沖縄美ら海の旅
2月2日から2泊3日の沖縄ツアーは宿泊ホテルとレンタカーに美ら海水族館入場チケットが付いて格安の企画料金だ。基本代金一人29000円のアグレッシブな価格設定に迷わず参加を決めた。
初日は那覇空港から高速道を1時間半ほど走って、恩納村にあるリザンシーパークホテルに夕刻到着し、明日からの日程に備えることにする。

二日目はホテルで朝食を済まし、開館時間8:30に間に合って美ら海水族館に到着する。水族館前にあるジンベイザメの巨大モニュメントは圧巻、高まる期待感の中でここから沖縄ツアーが始まる。
水族館入口に立つと、最初にコバルトブルーの海洋が視界に飛び込んでくる。立地環境を建物の構成にうまく取り入れた造りだ。ここからエスカレータを降りて行き、右手に曲がると入館口となっている。
娘の友達のスタッフと館内で待ち合わせして、特別にバックヤードツアーの案内をお願いした。一般のプログラムでは見ることできない、ジンベイザメやマンタの朝食風景を水槽の真上から見学する。このツアーの最高の記念になるシーンがここに待っていた。
巨大水槽という恵まれた環境と、新鮮な海水を絶えず供給するシステムが、ジンベイザメやマンタの複数飼育を実現した、世界に類を見ないビックスケールの水族館だ。
朝一番の入館の特典は他にもある。朝日が水槽に射し込み水槽の生き物すべてが輝いて見える。
↑ 巨大水槽「黒潮の海」は全景観をカメラに収めきれないほど広大としている。室内の照明を落としているので、水槽の中を悠々と泳ぐジンベイザメたちの姿は、本物の海中のように迫力満点。この臨場感に魅入った入館者は、しばし時の経つのを忘れている。

← 水槽に隣接したカフェ「オーシャンブルー」では軽食とドリンクをオーダーできる。こんな贅沢なカフェは他にあるだろうか。

↓ 水槽の一角の設けらえた「アクアルーム」では、水槽底部から見上げた遊泳が観察できる。







美ら海水族館の外景
水族館見学の後、イルカショウを見るために館外にある施設に向かう。

    花木で造られたイルカ
← 青い海をバックに「オキちゃん劇場」ではイルカショーが始まる。南国の自然の中で、イルカたちのダイナミックな演技が始まる。


↓ 隣にある「イルカラグーン」では、イルカやオキゴンドウをまじかで観察できる。
他にウミガメ館やマナティー館があり、バリエーションのある南洋生物の観察ができる。


同じ海洋博公園の敷地内にある熱帯ドリームセンターでは、沖縄国際洋蘭博覧会が前日から開催されていた。折角の機会なので、園内を運行している電気遊覧車に乗り行ってみることにする。水族館のチケット提示で入館料が半額になる特典が付いていた。
← 世界初!青いコチョウランが展示されていた。
国内で行われる国際規模の蘭展では、もっとも歴史があり今回で27回目を迎えている。一足早い春の到来を満喫する一日となった。
帰路は今帰仁村(ナキジンソン)を経由し、古宇利島まで足を延ばすことにする。屋我地島と古宇利島を結ぶ全長2キロほどの古宇利大橋は、浅瀬のエメラルドグリーンの海に架かる人気のドライブルートになっている。橋の両端にある駐車場は満車で止めることができず、車窓から景観を楽しむことになってしまった。
さらに欲張って西海岸リゾートにある万座毛(マンザモウ)までやってきた。時刻は17時を過ぎ、曇り空となったため、期待していた東シナ海に沈む夕日を見ることはできない。
夕刻の万座毛を後に、沖縄自動車道の屋嘉ICから今日の宿泊地那覇に向かう。一日の旅の疲れは、やっぱり郷土料理の店に決めた。ガイドブックで見つけた国際通りの裏手にある「あっぱりしゃん」は沖縄民謡ライブが楽しめる。三線奏者のオーナーのライブが始まった。店はそんなに広くないのに、沖縄ムード一杯の雰囲気を楽しめる。



ライブハウスは食事がいまいちのところが多いのに、この店は石垣島産の食材を使った料理が格別にうまい。
お墨付きはアダン(タコノキ)の新芽と豚肉の炒め料理、独特の食感と味付けがたまらなく美味しい。その他、島豆腐など石垣郷土料理と、豊富そろった泡盛で盛り上がることうけあいである。
三日目は、世界遺産「首里城」を最初に観光する。沖縄は車社会で、とりわけ那覇は渋滞を警戒していたが、さほど影響もなく首里城までやって来た。しかし、平日開園間もないというのに駐車場は既に満車になっている。周囲を一回りしながら民間パーキングを見つけ、やっとのことで駐車できた。ここからショートカットして公園の中に入ることができたが、肝心の名所「守礼門」を見落としていることに、後で気付くことになる。

←園比屋武御嶽石門が「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつとして、2000年12月2日に世界遺産リストに登録されたことの証し。(平山郁夫 筆)
歓会門をくぐり、瑞泉門、漏刻門を抜けると広福門へと続く。広福門から先は入館券が必要だ。

首里城正殿

正殿内で唯一撮影可能な国王の玉座

トイレのタイルに描かれた交易船画

      格調高い王朝の蛇口

復元されたグスク(城)の石垣

   復元前石積みの境界標識
10時30分に首里城を出発して、高速道に入る。行先の目的地は「うるま市」にある海中道路。浅瀬の海を埋め立てて造った全長約4.7kmの海上道路に、50分で到着した。
道路のほぼ中間地点に海の駅「あやはし館」があり、昼食に沖縄そばをいただく。離島ドライブは、美ら海の潮風がここちよい、まさに沖縄の醍醐味だ。
海上に架かる大橋を渡り、浜比嘉島までやって来た。南海の穏やかな海を見ながら、しばらく休憩をとり、爽快ロードを引き返す。
帰路は途中からルートを変えて、勝連城跡に立ち寄る。世界遺産に登録された遺跡群が県内に点在するが、ここもその一つ。勝連半島の高台に建つグスク跡は、優雅な曲線を描く。
グスクの階段を登り詰めると中城(ナカグスク)湾が眼下に広がり、かつては海洋の重要な要塞の一つであったに違いない。
グスクの頂上からは、先ほど走ってきた海中道路が遠くに見て取れる。海中道路の右前方が浜比嘉島、左前方が石油精製基地がある平安座島で、更に伊計島へと連なっている。
13時30分に勝連城を後に、国道329から国道331を南下し、14時30分世界遺産のパワースポットになっている斎場御嶽(セーファウタキ)に到着。

斎場御嶽は琉球王国最高の聖地、二本の鍾乳石と三角形の空間の突き当り部分が拝所になっている。
拝所の樹林が開けた空間から、海の彼方に久高島が見える。聖地と言えども、太平洋戦争では米軍の艦砲射撃を受け、着弾地に地下水が溜り、現在沼になっているところもある。今尚、戦争の傷跡が残る沖縄の悲惨な歴史を感じる。
帰りのフライトまで時間に余裕があるので、沖縄最後の観光は「おきなわワールド」を訪れることにした。
15時30分到着、大急ぎで入園し国内最大級といわれる玉泉洞の鍾乳洞(全長5q、公開は890m)を散策する。16時からのスーパーエイサー最終公演になんとか間に合った。
ハイビスカスが咲き乱れる、「おきなわワールド」を後に那覇に向かう。レンタカーを返却後、那覇空港で夕食を取り20時25分発JALで帰途につく。今回もめいっぱい詰め込んだ旅が終わる。
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