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2011年3月11日の東日本大震災から4ヶ月が経ち、今なお破壊の爪痕が生々しく残る東北は試練の時が続いている。
この夏、東北6県を代表する祭りが仙台の地に集結し、東北魂をもう一度奮立たせようと復興の狼煙が上がった。

7月16日、17日の2日間、定禅寺通りで開催。
青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、仙台七夕まつり、福島わらじまつり。
東北人の不屈の魂を示す6つの祭りが、長い歴史の中で初めてひとつになる。
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初日の祭り会場は想定をはるかに超える人出となり、溢れ出した見物客のため青森ねぶたや、秋田竿灯が安全上の理由で中止となるニュースを聞く。
どこもホテルは満室で2日目にやっと空き室を見つけ予約できたが、ホテルの駐車場は予約できない。早朝3時に自宅を出発し、7時に仙台到着。自力で会場周辺の駐車場を確保した。
パレードが始まる12時まで、かなり余裕ができた。暇つぶしにしばらく会場内を散策してみる。

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定禅寺通りのグリーンベルトに飾られた七夕まつりも疎らな人出でまだ閑散としている。 |
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連日猛暑の中での開催となったが、ケヤキ並木の木漏れ日は暑さを凌ぐのに最高の環境だ。しかし、交差点では容赦なく真夏の太陽が降り注ぐ。前日のトラブルで祭りの進行は北側道路一方向のみに規模が縮小された。南側道路は交通規制され見物客にすべて解放するようだ。
グリーンベルトの中央ステージでは大会関係者の打ち合わせが始まった。8時を過ぎてから見物場所を確保することにするが開会までの4時間はひたすら我慢、我慢である。 |
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11時20分過ぎごろから出演者の入場が始まった。既に対面の南側道路は見物客で埋め尽くされている。
あきた観光レディーが登場すると祭りの雰囲気が一気に盛り上がり、いよいよ祭りのオープニングが近づく。 |
12時5分前に祭りのオープニングセレモニーが始まった。
会場全員で鎮魂の黙とうの後、地元仙台のすずめ踊りで祭りの幕が切って落とされた。
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仙台の伝統芸能「すずめ踊り」は発祥400年の夏祭り。
被災者の慰霊と被災地の復興を願って、躍動的で華麗な踊りがスタートした。すずめのようにリズムカルに動き回る姿は東北に生きる人の活力を感じる。 |
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中央ステージにも踊り手が上がり、祭りは早くも最高潮となる。
「すずめ踊り」は毎年7月下旬に七夕まつりの前に仙台夏祭りとして開催されているが、春の花まつり、5月の青葉まつりなど市民の祭連130団体が季節のイベント毎に披露している。
徳島阿波踊りにコンテスト優勝祭連を派遣してから、観光姉妹都市を締結し交流をもっている。 |
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次に地元出身の声楽家と演奏家による追悼セレモニーが始まる。鎮魂の詩の朗読では会場が静寂に包まれる。 |
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宮城県の後に続いて、東北各県の夏祭りがスタートする。
最初は「秋田竿灯まつり」だ、会場の両端の交差点から竿灯が上がる。ケヤキ並木が切れている交差点の空間が演技ステージに変わった。 |
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国分町通りの交差点で激しく競い合う竿灯の技は見応え十分。
本場秋田の夏祭りを仙台で披露するのは最初で今後はないことを思いながら会場の熱気が上昇する。
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次は原発の放射能漏れと対峙している福島の「わらじまつり」が登場し、会場から復旧支援の拍手が高まる。巨大なわらじは日本一と称され、古来より健脚を願って奉納されたのが由来。 |
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次に登場したのは、山形の「花笠まつり」。威勢のいい掛け声と花笠太鼓の勇壮な音色を先頭に、艶やかな衣装と花笠をあしらった笠を手にした踊り手が繰り出す。
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パレード一時中断の間にミス花笠がハイポーズ。 |
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次に横断幕を先頭に登場したのは岩手県の「さんさ踊り」。
鬼退治に由来するさんさ踊りは2007年に和太鼓の同時演奏記録をつくりギネス登録された。 |
ミスさんさ踊りを先頭にパレードが続く。ダイナミックな太鼓の響きに踊り手の気合が入る。 |
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息の合った太鼓の演奏と鮮やかな衣装を身に着けた踊り手の掛け合いが見事に融合し大通りを演舞する。 |
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いよいよ、トリは威勢の良い跳人を先頭に青森の「ねぶた祭」が登場し、会場はさらに熱気が高まる。ねぶた巡行の安全を確保するために、観客席との境に臨時のロープが張られる。 |
戦国武将政宗のねぶた。祭りの規模に合わせて本場のねぶた師が仙台で制作した。震災を赤馬にみたてて独眼竜政宗が兜で鎮めている構図がすばらしい。ご当地仙台限定のねぶたになっている。 |
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道路いっぱいに練り歩く勇壮なねぶたのパレード。昼間だけの巡行が残念だ。夜の明かりを灯したねぶたを期待していたが最終日は17時で閉会となる。 |
中央ステージでは大震災の中で奇跡的に残った衣装をまとい南三陸町の獅子踊りが奉納される。 |
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東北復活の力強い舞に会場からの拍手が鳴り止まない。 |
クロージングが近づき竿灯のパレード部隊がケヤキ並木の中まで入ってきた。ケヤキの木立とすれすれのところで演技が始まり、観客の喝采を受ける。手の平や、腰、額などの上で絶妙のバランスを取りながら竿を操る力強いまつりだ。 |
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国分町通りに対する一番町の交差点にも竿灯が見える。 |
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まつりパレードが始まり2時間が経ち、中央ステージではフィナーレの式が始まる。 |
閉会後、パレードの出演者が引き上げてくる。沿道からは熱い拍手喝采の渦が巻き上がる。がんばれ東北!
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パレードが終わって元気いっぱい戻ってくる出演者の勇姿に、感動する。今度は是非とも本番の夏祭りに出かけよう。 |
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震災復興を願った東北夏祭りの競演が終わり、2日間で37万人の人出となった。祭りを通して東北魂の忍耐強さが伝わり、逆境を跳ね除けて行く姿に元気パワーをもらうことができた。
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まつりに魅了された後は、仙台名物「牛たん焼き」。ホテルでお店マップをもらうが町中いたるところが牛たん屋さんだらけ。
ホテルの裏にもあった利休本町店で早速牛たん定食1.5人前を注文する。お決まりのテールスープと麦飯が付くが、とろろを追加する。合わせて2468円は大満腹。
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