 |
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710年、飛鳥に近い藤原京から奈良盆地の北端につくられた平城京に都が遷り、政治の中心となる平城宮が造られる。唐の長安をモデルにして設計された平城京は、東西約6km、南北約5kmの巨大都市国家となった。復元された平城宮跡は東西1.3km、南北1kmと広大。彼方には復元された朱雀門が見える。 |
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ボランティアの案内で第一次大極殿を見学する。(平城宮中枢部は奈良時代の前期と後期で変遷され、後期の第二次大極殿跡はまだ復元されていない)
大極殿とは古代の宮都における中心施設。天皇の即位など国家儀式の際に天皇が出御する場所。遺構の検出状況から建物の造りを推測し、法隆寺金堂や薬師寺東塔など参考に復元された。 |
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天井桁の間に格子状に組んだ木材を載せた組入天井という形式。 |
天王が着座する玉座。各種文献を参考に実物大のイメージ模型。 |
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大棟屋根の両端に据えられた鴟尾(しび) |
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大棟屋根の中央飾り |
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大極殿見学の後、平城宮跡資料館を見て路線バスで奈良市内に戻る。最後の世界遺産散策は「ならまち」の一角にある元興寺(がんごうじ)。 |
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昔ながらの町家が並ぶ「ならまち」を地図をたよりに歩き、元興寺に着く。前身は、蘇我馬子が飛鳥に建立した日本初の寺院・飛鳥寺。平城京遷都にともない、718年現在地に移り、元興寺と改めた。国宝極楽堂の屋根には、飛鳥から運ばれた日本最古の瓦が今も葺かれている。 |
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色づき始めた秋の気配を感じながらホテルに戻り、手荷物を受け取ってJR奈良駅に向かう。13:23発都路ライナーで京都に、14:12発のぞみ130号で東京品川着16:46。品川発常磐線で無事帰宅する。2泊3日の旅で奈良の世界遺産7ヵ所巡りが終わる。
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