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10月26日
東北の秘湯を巡る旅に出る。初日は今年7月にオープンした仙台の「うみの杜水族館」に立ち寄る。東日本大震災で廃館となった松島の水族館を移設したものだが、イルカショウなど八景島のシーパラダイスが運営主体となっている。特徴的なのはゲートを入ってすぐの「ホヤの杜」の水槽。下から見上げると昆布が天を突くように伸びている。 |
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10月27日
前日は仙台市内に宿泊し、朝食後東北道を八幡平に向かって出発する。早めにの昼食を岩手山SAでとって松尾八幡平ICを降り、八幡平を縦貫する山岳道路アスピーテラインに入った。 |
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13:00 八幡平山頂レストハウスの駐車場に入りトレッキングに出発する。11月4日で冬季閉鎖されるアスピーテラインはオフシーズンが近づき人出も疎らだが、自然探索を楽しむには絶好のチャンスと言える。
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レストハウスがある峠道は、岩手県と秋田県の県境になっている。ここから見晴らす岩手山は絶好のビューポイントだ。 |
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13:03 歩き出して間もなく、八幡平頂上と源太森方面の標識がある。周囲には初雪のなごりが見られ、初冬の雰囲気が漂う。 |
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舗装された階段の道を上り詰めて行くと、岩手山の展望が更に開けてくる。背後には早池峰山の山並みも見渡せる。 |
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13:18 高層湿原地帯にある八幡沼が眼下に見えてくる。 |
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13:27 展望のよい歩道をのんびりやってきたが30分足らずで八幡平頂上(1613m)に到着した。日本百名山の中でも駐車場から最も短時間で登れる山ではないだろうか。 |
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八幡沼に戻り、周回コースを一周することにした。高山植物の開花時期は既に終わっているが、出会う人も殆どなく湿原の木道を独占して歩く。 |
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八幡平は高地にある豪雪地。地形がゆるやかで、残雪も豊富なことから沼や湿原が多いのが特徴。泥炭層にできた池塘(ちとう)は日中でも凍り付いたままだ。 |
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14:20 レストハウスの駐車場に戻る。1時間20分のショートトレッキングを楽しんだ後は、今日の宿泊地「乳頭温泉」に向かう。 |
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アスピーテラインの下り途中で秘湯の宿「ふけの湯温泉」や後生掛温泉を通過する。この辺りの山岳地帯は名立たる温泉の宝庫といっていい。 |
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アスピーテラインを下り終わると、国道341号の分岐に出る。左折してブナの原生林が美しい山岳道路を玉川沿いに走り、田沢湖高原から乳頭温泉に入る。 |
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16:00 乳頭温泉 鶴の湯別館山の宿に到着する。小休憩後、夕刻が迫る鶴の湯本館の秘湯を楽しむ。本館はさらに山奥に車で5分ほど入ったところにある一軒宿だ。秘湯人気NO1の風情が漂う混浴の露天風呂に入ってみたが、白濁した温泉につかると下界の煩わしさを忘れてノスタルジックな気分になる。 |
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鶴の湯から別館に戻り、夕食の時間を待つ。大正時代にタイムスリップしたようなレトロな雰囲気が旅の疲れを癒してくれる。 |

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18:30 囲炉裏のある個室で夕食が始まる。既に焼き上がったイワナの串焼きが用意され、地元産食材を使った料理が運ばれてくる。白神のブナ酵母からつくられた秘湯地ビールでまずは乾杯!にごり酒賢人も樽で運ばれてきた。 |
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山菜と八幡平ポークの囲炉裏炭火焼に舌鼓を打つ。食べ終わるころ名物「山の芋鍋」が運ばれてきた。贅沢三昧の時間がゆっくりと過ぎて行く。
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10月28日
比内地鶏の生卵が付く朝食。鮎のひものを焼きながら、温まった味噌汁をすする、まさに至極の時と言える。
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朝方まで降っていた雨があがり晴れ間が出てきた。天気が急速に回復してくる。 |
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9:10 乳頭温泉を出発して田沢湖高原を下り、国道46号で角館に向かう。 |
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10:00 角館の駐車場に入り、武家屋敷の紅葉を見に散策する。春の桜の時期に2度訪れたが、秋は初めての旅となる。春に枝垂れ桜が美しい武家屋敷の通りだが、秋は主役が交代しカエデやモミジの紅葉一色に染まっている。 |
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今年は例年より紅葉が遅れているのが幸いし、この時期でもこれから最盛期を迎えるようだ。 |
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昨夜の雨で道路に落ちた落ち葉が朝日で輝いている。様々な紅葉の色彩の変化が武家屋敷の黒い板塀に美しく映えている。 |
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すっかり落葉してしまった枝垂れ桜の枝が透けて、武家屋敷内の紅葉を引き立てている。 |
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微妙に変化する紅葉のグラディエーションに目を奪われる。見事の一言である。 |
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一通り散策を楽しんだ後、いつもの喫茶店でコーヒーブレイクする。骨董品を販売している店の一角に喫茶ルームを併設している。 |
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コーヒーブレイクした後、桧木内川堤のソメイヨシノを見に行ったが、桜の紅葉は始まったばかりだ。春とはだいぶ趣が違うが、みちのくの秋は彩りが豊かだ。 |
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紅葉を満喫した後、角館を離れ大曲、横手、湯沢と南下しお目当ての川連漆器工芸館に向かう。800年の歴史がある漆器を購入後、今日宿泊する大湯温泉まで一走りする。 |
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15:40 奥小安峡大湯温泉阿部旅館に到着。
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国有林の中にある一軒宿だが、旅館の周囲の山肌からは水蒸気が絶えず噴き出している。地熱効果でこの季節でもコウロギが鳴いている。何とも不思議な自然環境に驚く。 |
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ひと風呂前に旅館周囲の散策路を歩いてみた。谷間にあたった夕日に輝く紅葉が、足元から噴き出す温泉の水蒸気にかすむ。 |
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明日は栗駒山に登山する計画のため、夕食後早めの就寝につく。 |
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10月29日
早朝目を覚ますと雨模様の天気となった。気温も下がっているため登山を断念し、朝食前に天然温泉の露天風呂に入ることにした。渓流まで屋根付きの渡り廊下を降り露天風呂に行く。入口で男湯と女湯に分かれる。最初は内風呂で温まり、屋外の露天風呂に入る。更に奥にもう一つの露天風呂がある。付近には高温98度の源泉噴き出し口があり、立入禁止の区域がある。夏場は渓流が天然川風呂になるそうだ。 |
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内湯 |

最初の露天 |
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一段降りたところに次の露天 |

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秘湯を堪能した後、渡り廊下を上がる途中から見た旅館と山間の光景。四季折々に旅情を高めてくれる自然の恵みを感じる。 |
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朝食後、大湯温泉を出発し国道398号から国道342号に入り、栗駒山の登山口にある須川高原温泉に立ち寄る。大湯温泉からは30分ほどの山道だ。ここも日本秘湯を守る会の温泉宿だが悪天候のため人影は疎らだ。気温は3℃まで下がり、たぶん見えない山頂は降雪になっているようだ。それにしても滝のように流れだす温泉の量は見事である。 |
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隣にある栗駒山荘の屋根の上に虹が架かる。暗雲が立ち込め冬の訪れがまじかに迫っているようだ。 |
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須川高原温泉を後に、一関ICを目指して下山を開始する。途中に銘泉百選の須川岳銘水「ぶなの恵み」に立ち寄る。
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11月3日に道路が冬季閉鎖されるという老夫婦が麓から軽トラで大量の水汲み来ていた。銘水を汲み置き冬支度をしているようだ。 |
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栗駒山(別名須川岳)の峡谷を縫うように走る国道342号の紅葉は見ごろの終盤となっている。 |
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山深い峡谷にも虹が架かかり彩りを添えている。峠を越えて岩手県側に出ると次第に天気が回復してきた。 |
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峠を下ってくると、2008年6月に起きた岩手・宮城内陸地震(マグニチュード7.2)で岩盤すべりが発生し、崩落したマツルベ大橋(左下)が被災当時のまま残されている。現在は復興で架け替えられた新しい大橋(右下)になっている。 |
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みちのくの紅葉に別れを告げ一路帰途につく。
東北道一関ICから冨谷JCTで仙台北部道路を経由して常磐道を走る。相馬SAで昼食を済ませ夕刻無事帰宅する。今回、秘湯スタンプラリーのカードを入手したので次回秘湯旅が楽しみだ。3年以内に10個集まると好きな宿に一泊無料で泊まることができる。
頑張らないと!
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